Last Scene 楽園に寧日なし

All’s right with the world.

Senryu-tei Syunsyo’s Novel Room(Novel-Ⅲ)
Evangelion SS「All’s right with the world Ⅱ」


「夏休みなんて、あっという間よねぇ…」
 生徒会室の窓から、アスカが感慨深げに空を見上げている。
「そうだね」
 夏休みが終われば体育祭、文化祭と行事が目白押しだ。表舞台に立つアスカはともかく、裏方のシンジはそれまでが大変で…夏休みの課題もそこそこに休み明けに殺到するであろう雑務を少しでも減らそうとパソコンに向かっていた。
「…あー…何だったんだろ。何だか、キツネにつままれたみたいだわ」
 それが、コテージでの一件のことを指していると判っていたから…シンジは敢えてコメントを避けた。
「おばさまの仕事がいろいろな企業がらみだってことはわかってたつもりだし、あの二人がおばさまからしたら実子同様って事についても理解したわ」
 あの二人、というのは当然、カヲルとレイのことだ。
「でもあの二人にも一応親戚がいて、しかもおばさまの仕事と関わりがあって…ええと、ライバル会社みたいなとこからいろんな妨害工作を受けることもあるから、ボディガードを雇ってたりもすると」
「…まあ、概ねそんなとこらしいね。僕も実はあまり詳しいことは知らないんだけど」
 シンジの返答は、掛け値なしの真実である。シンジとてあまり具体的な話を聞かされているわけではなかったから、それ以上何も言いようがなかったのだ。
 整理をつけるようにゆっくり口に出していたアスカが、途中でそれを諦めたようにつやのいいブラウンの髪をかき回してから、おもむろに結び直す。
「まぁいっか…あ、加持さんのお見舞い行かなくちゃね」
「そうだねえ…」
 夏休みは、あと十日ほどで終わろうとしていた。

***

 リツコが研究室の扉を開けたとき、タカミはいつも通り猫たちを肩や膝に載せたままキーボードの上に忙しく両手を走らせていた。
「あら、榊君…おかえりなさい」
 主人の帰室に、猫たちが出迎えに走る。今日、彼の膝の上に残ったのはカスパーだった。
「お疲れ様。おかえりなさい、リツコさん」
 タカミがカスパーを抱いて立ち上がる。その動作で机の上から何かボールのようなものが転がり落ちた。
「あら、何?」
 拾い上げると、卵ほどの大きさのボールに細くしなやかな棒がさしてあり、その先には細い布きれがついている。どうやら中におもりが入っているらしく、おきあがり小法師よろしく常に棒が上を向くように出来ていた。
 よくある猫のおもちゃだが、ボールの表面は小さな貝や綺麗な石がびっしりと貼り付けられている。隙間は色とりどりのビーズやスパンコールで埋まっており、光線の加減で螺鈿細工のようにキラキラと光った。
「カスパーたちにお土産です。ハンドメイドだけど、結構綺麗でしょう?布とビーズ以外は皆、浜で拾った漂着物だそうですよ。…ごめんなさい、お店っぽいものが一軒もないところだったのでね。今回はこれだけです」
「丁寧に作ってあるわね」
「そりゃもう、これは講師作品・・・・ですから。レイちゃんの作品は夏休みの課題で提出する算段らしいですよ」
 まるで自分が作ったものを褒められたように笑う。リツコがそれを床の上に置くと、中の錘が動いたのか…鈴のような音がした。その音に、バルタザールとメルキオールが殺到する。カスパーは片眼を開けたものの、彼の膝を占有する方を選んだらしい。
「随分と気に入ったようね」
「喜んでもらえて嬉しいですよ。今度、作者にも報告しないと」
「休養はできた?」
「まあ、そこそこに。何せ大所帯ですから、結構賑やかですしね」
 そう言いながら、再びパソコンに向かう。
「…またしっかり宿題を出して貰ってるようで…」
