楽園の夢

上弦の月

 国都北面の砂漠の中に佇立する石造りの神殿の中は、氷点下に近い外気に比べれば暖かさを保っていたが、人の少なさとあいまってひどく冷えた印象を与える。
 奥まった一室に揺れる細い灯が、白い几帳の襞に微妙な陰影を落としていた。
 几帳に囲まれた絨毯の上で、どこか似通った顔立ちの男女が寄り添う。夜の雨に光を当ててみたような銀の髪を肩まで伸ばした青年。その腕のなかで、女は愁いに満ちた表情で目を閉じていた。
 ひどくいとおしげに彼女の金褐色の髪を梳く青年の纏うのは、ただの神官衣ではなかった。国王一代に一人王族から選ばれる、この風神殿の長のみが纏える神官衣。古来占星術を専らとし、今も国王の諮問機関的な役割を負う「風見」だけが持てる細い額飾りが、青年の白い額で灯を受けてあえかな輝きを放っていた。
「……」
 青年の唇が僅かに動いて、彼女の名を紡ぐ。
 金褐色の髪がゆらりと動く。ゆっくりと、若草色の眼が開かれた。
 哀しさは拭えない。しかし、それに押し潰されぬ強さを湛えた若草色の瞳。彼もそれが分かっているから、多くは言わない。
 ただ、夜が明けるまでこうして支えている。それが唯一、今の彼が彼女にできることであったから。
 ──────奥行きを持った絵画。言い表すなら、それしかなかった。

