現代腹帯事情

 先月末で腹帯をして、ふと気がつくと腹囲がえらく大きくなっていた。そろそろ重心線が移動するのか腰痛が頻発1し、屈み動作にやや困難をきたすようになった2今日この頃である。

 腹帯は結局ショッピングセンターのマタニティコーナーにあることが判明、こういうものは妊婦の母親が面倒見るものだそうで、母が購入してくれたものを有難く拝領した。当然儀式てなものはさっぱり省略、祖母が仏前に供えてお経を上げた後3で、フロ上がりに装着した次第である。ここまでくると身も蓋もないかもしれないが、前回書いたように儀式の大仰さと安産は比例しないらしいので別に構わない。

 で、問題の腹帯であるが。
 昔ながらにサラシを巻く場合を除き、ハラマキ様のものとガードル様のものに大別されるらしい。就業している場合にはガードルがベターなのは言うまでもないので、そこは上手に使い分ける訳である。一説によるとサラシもそれなりにあったかくてよいらしいが、何分にも解けかけてしまうと大変なので外出時には向かないとのことである。4

 この時期になるとさすがに胎動を感知できるようになる。腹の中でごとんごとんと丸太でも転がすような感触がするというのも割とキツイものである。仕事中は尚更(笑)まあ、元気な証拠と思えばキツさも半分だが。

 食事については、摂れるが時に吐く、というあたりまで落ち着いた。ともかくも料理が出来るようになったのは有難い。暖かくなって全体に活動性が上がっている所為もあろうが、時間も体力もないくせに最近やたらといろんな料理に挑戦してみたくなる。被害者は旦那であろう。以前どこかで書いたが、柳の料理の腕は壊滅的である。ははは。(<笑い事か?)

勝手にしやがれ!戦力外通知

 先月半ばから胃液吐きつつ通常業務に就いた柳であるが、悪い人ではないがどーにも問題発言の多いうちの上司(<まるで某総理2のやうだ)の言動に思わすキレそうになる昨今である。

 曰く、「柳さんは(人数上)いないものとして考えます」

 ・・・・コラ待て。

 事実上の戦力外通知である。まあ好意的に考えれば、「身体キツイんだからいつ休んでもいいよ」というふうに受け取れなくもないのだが、柳はちょっとばっかり根性が曲がっているのでつい反発したくなる。のみならず、事実上の人数減を理由に、業務上の決まりごとを勝手に変更されるに至っては、どうにもスタッフ全体への締め付けのダシにされたような匂いが付きまとう。
 まあ、上司ドノにしてみれば部下が妊娠、出産という事態は未経験なのだから3、多少不適切な言辞があったとしても無理からぬことかも知れない。だが、「いないこと」にされた身の上からすれば、「辞めいっちゅーことかい!!」とフテたくもなるのである。(<そんな気は毛頭ないし、上司ドノにそんなつもりはないことも承知)

 ・・・で、更に腹が立つのはその発言から半月経つか経たないかのうちに仕事が急増すると「最近調子いいみたいだし、仕事増えてきたからやっぱりまわすよ?いいかね?」・・・・開いた口がふさがらないとはこのことである。
 こちとら胃液吐きながら仕事してるという事態にさほど変わりがあるわけではないのだが、柳にもはばかりながらライセンス分のプライド4とゆーものがあるのでここで「嫌です」なんて言えないし言いたくない。かくて現在、「これはさすがに無理」というものについてははっきり言うことにして(事故になったらシャレにもならない)、後は仕事を受けている。

 上司ドノは気を使ってくれている。それは判っている。だが、どうにもいちいちムカッ腹が立つのは、半分以上柳の根性が曲がっている所為に違いない。だがあと残りは、朝令暮改もいーとこの上司のやり方に問題があるのではあるまいか。5

 とりとめのない職場の愚痴はさておき。

 量はともかく三食きちんと食べているはずの柳の体重は、意外と停滞したままである。そのくせ腹囲だけはきっちり増えているというのはあまりいただけないのだが、これもちゃんと胎内で子供が育っている証拠と思えばかえって安心してしまうから現金なものである。6

 しかしさすがに、腹囲が2㎝しか変わっていない頃、しばらく会ってなかった友人から「きゃー♪お腹おっきくなってるぅ」と感慨深げに言われたときにはさすがに複雑であった。元からキューピー体型ってことか…

世紀末な大晦日

 本来、フレーム化更新1は大晦日に行うはずであったのだが・・・・体力がもたなかった。嘔吐のタイミングが大体つかめてきたのでしばらく固形物を吐かずに済んでいたのだが、この日意地で起きていたのが祟ってものの見事に年越し蕎麦を吐いてしまったのである。

 これに始まり、正月?それ何?おいしいの?状態の凄惨な年明けであった。なにせ、マトモに起きていられない。動けば吐く、腹が減らないわけではないが食べれば吐くので食べたくない。まったく、年末年始の休暇でなかったらと思うとゾッとする最低なコンディションであった。無論、初詣なんぞという優雅なことをやってる場合ではない。

 月半ばを過ぎて、ようやく少し落ち着いてきたが、ちょっと気分がいいからと動き回ると突然嘔吐する。悪阻のヒドさには個人差があるというが、血反吐まで吐いたという母や祖母よりはましとしても決して軽い部類ではなかろう。悪阻だとわかっているから辛抱がきくようなもんである。昨今乳幼児虐待のニュースが多いが、柳としてはそれを聞く度によっぽど悪阻が軽かったんだろうかと憶測してしまう。2

 来月に入るとそろそろ着帯3という仕儀であるが、あんまり仰々しいことをしなくたって無事に生まれるという柳の例もあることだし、特に何も考えていない。(<姉のときはそれなりの儀式もあったらしいが、柳のときは看護婦さんからハラマキ様の代物を渡されて終わりだったらしい。二人目は何かと粗略にされるといういい見本であるが、予定日から二週間も居座った挙句ころっと出てきたところをみると、儀式の仰々しさと安産に関連はなさそうだ)

 余談。母の話によると、姉のときは丁寧にサラシで巻いたが面倒でしょうがなかったため、柳のときはハラマキになったのだとか。ただし所詮はハラマキで、後期には結構緩かったらしい。母曰く、「締めようが緩かったせいだろう、大きいのが出てきた」・・・出生時100グラムの差4をそこまで言われたくないもんである。