桜が咲く季節になれば

 お彼岸が近いので、使徒たちはみんなで墓参&お里帰り。カヲル君とレイちゃんはそこに同道したというお話です。お話というか、本当に今回ストーリーらしいものはなくて、説明するとすればほんとこれだけ。あとは本当にほのぼのな休日です。
 前回「ほのぼのホームドラマ」が「すらっぷすてぃっくホームドラマ」になってしまったので、今回は極力アクションは少なくほのぼの風味を心がけてみました。

桜の咲く季節になれば Ⅰ
その鄙びた駅のホームにも、微風そよかぜがあえかな春の気配を運んでいた。  駅の周囲にはその昔は商店であったらしい建物が数戸点在していたが、今は皆シャッターが降りている。駅も閑散としたものだが、時代のついたベンチに老人と子供が座っていた。退屈...
桜が咲く季節になれば Ⅱ
淵の周囲半分ほどは切り立った岩場だ。もう半分はかつて灌木と蔦の生い茂る湿地であったが、道を整え水路をつけるときれいに乾いた土手になった。 「お、咲いてる咲いてる♪」  タカヒロが満足げに彼岸桜の幹を撫でた。河津桜を皮切りに初夏の八重桜まで、...
桜が咲く季節になれば Ⅲ
奥の部屋から続くベランダには、木製のベンチが一つ置かれている。  デザインはこの館にあるものに似ていたが、使われている木材はそれほど古くはない。もともと置かれていたベンチを手本にして、タケルが作り直したものと見えた。  そこに座して、カヲル...
使徒達のほのぼのな休日
「Angel's Nestへようこそ」第2話「桜の咲く季節になれば」これにて完結です。前回「ほのぼのホームドラマ」が「すらっぷすてぃっくホームドラマ」になってしまったので、今回は極力アクションは少なくほのぼの風味を心がけてみました。  お彼...