 しかし、余りにも哀しすぎる絵画であった。

***

 鏡の中にいるのは確かに自分自身なのだが、凄まじい違和感に眩暈めまいがしそうだ。
 金褐色の前髪を少しあげて額飾りをつけ、横髪も飾り紐で押さえて耳を出し、耳环イヤリングをつけている。衣装も上等な白絹で、ほかにもたくさんの装身具をつけているが、それら全ては銀を主体とし数の多さに比してきらびやかさはなかった。
「…“風見”か」
 若草色の瞳を伏せ、サーティスは軽く溜め息をつくと鏡の前を離れた。
 椅子まで歩く僅かな動作に、アンクレットや帯の飾りが涼やかな音を立てる。
 昨夜、夢を見た。 ストーリィがあったような、なかったような。だが、余りにも哀しげな場面ははっきりと頭に灼きついていた。
 青年の唇が彼女の名を紡いだとき、サーティスは確かにその名を聞いた。
「…Ruseart…」
 声に出せは、確かにそうなるはずだった。
 自分と似た髪と眼の色。だがその顔立ちは、どちらかと言えば母アスレイアに酷似していたように思う。幼い時に死別しているから、あくまでも印象だが。
 常はどんな吉夢も悪夢も、牀を降りて数歩で忘れ果てるサーティスである。だが、余りにも鮮明なあの場面の所為か、その夢は妙に頭から離れなかった。
 ────彼とマキがここ、砂漠のオアシス国家シルメナの王都……メール・シルミナにたどり着いたのは四日ばかり前のことである。おりしも国王シール・リュクレスが崩御、その葬儀とレーダ大公ルアセック・アリエルの即位で国を挙げてその準備に大わらわだった。
 サーティスが会おうとしていたのはほかでもないレーダ大公その人だったから、忙しい中時間を割かせるのも何だろうとサーティスは会わずにこの国を通過しようとしていた。ところが、身内の戴冠式というのに素通りというのも不人情だろうとマキに言われ、一応書簡だけ届けさせたのが運のつきであった。
 宿を包囲されていることに気づいたときは、本気で危ないと思ったのである。それだけに、連れて行かれた王城で従兄に再会した時は久闊を叙するより先に怒鳴ってしまった。
『全く治ってないな、この狐め!くだらん茶目っ気で余計な冷汗かかせおって…!』
 しかし、流石というか、向こうも負けていない。
『前に来たとき、俺が帰るまで待てと諄いほど手紙を出したのに、とっとと出ていってしまったのは何処の誰だ?忘れたとは言わせんぞ』
『あれは…!』
 何か言おうとして,明らかに分が悪いのを認識して言葉に詰まる。ルアセックは笑って言った。
『誰も取って喰いやせん。従兄の戴冠式ぐらい素直に祝っていってくれ』
『…俺が今どういう立場か分かって言っているか?』
『要はツァーリにばれなければいいんだ。違うか?』
 事もなげに言ってのけ、銀の雨のような髪を揺らしてにっこり笑う。
『強引な奴…』
『他意はない。ただ会いたかっただけだ。……そう柳眉を逆立ててつれないことを言うな。叔母上似の美貌が台無しではないか』
『気色悪いことを抜かすな。会ったこともないくせに何が叔母上だ』
『…何も本気で鳥肌を立てることはあるまいに』
『ええい、立てさせるのは誰だっっ!』
 頭の中身と政治手腕が先王以上なのは王太子時代に十二分に実証され、サーティスもそれを認めていたが、この茶目っ気だけはどうもいただけない。
『実は、父上の代の「風見」は早逝はやじにしてしまってな。
 当世の「風見」なぞ即位と葬式のときしかお呼びでないが、これも何かの縁、父上を送り出す「風見」最後の役目、引き受けてくれないか。溺愛していた妹姫の一粒種とあれば、父上も喜ぶ』
『「風見」は王一代に一人というのが決まりだろう』
『王が「風見」より先に死ぬという保証はない。「風見」が先に死んだときは、その名を借りた代理者が送り出すのさ』
『…もっともな話だ。で?それを私にやれと』
『代理者の名は伏せられる。顔はほぼ見えない。ツァーリからもシードル卿が来るそうだが、まず分からんさ』
 本当に大丈夫だという自信があるのか、それとも楽天を気取った無責任か。
 サーティスは暫くこめかみに指先を当てていたが、ふうっと息をついて顔を上げた。
『…負けた。慎んで代理引き受けさせてもらおう』
『そうこなくては。王城と神殿に房を用意させるし、手筈は万端調えるから、お前は当日までゆっくりしていてくれ。…あぁ、神殿から当日の手筈について教授に来ると思うが、適当にあしらっていい』
 そんな具合で、今日がその装束あわせだったのだ。 
 ――ややあって、扉を叩くものがいた。マキだ。
「わぁ、綺麗だよ!肖像の間で見たお姫様みたいっ!」
「……あのなマキ。一応これは神職の正装なんだが」
 マキは率直すぎる賛辞のあとも、しげしげとサーティスの神官姿を見ていたが、ふいに思い出したように言った。
「だけど、さすがサティの従兄いとこだよね。サティがたじたじになってんの、初めて見ちゃった」
 感心したような一言にサーティスは腐ったが、実際やられっぱなしだったのだから仕方がない。
「何といっても、即位に際して“アリエル”の名を許された程の奴だからな。即位すれば、ルアセック・アリエルⅤ世…になるのか。頭の中身は聖王アリエルの名に恥じんが、何といってもくわせ者だからなぁ。周りの国が「銀狐」に神経を尖らすのも、そう先のことじゃあるまい」
「「銀狐」…?」
「あの銀髪の所為だろう。レーダ大公 1 時代に国境を接していたヘルツェン邦の王から奉られた異名だ。言い得て妙だな」
「ええと、Ⅴ世ってことは、あの人の前に四人、アリエルっていう王様がいたことになるんだよね」
「……そうなるな」
「その四人の王様の中に、女の王様っていたの?」
「…どうしたんだ?」
「うん、あのね、ゆうべまた道…じゃなくて廊下にまよっちゃったんだよね。その時に、絵がいっぱい描いてある廊下に出たの。その中に、とっても綺麗な女の人が描いてあって、王様のと似たような飾りを付けてたの。アリエルっていう名前が書いてあったし、ひょっとして、歴代の王様の絵が描いてあったのかなと思って」
「…アリエル…女王…?女王リュシアート・アリエルⅣ世のことかな」
「あ、たぶんそう。アリエルっていうのは読めたんだけど、その上が読めなかったんだ。でも、そういうふうに読めたと思う。すごく綺麗なひとだったんだね。びっくりしちゃった。女の人でも王様になるんだ」
「そうだな、シルメナではそうだ。あと、シルメナの分家筋であるノーア公国も女性が後嗣となることを禁忌としない」
 そう言って、広い窓に歩み寄ると視線を肖像回廊のある方角に遠く放り投げる。サーティスもその血の半ばはシルメナのものであるから、当然女王リュシアートの名と、その代の「風見」ソラリス・ディレン・サーティスの名ぐらいは知っていた。
『女王…リュシアート・アリエル…』
 以前見た、肖像回廊に描かれたリュシアートの像と、昨夜の夢とが重なりあう。切なげな表情で、彼女が言った。
『サーティス…!』
 ふいに、背筋を寒いものが走った。皮膚が一瞬で泡立つ。
「ど、どうしたの!?」
 異変を察知して、マキが腰を浮かせた。