「帰ってきて早々で悪いんだけど、頼むわね。それと、うちの防壁ファイアウォールの再点検もよろしく」
「了解です。期限は…ああ、ちゃんと入ってますね。ええ、頑張ります」
 とりあえず手持ちのメモリにファイルを落としながら頭を掻く。その横顔を見遣りながら、リツコはバッグを置いて自分のデスクについた。
「…それはそうと…MAGIについては一通りの資料は読んだと言っていたわね?」
「…はい…?」
「開発中止になったインターフェイスAIの記録は読んだ?」
 リツコの質問に反応したのは、部屋の一隅でカップを洗っていたマヤの方だった。取り落としそうになったカップの立てた鋭い音に、それまでおもちゃで遊んでいたメルとバルが思わず顔を向ける。
「ええ、一通り。自律型AIを目指したものだったそうですね。…あぁ、そういえば、僕と同じ名前だ」
 さらりと言われて、背を向けたままマヤが硬直した。
「そういえば、この間、いましたよ」
 まるで、街で同級生に会ったかのような気楽さで、彼は言った。
「…そうなの?」
 さすがのリツコも、反応リアクションに迷う。
「うちに侵入してきてね、まあ一騒動あったんですが…元気でしたよ。分身エイリアスを量産してなんだかいろいろ面白そうなことやってました。ねぐらも次々とかえてるみたいだから、居所は掴めませんでしたけど」
「…あの…聞いてると、どっかの野良猫が紛れ込んだ話みたいに聞こえるんですけど…」
 マヤが控えめに口を挟む。感想としてはリツコも同じようなものだったから、そのまま聞いていた。
「うーん…似たようなものかなー…勝手に侵入するし、殖えるし、こっちの隙を突いてデータ抜いていくし…時には引っ掻くし?」
 楽しそうに数え上げながら、キーを打つ手は止まっていない。
「ぐれて飛び出した割には、彼は彼なりに…一生懸命生きてるみたいです。時々また来るようなこと言ってたから、ひょっとするとそのうちリツコさんにも会いに来るんじゃないかな?」
 マヤはキツネにつままれたような顔をしていたが、リツコは静かに微笑った。
「…そう、楽しみにしておくわ。
 実はね、あなたが留守の間、ここのサーバがクラックされかかったの。じゃあ、ひょっとして…あの子かしら?」
「…え」
 流石に、タカミの手が止まった。
「大丈夫だったんですか?」
「あなたが防壁を更新しておいてくれて助かったわ。尤も、最終的には外部接続を物理切断して止めたんだけど」
「まあ、それしか無かったと思いますけど…また思い切ったコトを」
「此処のシステムくらいならそれで対処可能だもの。あなたでもそうしたでしょ。まあ、攻撃は数分で終熄したし」
 何処か試すような、面白がっているような表情ではあった。真意を掴みかねたのか、タカミが幾分慎重に言葉をえらぶ。
「…おそらくは」
 リツコはくすりと笑い、立ち上がると軽く腕組みして背後の本棚に身を凭せかけた。
「マヤがね、疑ってたのよ。あなたのこと。…あの子・・・が戻ってきたんじゃないかって」
「せ、先輩っ!!」
 流石にマヤが声を高くした。
「あー、ひどいなぁ。伊吹さん、そんな目で僕のこと見てたんですかぁ? こうやって公然とシステムに入れるのに、どうして僕がここをクラックしなくちゃいけないんです?」
 タカミの反応に、恥じ入ったマヤが居たたまれずに持っていたトレイで顔を隠す。リツコはもはや身体を折って笑い出してしまった。
「言ったんだけどね、論理的に破綻してるって。ふふ、システムチェックする間なにもできないもんだから、結局ずっとその話。さぞかしクシャミがとまらなかったでしょ?」
「はぁ、どうでしたっけねぇ…」
「ごっ…ごめんなさいっ!! お願いだから忘れてっ!」
 タカミの曖昧な返答が、呆れて物も言えないというふうに見えたのか…マヤがひたすら謝り倒す。
「…まあ、どっちかっていうと先方が…一緒にするなって怒りそうですけど」
「あら、そうなの?」
