末っ子のんのんはいまや高校生。家を離れて寮暮らしをしております。
看護師志望がほぼ固まっている 1ので、高校進学の際には柳の母校も選択肢に挙がっていたのですが、結局自宅を離れて寮つきの公立高校へ進学することになりました。
寮と言っても結構ユルいものでして、食事も半分自炊。実質、ワンルームマンションにひとりずまいしているようなものです。ただ、辺鄙なことにかけては実家に負けてないので、柳は隔週ないし毎週のように支援物資を届けに行く日々となりました。とはいえ、往復のドライブは結構楽しませてもらっています。とにかく景色がいいのですよ。海が近いもので。
悠々自適ライフを謳歌するのんのんですが、「電話してもいい?」とメッセージアプリで打ってくるときは、概ね込み入った話がある場合 2です。その夕方も、メッセージアプリに「点呼 3終わってから話せる?」と打ってきた時には、思わず内心で身構えてしまったのでした。
「体育でねー、バスケットボール受け止め損ねてから…なんか左手が痛い」
をいをい!
バスケットボールは一応、男子用と女子用、ジュニア用があります。使っていたのは一応女子用だったらしいのですが、それにしたって510~550gほどはある筈。男子用だったら580~620gもあるそうな。バレーボールなら260~280g、サッカーでさえ400~450g 4であることを考えると…バスケットボール、そこそこな重量があります。飛んできたボールを受け止め損ねた、というならそれに加速度がかかるわけで…普通に投げた場合で時速20~30㎞ 5也、というから、素人が油断してると結構ダメージをくう衝撃であることはマチガイないでしょう。
そういえば、趣味でバスケットやってる人達でさえ、時々指にテープを巻いているのを見かけます。
バスケットボール、意外と凶悪。
腫れてるか、熱持ってるか、拍動痛みたいなのはあるか、問診だけでは不安もあって、初めてスマホのビデオ通話機能なんか使いました。痛みのある手をスマホ越しに見せてもらったのですが、どうにもはっきりしない。やっぱり基本は触診だな、という結論に落ち着いて、翌朝寮まで車を走らせました。
実際にのんのんの手を触って動かしてみて、痛みの状況を確認したのですが、なんか怪しい。
腫れも熱感もあるっちゃあるけどあまり強くない、動かしたときの痛みはあるけどさほどではない。普通なら「うーん、打撲だよね」で湿布、というところですが、なによりいつもはのんびり構えているのんのんが今回に限ってやたら不安そうなのが気にかかり、思い余って最寄り(といっても車で30分以上かかる…)の整形外科に連れて行ったのでした。 6
ところが。
整形外科クリニックに着いて状況を伝える前に、受付のお姐ちゃんから「予約が一杯で診察はできません」とがっつり塩対応をされてあっさり心が折れたのでした。明確な腫れ、熱感、痛みがあったら柳だってもうすこし粘ったかもしれませんがね。
心が折れたのはのんのんも同様だったらしく、その日はすごすご撤収したのでありました。
でもまあ、おかげさんで頭が冷えまして。
乱暴な話…最悪骨折だったりしたところで、転位 7がなければ基本はRICE。Rest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)ってやつですね。逆を言えば、ただの打撲だったと思っていたら、実は折れてて動いているうちにズレて痛みだすというオチがつく場合もあるんですが。幸いというか傷めたのは左手だった 8ので、固定して安静にさせれば一分一秒を争う事態にはならないという判断に至りました。
居直った柳はその足でドラッグストアへ駆け込み、手首用のサポーターと貼用の鎮痛消炎剤を買い込みました。なまじ痛みが強くない場合はついつい使っちゃって痛みを増悪させるというケースもままあるので、添える程度に使うのはいいけど重たいもん持つな、動かしていいけど痛みとか腫れが強くなってきたらすぐ連絡、と言い含めてその日はのんのんを寮に帰したのでした。
結局、ビデオ通話でリモート経過観察しつつ、何とか予約を捻じ込んでようやく診察にこぎ着けたのが受傷後約2週間。捻挫ぐらいならそろそろ落ち着きそうな頃ではあったのですが、一応件の整形外科クリニックで診て貰うことができました。
「…まあ、打撲ですね。レントゲン撮っても何も出ないと思いますよ」
実はここのセンセイ、以前の上司。…柳の懸念を察しておられたようで、丁寧に触診した後でにこやかにご託宣下さったという次第。ありがとうございまーす!
のんのんとしては、さらにその2週間後に控えた定期演奏会 9の準備に全力で取り組んで大丈夫?という不安があったらしいのです。お医者さんに太鼓判をもらって憂色を払拭し、「じゃあ、この手しっかり使って大丈夫ね?」と安心したようでした。
だからって、片手でパイプ椅子束ねて持つな、頼むから…。
加減を知らんのは多分親譲りなので、叱れもしないというオチでございました。がんばれ、のんのん。かーちゃんはキミのソロ演奏を楽しみにしているゾ。
追記
完全に余談なのですが。
この受診をする際、学校から「学校での怪我なので、もし受診するときは書類書いてもらってね。保険下りるから」と日本スポーツ振興センターとやらの災害共済給付金の書類提出を依頼されました。保険診療の自己負担分を(後日の振り込みで)補助してくれる仕組みらしいのですが、これを使った場合、自治体が施行する医療補助制度 10が使えません。二重取りになるからあたりまえですね。よってこの日、支払いが発生しました。
ところがこの日本スポーツ振興センターの災害共済給付金、なにやら免責事項があるらしくて、自己負担分が少額だった場合は適用外になるようです。今回、初診料のみで上記のようにレントゲンも撮りませんでしたから、免責事項に該当して結局保険が下りなかったのでした。
後日学校から「市役所で手続きすれば、自治体の医療補助制度が受けられますけど…」とお電話をいただいたのですが、そのためにわざわざまた市役所まで行くほうが難儀でしたので結局そのままです。
自己負担分の補助くらいなら、最初から自治体の制度を使った方が良かったというお話。 いえ、日本スポーツ振興センターとやらの共済制度をクサすつもりはないのですよ。一応(笑)