***

 ツァーリによる「大侵攻」の波がシルメナを襲った年。時の王は“アリエル”の名を持つ王としては四人目の、女王リュシアート・アリエルであった。その「風見」ソラリス・ディレン・サーティスはリュシアートの父の妹姫を母にもつ。血筋的には申し分ない人物であった。
 シルメナ、ことに王家では“アリエル”または“サーティス”の名は浅からぬ意味を持つ。
 “アリエル”とは言うまでもなく、大陸暦の500年に大陸に平和をもたらした聖風王アリエルをⅠ世とする。そして、この名を冠した王は代々名君と言われてきた。
 “サーティス”…SERTYSは古くはCATYSと綴り、聖風王の御代にはカティスと読まれた。カティスとは、女性ながらよく聖風王を輔弼し、王の死後……聖風王の遺児の時代に永く摂政の位にあった聖風王の妹姫である。
 王家においては傍系のものに与えられる名であるが、ソラリスのように「風見」となったり、重責を負うものが多かった。ちなみにカティス以来、シルメナの王家は女性が国王、あるいは摂政につくことをタブーとしない。
 また、直系王族に“アリエル”の名を持つ王子なり、王女が産まれた場合、その一生を通じての支援者とする意味をこめて、既に名を持っている子供にこの名を付けて名乗らせることも稀ではなかった。ソラリスはまさにこのケースで、彼が四歳までの名は“ソラリス・ディレン”であった。
 世の中というものはそううまくは行かないもので、アリエル、サーティス(カティス)と名付けられた者の間での憎み合い、傷付け合い、果ては殺しあいすらも絶無ではなかった。しかしとりあえず、リュシアート・アリエルとソラリス・ディレン・サーティスの関係はほぼ名付けた者たちの願いを成就させるものだった。
 …少なくとも、リュシアートがレーダ大公を経て即位し、ソラリスが「風見」として神殿に上がるまでは。
 二人の間の感情に、周囲は気づかなかったのである。ソラリスが結婚のできない「風見」の位について初めてお互いの気持ちに気づいた程だから、周囲にそれを察せよというのはどだい無理というものかも知れない。
 だが結局、ソラリス以外の人間と添い遂げる気にはなれぬ、故に私は誰とも結婚しない…そういう結論を出すのに、彼女はそう永い時間を要さなかった。列国の王の求婚を巧みに利用し、シルメナの安全をはかったリュシアートが結局一生独身を通した理由の一つがここにある。