「彼は僕なんかより余程生きることに能動的だと思いますよ。生きてくって大変なことなんですよね。僕もいろいろ考えさせられました」
「ふうん…」
 作業を再開したタカミを面白そうに注視しているリツコ。マヤはしばらく亀のように首を竦めていたが、そろそろと洗い物を再開する。
「あぁ、防壁についてはまた更新しておきます。あまりセキュリティを高く設定してしまうと諸々面倒が増えるけど、彼がその気になったらうちの防壁なんて3分で貫通されますからね」
 そしてもう一度手を止めて、リツコに向けて微笑んだ。
「まあ彼も、貴女あなたを本当に困らせるようなことはしないと思うけど…」
 それは、僕がさせませんけどね、と言っているようにも聞こえた。

***

「変に格好付けるからでしょ?ホントに間抜けなんだから…」
 第3新東京市内の総合病院、外来の待合。右の下腿以下に装具をつけた加持は、付き添いのミサトに叱言こごとをくらっている最中であった。傍らには松葉杖がある。
 十日ばかりの入院であった。
 ―――――騒動の後、少し捻っただけだと思っていた加持の右足は翌朝見事に腫れ上がった。
 幸いなことに、コテージには医者と看護師、応急処置が出来る診療材料も揃っていた。
 しかしその医者…高階マサキは、加持の腫れ上がった脚を見るなり盛大に苦虫を噛み潰した。
『…ちょっと捻っただけだ?莫迦言え。右脛骨遠位端骨折。腓骨も多分いってるな。一番面倒なところを、更に面倒な折り方しやがって。ついでに言えば、いためたんならもっと早く言え。ここまで腫らす前に! 大体、折れてるかどうかなんて判断するのは医者こっちの仕事なんだよ。歩けるからって折れてないとは限らないんだ。
 …悪いことにはコンパートメント症候群 1 を起こしかかってる。とりあえず病院へ連れてく前に切開だな』
『…切開って…切り開くのか、足』
 流石に一瞬退いた加持を睨んで、マサキが説明を加えた。
『当たり前だ。この場合下腿筋膜の中に出血が溜まって神経組織やなんかを圧迫するんだよ。壊死させたくなかったら脚上げて大人しくしてろ。骨接合はそっちがおちついてからだ。
 まあ今回は、バタバタしてたとはいえ気づいてやれなかった俺も悪かったよ。心配しなくても麻酔ぐらいしてやる。銃弾ナマリダマの摘出に比べれば穏やかなもんだ。
 レミ、筋膜切開やるから材料準備スタンバイ。器械出しを頼む。外回りはユキノに』
 他にも数人へ矢継ぎ早に指示を出すと、それぞれが短く応えてさっと散っていく。問答無用な段取りに加持は眩暈がしそうであったが、その眩暈が治まる頃合いには全てが完了していた。
「…ま、よかったわよね。流石というか、早いったらなかったわ」
 完全に傍観者だったもので眩暈とは無縁だったとはいえ、目の前で流れるようにコトが進んで気がつけば足を吊られた加持の横で救急車待ちをしていた格好のミサトである。
 その後、この病院に転送されて骨接合術を受けたのだった。抜糸が済んでしまえばあとはリハビリだけと言われ、ちゃんと通うから帰してくれと退院を願い出た次第である。
 退院の手続きもあらかた済んで、会計待ちをしているところへ見慣れた顔が白衣ケーシー  2 を纏って姿を現した。
「よっ、退院おめでとう。真面目に通えよ?」
「あれ、高階君…じゃなくて、アーネスト・ユーリィ…ええと?」
 大学病院の研究棟勤務という話を聞いていたミサトが、高階がきちんとここの名札ネームプレートまで下げて白衣ケーシーで歩いているのに驚いて訊ねた。
「いやもう、高階でいいから。一応それで通るし」
 些かげんなりしたふうで、マサキが応じる。ミサトがにわかに悪戯っぽい笑みを閃かせた。
「アニー 3 って呼んでいい?」
「却下!」
「可愛くていーのに。まぁいいわ、ところでなんで白衣?勤務ここだったっけ?」
「ここはバイト。週2日程な。食い扶持が多いから養うのも大変だ」
