末っ子のんのんは大学進学するにあたり、ふたたび学生寮へ入ることになりました。
言いたかないですが、我が家は高校でさえ通学するにはいろいろハードルの高い処 1にあります。況んや大学なんて、県内であってもまあ何らかの住居を考えなきゃならないのは自明でございます。
幸いというかその大学、新規に 2学生寮を新設するというタイミングでした。のんのんは早くから「この大学でがんばる」と宣言しておりましたもので、じゃあ予約しとけ、とオープンキャンパスの段階で仮予約までしていたのでした。
そうはいってもやっぱり心配ですよ、親としては 。
柳の大学は県外でした。
一大決心で家を出て、現地に着いたその日から…まず言葉からして違うということにショックを受けたのです。引越荷物を届けてくれた運送屋の兄ちゃんの言葉がよくわからなかったのですよ。とりあえず笑顔で挨拶して受け取るだけ受け取り、内心は冷汗だらだらというていたらく。ここ日本だよね、と思わず自問したものです 3。
一応県内ですからそこまでのことはない筈ですが、仮にも女の子が一人暮らししようというのです。あんまり過保護になるのも何ですが、最低限の準備はきちんとしておかねば!と、この4ヶ月でその準備をしてきました。(<実は結構抜け落ちてたことについては後述)
そして先日、ラストスパートということで遂に引越完了。今回はそれらについての記録でございます。
まずは、住むところ
部屋を借りる、という手続きが大変なのはいつの世も同じです。
往時は合格が決まった翌日にとりあえず現地の不動産屋へ飛び込んで、その日のうちに物件を見て回って、決めて、手続きするというジェットコースター的展開がありました。ただ、今回は上記のように大学の肝煎りで寮ができるという話に乗っかりましたので、そこの心配はありません。そのうえ、Web環境が整った現代はそもそも不動産屋へ飛び込むという手順もスキップできるのだということがわかって吃驚しました。
それというのも、昔は不動産屋のオフィスで長々と受けていた説明を自宅で受けることができるのです。
不動産屋のオフィスで受ける長々の説明…重要事項説明、略して重説とも言われるようですが、不動産の売買・賃貸契約を結ぶ前に、宅地建物取引士が“契約に重要なこと”を説明する法定手続きのことなのだそうな。宅建業法第35条で定められる項目のため、この時作成される重要事項説明書のことを「35条書面」とも言うそうで、契約トラブルを防ぐために必ず実施されます。これを、「IT重説」と称してオンラインでも行えるようになったのが2021年からだそうです。
説明される主な内容としては…
- 物件の基本情報(所在地・面積・用途地域・接道状況など)
- 法令上の制限(都市計画法、建築基準法、防火地域など)
- 権利関係(所有権、抵当権、借地権など)
- 契約条件(売買価格、賃料、敷金・礼金、更新料など)
- インフラ状況(電気・ガス・水道、管理費・修繕積立金など)
要は、契約後の「聞いてない!」を防ぐための重要情報ってことですね。今回の場合、家具付き物件だったのでそこも確認ポイントになりました。
書類は事前送付で十分に検討できるというのはいいコトだと思います。柳の時のようなジェットコースター的展開では、とりあえず済ませてしまわないと!と斜め読みしてしまいそうですからね。勿論、通信環境とか本人確認とかには厳格な規定があって、ネット手続きに抵抗のある向きにはまだまだハードルが高いとは思いますが…まあそこは、うちには専門家がいるのでNo Problem。
前述のようにのんのんは高校三年間も寮暮らしをしていましたが、高校の寮と大学の寮ではかなり条件が違ってきます。高校の寮は、生活の面倒を見るというスタンスがありますから門限はあるし点呼もある。そのかわり光熱費関係はコミコミというのが定番。
しかし大学寮は門限なんてありませんし(サークル活動なんてしようもんなら門限あったら何もできんでしょうな)、当然点呼もない。電気・ガス・水道その他も個人で契約、管理しなければならない。
それと(大学寮ゆえの特殊例なのかもしれませんが)火災保険を大学生協のこれこれの保険に入ってくださいという指定がついてまして、実直に大学生協どっちでもいいなーと思っていたのですが早々に契約することになりました。…些かカモられた感がありますが。
住所変更
高校の寮では「住所変更は必要ありません」とはっきり言われましたが、今回はそうもいきません。