 ────しかしそんなリュシアートの想いもふいになる日がくる。…ツァーリの「大侵攻」の開始がそれであった。

 王弟ヴォリス率いるツァーリ軍は、リュシアートに策を弄させる暇を与えなかった。もともとシルメナは軍事的強国ではない。加えて、ツァーリの動きを憂えてひそかに手を打って間もなくツァーリが動きだしてしまい、準備が足りなかった。他国に救援を求めることもかなわず、戦が始まる前からシルメナはもうツァーリに負けることが決まっていたに等しかったのである。
 猫が鼠をいたぶるような前哨戦が終わった日、ツァーリから軍使が来た。…やはりといおうか、和平の条件として女王リュシアートを后として差し出せば、王統は存続させるという一項が盛られていたのである。
 ────承知と伝えた上で、リュシアートは停戦の確約を取りつけ、すべてが済めば自分はツァーリへ赴くとした。
 かくて、西部戦線は終結した。これに前後してリーンは降伏しているが、シェノレスが完全に屈伏するまでにはまだ三年ばかりを要する年のことである。
 そしてリュシアートは……その夜、風の神殿に赴く。そこで、ソラリスに彼女自身の護り刀をもって彼女の胸を貫かせて息絶えたと伝えられる。
 ソラリスはその直後から姿を消すが、5年後……ナステューカにおけるヴォリス暗殺容疑で処刑された男の特徴は、ソラリスのそれに一致したという。…故に、シルメナでは(ツァーリの手前おおっぴらには話されないが)女王リュシアートの最期の命を、ソラリスが生命と引き換えに遂げたのだとされていた。

 リュシアートがツァーリ王に嫁ぐことはなかった。しかし約束通り王統は保たれ、現在に至る。

***

 ツァーリ衛兵隊第三隊隊長・エルンストは、シードル卿の護衛として第三隊をひき連れメール・シルミナ郊外に駐留していた。
 隊長の幕舎の中でただ一人、黙然と灯火の揺らめきをその褐色の瞳に映す。彼らしくもなく、ひどく思い詰めたふうだった。
 どん底で、一縷の望みである何かを待っている。そんな表情。
 幕舎の外で、小さな音がした。
「────そのまま」
 こころもち曲がっていた背を伸ばし、エルンストは短くそう言った。
「…シードル卿の話は聞いてるな?お前はしばらく身を隠せ。周りには、俺の所用あってナステューカへ帰したと説明しておく」
 幕舎の外にいた人物は、息を詰めた。しかし、エルンストにもう一度念を押させるほど優柔不断ではなかった。
「頼む。俺が動くわけにはいかん」
 気配が消えるのを確かめて、エルンストはふっと深く息をつく。彼女ならばうまくやってくれることを微塵も疑っていなかったが、その前に彼女が動きを拘束されれば、万事休すだ。
『…頼む、セレス…』
 セレス。第三隊の氷刃。彼女ならきっと、たった一人でもやってくれる。
 こんな、情けない気分を味わったのは久しぶりのような気がする。だが今は、それに耐えて待つしかなかった。

