すべて世はこともなし

Angel's Nest

SEED OF FUTURE

初秋の風になびく緑の波。画に描いたような田園風景がそこに広がっていた。「わー…ほんとに一面の緑だ…」 帽子が風に飛ばされそうになるのを必死に抑えながら、レイがため息を吐ついた。「…でも、もう刈っちゃって大丈夫なの?なんだかまだ随分青々してる...
幸せの温度

至って平穏な某日の出来事

書いてても読んでても痒い話になってしまいました。「I wish your happiness」のシリーズに迫る勢いの甘ったるさです。実はWordPressに起こす段階で加筆したら痒さが30%ぐらい増量。痒さのあまりメインマシンがハングアップしそうです…。
幸せの温度

幸せの温度 Ⅲ

「「何処行ってたの!?」」  部屋に戻るなり、レイとタカミに二人がかりで詰め寄られて思わず一歩退がってしまう。  そういえば、タカミに声を掛けないまま出てしまったのだった。
幸せの温度

幸せの温度 Ⅱ

 コンサートホールはそれほど収容人数が大きいわけではなく、三〇〇席ほどだったであろう。
幸せの温度

幸せの温度 Ⅰ

短い悲鳴、それと物音。 「レイ!?」  カヲルは荷物を放り出して、リビングへ走った。そして、リビングの光景を一目見て状況を察し、吐息する。
幸せの温度

幸せの温度

「Angel's Nestへようこそ」第4話は本当に「のんびりまったり、使徒達の日常」なお話。 今度こそ怪物も腹黒いオトナも悲しい過去も出て来ないホームドラマ的らぶこめ。…のつもり。  当然ヤマもなければオチもないしイミもなし(笑)伏線さえ...
Angel's Nest

ある夏の日、アクアリウムにて

「one summer day」これにて終幕。  夏の初めに水族館に行く機会がありまして、水底の雰囲気にどっぷりと漬かって来ました。 好きです、水族館。涼しいし、直射日光に晒されずに済むし(笑)何より、水の中の雰囲気ってやつが、柳は大好きな...
Angel's Nest

one summer day Ⅲ

月は満月。 午後にユカリをはじめとする「Angel's Nest」の面々が到着し、コテージは一気に賑やかになっている。その賑わいから抜け出して、イサナは月夜の桟橋に出ていた。船クルーザーが一隻係留されているが、当然今は誰もいない。 風はなく...
Angel's Nest

one summer day Ⅱ

「…ごめんなさい、もしかして当直?あ、よかった。少し、気になることがあって…」 深夜、なんとなく寝付けなくてキッチンへ水を飲みに出てきていたカヲルは、扉が開けっぱなしの書斎から漏れ聞こえてくるタカミの声に…内心で吐息した。 カヲルやレイにあ...
Angel's Nest

one summer day Ⅰ

夕刻のカフェ「Angel's Nest」は高校生の一団が占拠していた。 盛夏の苛烈な太陽に灼かれたアスファルトが放つ熱気は、日没を迎えるまでにはまだ間のある街に居座っている。学生たちはクールシェアの名目の下にカフェの一郭で勉強会を始めてしま...