 高階はそう言って笑った。まったく、何処まで本気なのか判らない。
「加持、今回はお前さん一人貧乏籤引かせたようで悪かったな。休業補償のほうは碇博士がきっちり手回ししてくれるらしいから、安心しろ」
「…そりゃどうも」
 他に言いようがなくて、加持はそう返事した。確かに、あれだけの荒事になって(攻め手の損害については考慮から外すとしても)怪我をしたのが加持一人というのは、世間的には貧乏籤というのだろう。
「あーっ、いた、加持さーん!」
 病院のロビーにはあるまじき声量が突き抜けてきて、加持は思わず首を竦めた。見れば、エントランスに花束を抱えた子供達がいる。
「賑やかなお迎えだな。じゃあ俺は一応勤務中なんで、おいとまするよ」
 そう言ってするりと高階が姿を消す。アスカとシンジ、レイとカヲルがこちらへ歩いてくるのが見えた。丁度その時、会計に名を呼ばれて加持が立ち上がる。松葉杖を取りながらであるから相当によろつきながら、であるが。
「折角来てくれたんだから、ハナシしたげなさいよ。私が行ってくるから」
「…何から何まで済まんね」
「恩義を感じるなら行動で示しなさいよぉ?んじゃ行ってくるわ」
 軽捷に身を翻すとミサトがハンドバッグを抱えて会計カウンターへ向かう。殆ど入れ替わりに子供達が到着した。松葉杖を突いた格好で子供達を迎える。
「…大変そうだね」
 開口一番、加持の格好を見てシンジがしみじみとそう言った。両松葉杖もさることながら、鎧と紛うような装具で右膝から下はがっちりと固められている。
「装具は今日出来あがったばっかりでね。これのお蔭で脚はついていいらしいが、なんとも歩きづらいよ」
「ホント、重たそう…」
 子供達が心底気の毒そうに、でも物珍しいのも手伝って加持の装具を覗き込む。
「もうすぐ退院とは聞いてたけど、今日だったのね。おめでとう加持さん」
 相手が両側に松葉杖を突いていては抱き付くことも叶わず、アスカがとりあえず花束を差し出す。…が、残念ながら杖で両手が塞がっていた。
 杖を置くべきかどうかで加持が迷ったものだから、丁度帰ってきたミサトがとりあえず花束を受け取る。
「来てくれて有難う。ごめんねー皆、気を遣わせちゃって。コイツがカッコつけて勝手にスライディングしただけなのに、うっかり足折ったばっかりにこーんな大事オオゴトになっちゃったの」
 ミサトの説明は概ね当たっていたから、加持としては苦笑いするしかなかった。援護をするなら、もっとましなやり方がいくらでもあったはずなのだ。
「ホラ加持、帰るわよ。当面の薬と、諸々の書類は受け取ってきたから。ああ、診断書は私が明日学校へ持って行っといたげる」
「…はいはい」
 なけなしの荷物は男子学生ふたりが手分けして持つことになった。加持は杖で両手が塞がっていたから、花束はレイが持って歩き始める。
「脚をつけるとはいっても、これじゃ大変ね。…加持さんのアパートって確か2階…」
 レイがふと気づいて言った。当然エレベーターなどない。ひょこひょこと歩く加持の姿を見れば、やってやれないことはないが相当難儀なのは間違いない。
「ああ、こいつ、しばらく私んちに来るから。そこは大丈夫」
 車を回してくる、と先行しかけたミサトが振り返って言った。
「えーっ!?」
 再び、病院のロビーにあるまじき声量が天井へ突き抜ける。
「アスカ、アスカ、ここ病院」
 シンジが真っ赤になってアスカの口を塞ぎにかかる。
「…いやまあ、こんな格好だし、当面世話になることになった」
 いささかばつが悪そうに、加持が天井へ視線を逸らす。
「そっかぁ、葛城先生のマンションってエレベーターあるもんね。ご飯作るのだって大変そうだし、それなら安心ね」
 レイは至極納得というように頷く。
「ナニ納得してんのよ。ミサトんちってスゴいのよ。あんなトコにいたら病気に…っていうか、ミサトが人間の食べれるモノなんか作れるわけないでしょ? 加持さんが餓死しちゃう!」