***

 風神殿。
 この国は風神を守護神として仰いでいるが、その総本山とでもいうべき神殿で代々の「風見」もここにいる。
 王都メール・シルミナの北東、砂漠の中の岩山に築かれた石造りの神殿である。
 大陸暦500年の「狂嵐」のおり、聖風王と共に大陸を「狂嵐」から守ったとされる「風」を祭祀まつり、神託を聞くために王族から農民に至るまで季節を問わずここを訪れる。また、裏手の岩山は王族の墓所でもあった。
 岩山といっても、潤沢な湧水と美しい湖を擁するためその周囲は緑したたる沃土を形成していた。
 この国は昔(聖風王の時代)オアシスの連合国家であったが、今では砂漠のほうが後退して緑の土地は珍しくなくなっている。それでも砂漠の名残りの岩山、荒れ地、あるいは砂漠そのものはあちこちに点在していた。
 人々はそれらを見、緑の増えたことを喜ぶ。この大陸じゅうで、一番緑のありがたみを知っているのはシルメナの人間であると言われる。
 わけて風神殿の樹園は、いわば聖地であった。誰もが神の恩恵を感じ、またそれに感謝できる場所。それがこの樹園であった。・・・・とはいえ決して堅苦しい場所ではなく、巡礼に訪れる人々は自由に語り合えた。大人たちが話に興じて子供たちを忘れてしまったときは、子供たち同士、木々の回りを駆け回る。
 ────そんな微笑ましい騒がしさがあまり届かない、神殿寄りの樹園の一隅……その四阿あずまやで、サーティスは半ば本に埋もれるようにして神殿の蔵書を読み耽っていた。
 王城で衣装合わせをした後、一応の予備知識を得るためと、個人的興味を満足させるための資料集めを兼ねて神殿に身を寄せていたのである。
「サティー!」
 元気のいい声に彼は顔を上げた。
「あのねー、また一冊見つかったから、どうぞご覧下さいって!」
「何だ、持ってきてくれたのか。言えば取りに行ったのに」
 決して軽い本ではないはずだが、マキは結構平然と抱えて四阿までたどり着いた。そうして机の上に置いたのは、シルメナ史書の一冊である。
 歴史書、それも「大侵攻」前後のものは、時代が時代だけに迂闊なことは書けない。そのため、本の存在自体が二重三重の秘密で守られている。よって閲覧できる人間など極端に限られているが、それ以前の問題として古シルメナ語で書かれた書物など、宮廷書記官クラスの人間でなければまず読みこなせない。
 マキは少し首を傾げるようにして言った。
「ねえ、ひょっとして、まだあの事気にしてるの?」
「…そういう訳でもないんだがね」
 あの日、皮膚が泡立ち寒気が走った後……全身から冷汗がふきだして、サーティスは立ち尽くしたまましばらく身動きが取れなくなってしまった。
 マキには「着慣れないものを着たからだ」と強引な言い訳をして、ようやく椅子に掛けて呼吸を整えたが……夢のことといい、女王リュシアートの話を思い返したついでに当時の文献をあさり正史の伝えるところをたどってみようとしたのである。
 だが正史から得られるところは少なかった。
 女王リュシアートの自害(正史は護り刀での自刄説を採っている)、ソラリス・ディレンの失踪、弟への王権委譲…等、表面的な記述しかない。そこで当時の神官が書き残した書簡などにまで範囲を広げて調べたところ、どうも納得いかない部分が浮かび上がってきたのである。そこを煮詰めた結果、いくつかの仮説ができた。
『…ソラリス・ディレン・サーティスは、本当にリュシアート・アリエルの命でヴォリス暗殺を決行したのか…?』
「…え?どういうこと?」
「つまり…ヴォリス暗殺は彼女の意志ではなかったのではないか、ということさ」
「…ソラリスって人の独断?」
「もう一つ言えば、彼女の死もまた、彼女の本意ではなかった可能性もある。そしてまた、あるいはヴォリス暗殺自体、本当に暗殺だったのか。そこすらも怪しい」
「…暗殺じゃなかったら…」
「自殺」
 マキは息を飲んだ。
「…大侵攻の頃っていったら、ツァーリが一気ににその領土を広げた時期だよね…言ってみれば、最盛期でしょ? そんな時代の宰相が、自殺?」
 とても、子供の台詞ではない。だがサーティスは、出来の良い生徒の回答に満足する教師のような表情でマキの頭を撫でてから、ふっとそれを悪戯小僧の笑みにかえた。
「面白そうだと、思わないか?」

  1. レーダ大公……シルメナの王太子の異称。王太子はその地位にある間レーダ邦の領主に任じられる。シルメナにおけるサーレスク大公も意味合いは同じ。ちなみに北のノーア大公はもともとシルメナの王太子領が独立したもの。