嘔吐についての一考察

 かくてドケチ柳が食ったものを吐く、という異常事態が出来しゅったいした。最初の吐気が空腹時に限定される現象だったため、軽くおやつをつまんでみたりもしたのだが、ある時無理やり突っ込んだミニおにぎりをものの見事に吐いてしまってから方針を改めた。

 つまり、同じ吐くなら固体より液体のほうが楽だ!ということである。いっぺん吐いてしまうとしばらく楽だし、かえって余計な固形物を突っ込むと、吐くときの不快感が倍増するという結論に落ち着いたのだった。

 悪阻で死にはしない1というが、胃液そのものを吐けば食道を傷める。例えば逆流性食道炎。胃液なんぞつまるところ塩酸なのであって(pH1.0~2.5!)、そんな代物が頻繁に食道を駆け上がった日には、たまったもんではない。もっとヒドい例としてはマロリーワイス症候群。嘔吐を繰り返すことによって胃の噴門~食道粘膜に裂傷が生じ、血を吐く破目になる。・・・・・つまり、どうせ吐くならなるべく胃液が薄まった状態で、しかもあまり胃の内圧を上げずにすんなりと吐ければいい!

 ・・・などと辻褄合ってるかどうかも不明な理論をぶち上げて、吐きそうなときにはとりあえずお茶か白湯!と決め込んでいる柳である。うまくいけば嘔吐がおさまるし、実際吐いても喉の痛みが少ない。万人向けとは言いがたい方法であるが、さしむき柳の横着な胃と食道には有効なようである。一応念を押しておくが、良い子の皆さんは決して真似しないように。2

始まりの日

「あ、もう心臓動いてますね」
 エコーのモニターの中、3cmに満たない影の真ん中・・・・ド近眼の眼にもはっきりとそれは見えた。見えた瞬間、思わず落涙しそうになったのは掛け値なしの真実である。

 稽留流産3、掻爬から数ヶ月。不精者の柳が基礎体温なぞというしちめんどくさいものまでつけ、データを見ては無排卵月経4かと肝を冷やし、気がついたら4kg近く体重が減っていたというのは余談にしても、微妙な体調の変化と激烈な嘔吐に見舞われて肚を括り、ついに受診したのが今月はじめの話。5結果はここに出た。

 正確な予定日はまだ出ていないが、順調に行けば夏ごろにはコウノトリのご来訪という仕儀である。しかし、万歳ばんざいと喜んでばかりいるわけにもいかない。なにせ、この時期ときたら悪阻真っ盛りなのである。
 寝ても起きても胃の不快感。出勤しても半日に5回は吐く始末。絵に描いた餅だった年次有給休暇をフルに使い、半日勤務で帰してもらっている状態だが、これから先がどうなるやら。
 しかし、転んでもただでは起きない。こんなネタ、一生のうちにそう何度もない。6そう思い立って、本稿を起こした次第である。おっそろしく能天気な上に独創性に欠けるタイトルは、なおも減り続ける柳の体重に示される体力低下のためとご寛恕いただきたい。