住所変更の手続きには転出・転入の手続きがあるわけですが、現住所の自治体で転出手続きを、新しい住所のある自治体で転入手続きをします。このあたりを効率化するためのマイナンバー制度でありマイナカードですよね。
① 転出届(旧住所の自治体)
- マイナポータルからオンライン提出が可能
(マイナンバーカード or スマホ用電子証明書が必要) - 引越し前に行う手続き
- 旧住所の窓口でも可
② 転入届 + マイナンバーカード住所変更(新住所の自治体)
- 必ず窓口で行う(オンライン不可)
- 転入届と同時に「継続利用手続き」を行い、カードの住所を書き換える
- 署名用電子証明書は失効するため、必要なら再発行も同時に行う
後から知ったのですが、転出届はわざわざ行かなくても良かったのですよ。
ここは柳のリサーチ不足でして、「マイナカードあるのにわざわざ行くのか~大変だな~」とか思いながらのんを連れて行ったのでした。当初は本庁(市役所)へ行くつもりだったのですが、「支所でもできるから!」と旦那がやたら支所推しするので支所に行ってみたら、既に支所の職員さんに話が通っていたというオチがつきました。
柳「あのー、転出届をしたいのですが…」
支所の人「ああ、このたびはおめでとうございます!」
さすが田舎の情報管理はザルです。洩らしてんのが旦那ですから文句の言い代は絶無ですけどね。面白かったのは、この支所での手続き。
何と、電話とFAXなのですよ。支所で書いた転出届を、支所の人が本庁へ電話(「今からこれこれの書類を送ります」という連絡)をして、徐にFAX。暫くして、本庁から電話で手続きが済んだ旨の連絡をうけて…支所でのんのマイナカードにその旨の情報を書き込んでくれるのでした。
今どきFAXかぁ…ともはや感動するレベルです。
以上、本当はオンラインでできた転出届提出のお話。
あとは情報が書き込まれたマイナカードだけ握って行って新住所の自治体で転入手続きを行う訳ですが、これは確実に役所へ行かねばなりません。ですから、引越当日に荷物を入れるが早いかのんと二人で市役所へ突撃しました。
概ねスムーズに手続きできたのですが、ふたつだけ困ったことが。
- 1)転居先の住所(寮の住所表記)が不動産屋がくれた書類から変更されていた
- 2)のんがマイナカードの長い方のパスワードを忘れた
1)については、新規のアパートやマンションには時々あるそうで。空き地だった場所に建物が建つことで番地が変更されたり、アパート・マンションの部屋番号込みの番地表記になったりするそうな。柳のように、戦前から建ってる家に生まれたときから住所を定めている人間には想像しにくい話でございました。
2)については…至って真面目なのんのんが「パスワードは推測されにくいものでなければならない」「パスワード管理は厳格に」「パスワードをメモしたものとカードを一緒に持ち歩いてはいけない」というぱぱの教えを遵守した結果、見事に忘失したというオチでした。場所が市役所なのでさくさく再設定できたので然程大きな問題にはなりませんでしたけどね。
この手続きでひとつわかったこと。
マイナカードの写真ヨコの謎の空欄…あれは転居した場合の住所が記載されるスペースだったのですね。ちょっと考えれば想像つくだろ、といわれそうですが、貰った当初から柳にとっては謎だったのでした。ひとつ謎が解けてすっきりしましたよ。
お金のこと
のんのんは誰に似たのか大変な締まり屋です。
なにせ「欲しいもの、あんまり多くないし、なければ作る」という思考の持ち主なのです。かくて部屋には女の子の部屋には普通置いてなさそうな工具の数々がずらりと並ぶという次第。アクセ(主に髪飾り)は基本自作してますな。
最近乙女ゲームにハマってキャラグッズに手を出したようですが、それでも聞いてて涙ぐましいほどの節約志向は些かもブレてない。金額を聞いてると、「あー…その程度の金額だったら、かーちゃんは毎月のように本で散財してたぞー…」というレベルです。
もともとそのつもりではありましたが、まあこれなら問題ないだろう、と彼女が生まれた時に作っておいた通帳をまるっと渡すことにしました。
それに当たって彼女に渡すためのキャッシュカードを作ったのですが…作った後でスマホアプリでも同じことが出来たということを知りました。認証がとにかく喧しいですが(<当たり前)この方が便利だということに気づいて愕然としましたよ。
金銭管理に関する情報をアップデートするいい機会になりました。
各種インフラ
電気・ガス・水道、そしてネット環境!
