離乳開始時期は4~5ヶ月と言われ、3ヶ月半のたっくんにはまだ少し早い。だが、食事のときにたっくんを傍に寝かせておくと、起こしてくれと言わんばかりにじたばたし、起こせば起こしたで家族の箸先を食い入るように見つめている。しかも口許に涎を一杯溜めてもぐもぐされた日には、こちらとしても食べにくくてしょうがない。
確か前にもこんな展開があったよなぁ、と月並みな感慨に浸りつつ、離乳準備というよりたっくんを宥めるためになにがしかを与えてみることにした。なにせ、たっくんを宥めつつみっちゃんの食事の世話もしなければならないので、食卓は忙しいことこの上ない。一寸でもたっくんの気が逸れてくれれば御の字である。
第一選択としては、やはりみかんである。袋の端をわずかに破って直接吸わせてみたり、スプーンで潰してしみ出た果汁を掬って含ませたりしている。量はわずかなものだが、とりあえずたっくんを宥めるには有効であった。無添加野菜ジュースも試してみたが、反応はまずまずといったところか。涎と一緒にこぼれたりもしているが、顔をしかめもせず、味を確かめるかのようにもぐもぐやっているからには、さしあたってイヤではなかったのだろう。
みっちゃんはといえば、少しずつ野菜も食べてくれるようになった。相変わらず納豆と牛乳がなければ食事が始まらないのだが、食べる物の種類が増えてきたので一安心である。まあ、欲を言えば「たっくん、泡ぶくぶくー!(<涎のこと)」などと余計なツッコミを入れる暇があったら自分のお茶碗のほうへ集中してほしいのだが(<集中している間は自分でご飯を食べられるが、逸れはじめると手伝わざるを得ない)。・・・どうにも注意が転動しやすいみっちゃんであった。