「ちょっとぉ、失礼ね。掃除ぐらいしたわよ」
「当たり前でしょ、加持さんをゴミの谷で寝かせるつもり!? 加持さんっ、今からでも遅くないわ。うちに来て!うちこそママと二人暮らしで部屋なんか余ってるんだから!」
 ある種の小型犬を思わせる高音域の声でまくし立てるアスカをシンジが真っ赤になりながら宥める。とりあえず病院のエントランスでする会話でないのは確かだから、一行はそそくさと移動した。
 エントランスのすぐ外、ロータリーに面した歩道まで出たとき、状況を慮ったシンジとカヲルに促されてミサトが駐車場に車を取りに行く。レイはといえばアスカの立腹の理由が今ひとつ掴めなくて、花束を抱えたままきょとんとしていた。
「大変でしたね…というより、現在進行形ですね、加持さん。それともこれからのほうが大変なのかな?」
 シンジが至って常識的な見解でアスカを諭す間に、カヲルは少し悪戯っぽい笑みで加持にそう声を掛けた。
「いやまったく、面目次第もない。君を助けるどころか、却って世話になる羽目になってしまったね」
「僕は何もしてませんから。…ああ、シンジ君と一緒に荷物持ちしたくらいかな?」
「はは、ありがとう。…葛城が…今回は自分が受けたしごとだから、治るまで自分が面倒見るって言ってな。まあ、あいつが壊滅的に家事がダメなのは判っちゃいるが、どうにも断りにくい雰囲気で」
「いいじゃないですか。厚意は素直に受けるものですよ。特に女性からのはね」
「まあな、面倒見てもらうんだか面倒見させられるのか微妙だとは思ってるが」
 加持が苦笑いする。
「…ま、生存に支障をきたしそうなら連絡ください。幸い僕は、世話好きとかお人好しとかの知り合いには事欠きませんから。…どうしました?」
 加持が何か…呆気にとられたような表情で見ているのに気づいて、カヲルが訊ねる。
「…いや、葛城の言うとおりだなと」
「何がです」
「…何て言うか…随分と表情が柔らかくなった」
 カヲルは一瞬、面食らったふうではあったが…ややあって破顔した。
「…たぶん、それは良いことなんでしょうね。僕にはまだよくわかりませんが」
 ほどなくミサトのアルピーヌがロータリーに滑り込んできた。
 終いには加持の松葉杖をひったくりかねないアスカをシンジが宥めつつ、その隙にカヲルが荷物と加持をアルピーヌに押し込む。そろそろ状況を察しつつあったレイが駄目押しに花束を加持の腕に押し付けると、すかさずシンジがドアを閉めた。間髪入れずに発進。
「何か、すごいチームワークだったよね」
 走り去るアルピーヌを手を振って見送りながら、レイがこっそりとカヲルの耳許で囁く。カヲルは笑った。
「そうだね。後始末が大変そうだけど…」

  1. コンパートメント症候群…打撲、骨折、脱臼などをきっかけに、それによる出血などで組織内圧が上昇して、細動脈の血行障害を引き起こし、筋腱神経組織が壊死に陥る障害。
  2. ケーシー型白衣…概ね、ただ「ケーシー」とだけ呼ばれる。丈が短い半袖で、スタンドカラーの白衣。とにかく動きやすい。昔、アメリカのドラマで脳外科医ベン・ケーシーが着ていたのが由来らしい。余談だが、柳は学生の時分、教官がガウン型の白衣(エヴァでいうとリツコさんが着てるタイプ)と区別してそう呼んでいたのを、「ケーシ衣」だと思い込んで『「ケーシ」ってどういう字を書くんだろう』と一時本気こいて考えていた。(この思い込みは一応学生の間に修正された。有難う教官!)
  3. アニー…正確にはアーネスト(Ernest)の愛称(短縮形)は「アーニー(Ernie)」あるいは「アーン(Ern)」。アニー(Annie)では元がアナ(Anna)、女の子になってしまう。まあ、洋の東西を問わず男女関係無く使われる名前はあることだが、一応ここでのミサトさんは英語教師なので、完全に嫌がらせ。