ネット環境については部屋を契約する段階で契約に入っていまして、上記不動産契約のときに済んでいましたから、現地に着いたら設定するだけ。これも旦那がいればこっちは寝てても大丈夫。
問題は電気と水道。
当然、物件としては配置済みですがこれは別契約なのです。ガスについては最初からここと連絡取ってね、というアナウンスがあったのでそれに従って引越日程も打ち合わせ済み、当日やるのは書面契約と開通だけという次第だったのですが、電気と水道の契約をうっかり失念していまして、引越当日に旦那と二人で手分けして電話をかけまくることになりました。
当たり前ですが水道の管轄は上下水道がセットで水道局。
水道局(よーく見ると契約のときに渡された案内書類の中にちゃんとここに連絡してね、と水道局の電話番号まで明記してあった…)に電話かけてあとはWeb手続きのみ。これは上記の住所表示の件で引っ掛かっただけでほぼ問題なし。平日に引越しといてよかったと心から思いました。
一筋縄にいかないのが電気。
昔は電力会社との直接契約がスタンダードでしたから、何も考えることは要らなかったのですが…現在、新電力と呼ばれる会社との契約で電気を使用するという選択肢があります。
新電力とは、2016年の電力小売全面自由化によって、大手電力会社以外から新規参入した“電気を売る会社”のこと。旦那に言わすと「売電業者」ということになります。
不動産屋から渡された案内文書には、どことは言いませんが聞いたこともない某売電業者の名前と連絡先が記載されていました。これに眉を顰めたのはもと電気屋の旦那。電気工事もやる電気屋の意見としては
「ちょっとくらい安いのかもしれんけど、停電した場合の復旧は絶対後回しにされる。電力会社との直接契約がベスト」
…だそうで。
物件契約時の案内に書いてある以上、ここじゃないといけないのか?と素人は思ってしまいます。でも、そんなことで旦那は負けない。即座に不動産屋に電話して確認、電力会社との直接契約で良いという言質を取った上で電力会社と契約をまとめてしまいました。
強いなぁ。柳がやったら押し切られるとこでしたよ。
新生活よもやま
不動産屋のサイトで、引越前から部屋のイメージをCGで見ることはできたのです。しかしまぁ、実際に部屋に入ってみないと必要な道具ってわからないもので…
旦那と柳がインフラ関係でばたばたしてる間に、のんは着々と荷物を仕分けして買い足しが必要な物品をリストアップ。手続きが終わったタイミングで、三人揃ってもよりのホームセンターに行きました。
机が付属はしてても、意外と小さかったり。椅子はあるけど、クッション性は皆無だったので座布団必須なことがわかったり。収納スペースはあるけど棚がなかったり。そんなこんなで、結構買い込むことになりました。まあ覚悟はしてましたが。
高校の寮と大学の寮ではいろいろ事情が異なるとは言え、3年間の蓄積はやはり強い。ちゃんと生活を組み立てる算段をしていたので、まずは一安心…という感想は、正真正銘の親莫迦でしょうな。
おまけ
かくて、引越は無事完了。
賄いつきとはいえ、食事提供は4月からなので翌日からいきなり自炊です。当日はお昼のお弁当を多めに買って、当日夜と翌朝の食事程度にはなりそうなものは置いてきました。
あとは、のん自身が周囲で食材調達するお店を捜してしていくことになります。そうはいっても米は勿論、乾物(わかめとか麩、はるさめetc.)調味料の類はがっつり持ち込んでいるので、俄に餓えたりはしないはず…
折しも、これを書いている最中にのん経由で入学式のお知らせが来ました。昨今はこれもPDF配布です。時代だなぁ。
日程はわかっていたので休みは抑えておいたのですが、実は…はたして大学にもなって父兄は入学式に顔を出すものなのか?行っていいものかどうか? 4と考えていたところでした。
「保護者のみなさまも是非ご参加ください」とあるので、大手を振って行ってきます!
がんばれ、のんのん。


コメント