たっくん、高速移動す

 早いもので柳が復職して2ヶ月が経とうとしている。しかし赤ちゃんの2ヶ月の変化というのは目覚ましいもので、7月初頭に漸くごろごろ移動が本格化したかと思うと起き上がりを獲得し、後半には立派な徘徊もとい這い這いを獲得していた。
 赤ちゃんの起き上がりはそれこそ百人百態であろうが、たっくんの起き上がりは赤ちゃんの身体の柔らかさを生かしたユニークなものだった。うつ伏せの状態から両手で上体を起こし、そのまま両足をそれぞれ外側から回して前へもってくるのだ。

柳画なので、実に味も素っ気もない模式図で申し訳ない

 開脚の姿勢でお尻がぺったりつくぐらいでないと不可能な芸当である。最初こそ「うんしょ、うんしょ」と掛け声でも要りそうなふうだったが、すぐにするりとできるようになった。
 出来たらできたで面白いのだろう、また寝っ転がっては起き上がっていた。
 起き上がりから後、身体が大きい分重いのか、なかなかお尻が上がらなかったが程なく這うようになった。・・・それはそれで喜ばしいことなのだがこれからが大変である。

 何ゆえか?・・・無論、大変あぶないからである。

 赤ちゃんの這うスピードをなめてはいけない。ちょっと目を離した隙にあっという間に部屋の端から端へ高速移動し、家電製品のプラグを舐めるやら蚊遣りをひっくり返すやら、今まで動けなかった反動かやりたい放題。挙句部屋と部屋の段差に挑戦して蒲田行進曲を奏で、完敗を喫して大泣きする訳である。まあ、ここらあたりはみっちゃんも通った道なので、今更動じるには当たらない。
 今迄はたっくんを中心として直径2mぐらいに危ない物がなければそれでよかったが、これからは安全圏を確保するには戸を閉めるかベビーフェンス、ベビーサークルを発動するしかない。そんなわけでみっちゃんが這い始めた頃に付けた木製伸縮式のフェンスが再び活躍する仕儀と相成った。・・・・ただしベビーサークルのほうは、みっちゃんに見つかるとたっくんが甚大な被害を被ることがままあるので注意を要する。どうにも、みっちゃんにはベビーサークルは遊具にしか見えないらしい・・・・(<無理もないが)

050821

みっちゃん、野菜と格闘す

 子供といえば野菜嫌いと相場は決まっているようなものだが、みっちゃんは旦那の実家で食卓に上る「パセリのてんぷら」なるものをはぐはぐと食べるくらいなので、あまり柳は心配してはいなかった。・・・というより、食事全般についてムラがありすぎて(<どれだけ勧めても殆ど食べなかったり、それかと思えば周囲を吃驚させるほど大量に食べる等。ご飯だけをどかっと食べて他が食べられなくなったりすることもしばしば)特定の食材について好き嫌いがあるかどうかまで気にしていなかった。
 そんなある日。保育園の先生からのお尋ねに、柳は冷汗をかくことになる。

「お野菜が食べられないようなんですが、お家ではいかがです?」

 そういえば肉や魚に比べれば、あまり食べない。芋やかぼちゃは食べるが、緑のものはあまり手を付けない。実にいい加減だが、言われるまで気がつかなかった。柳でさえ二の足を踏む納豆を喜んで食べるので、立派なもんだ、ぐらいに思っていたのである。1

 しかし、うっかり「お野菜も食べようね」などと言おうものなら「お野菜キラーイ」(<なぜか節までついている・・・)と切り返されてしまうのである。君の大好きな納豆も立派なお野菜(加工品)だよ、と言ってやろうかと思うのだが、ここで臍を曲げられて納豆すら食べなくなってしまっては困るので言わずにおく。

 しかしみっちゃんはみっちゃんなりに食べたほうが良いという理屈はわかるらしく、盛ってある野菜からちょっとだけ取り出して食べ、「これでうんち出る?」と尋ねてきたこともある。ムラ食い&繊維不足の所為かお通じがカタいことを本人なりに気にしているのだ。すかさず、「うん、出るよ出るよ。よく食べたね」と褒めちぎっておくのだが、これもあまり長続きしない。結局喧嘩になるわけだが、ばあちゃんズに言わせると、これも時間が解決するらしい。それなら柳一人シャカリキになるのも阿呆な話である。さしあたってはあらゆる料理にせっせとみじん切り野菜を仕込んでみる柳であった。

050620

たっくんの食卓事情その後

前回、お粥を小分けパックにして冷凍保存する話を書いたが、先日からどうにもフリーズおかゆが進まなくなった。どうにも、解凍モノは舌触りがよろしくないらしい。

 そこで今度は、「おかゆカップ」なるものを使ってみた。みっちゃんの時に購入したもののお蔵入りになっていた代物で、今回も当初うまくいかずに放擲していたのだが、ふと思い立って再挑戦してみたのである。(ちなみにみっちゃんにはおかゆをすっ飛ばしていきなり軟飯を食べてたという実績がある)

 カップ(なんたって天下のパイレックス製)の中に粥分の米と水を入れ、炊飯器で普通のごはんと一緒に炊けば少量の粥を簡単に用意できるというのがウリである。

 薄めの粥はどうもうまくいかなかったが、5倍粥は実にうまくいった。折りしもたっくんがつぶし粥でなくても食べられるようになってきたので、炊けたらそのまま中身をたっくんのお茶碗へあければよいので大変助かっている。何分にも普通のごはんと一緒に炊く手前、カップの外側にごはんがこびりつくのがいただけないが、こればかりは仕方ない。このため、せっかく蓋がついていても炊けたそのまんまに蓋して保存というのは無理なのでご注意のほど。
 もう一寸硬めでもよいという向きには、普通のごはんに少量の水を加えてレンジで温めてもお粥もどきは出来上がる。所詮米から炊いたお粥には敵わないが、ご飯を炊く便がない場合には便利である。

 たんぱく質についてはヨーグルトを重宝しているが、問題は野菜である。潰したり刻んだりというのは、量が少なければ少ないなりに面倒なものだ。そこでこんなものを使ってみた。

 ブラウンのハンドブレンダーである。ブラウン、というと旦那の髭剃りのイメージが強かったのだがこんなもの作っていたのだ。2

 別に離乳食のために買ったわけでなく、たまたまハンドミキサーが壊れたので新しいものを探していてこれに行き当たったのであるが、なかなかに重宝である。大人用に作った野菜スープから具を拾ってカップへ入れ、お湯や乳清を足して(<味を薄める&スムーズに回すため)ざっと回すとたっくん用の一品が出来上がるのだ。ゆでた人参を潰してメイプルシロップを混ぜたものは、ヨーグルトのトッピングによい。力も時間もかかるマッシュポテトがあっという間だったのには一種感動すら覚えた(<惜しむらくは、泡立て用ミキサーとしてはやや使いにくいことか)。

 何にせよ、みっちゃんの時を思えば随分楽だという気がするのは今はまだ時間的余裕があるからかもしれない。来月には復職するのだが、一体どうなることやら。

050617