狼が地を蹴る。サーティスは寸前で剣を抜き、狼の右の前足から左肩へまっすぐに斬り上げた。刹那の間隙。直後、白い毛皮が朱に染まる。
「…お前か、シルヴィア…!」
先刻、雪の上に打ち倒されたとき、脳裏に閃いた映像。吹雪の雪稜に、佇立する女。髪も、服も、肌も、全て雪の色。そして、哀しげな表情…。
サーティスの声は、絶叫に近かった。

「…どうしても…お前だというのか、シルヴィア!」

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サーティスとエルンストが龍禅で再会したしばらく後のお話。一応は「さくっと読める番外編」を目標に書いた話でしたので、構成もかなり切り詰めています。・・・の割にはあまりさくっともしなかったような。