お風呂に入るのこと
赤ちゃんのお風呂というのは気を遣うものである。一応入院中に沐浴指導なるものも受けてはみたが、本当にできるのかと実に不安であった。
しかし退院してみると、家にはエキスパートが控えていた。他でもない、お祖母ちゃんたるわが母上様である。現役バリバリの看護婦で、産婦人科勤務の経験もアリ。…これは強い。同じ医療職でも小児と縁がない柳とはエライ違いで、流石の手際。昔執った杵柄とはよく言ったもんである。お陰様で随分楽をさせていただいた。
いわゆる新生児期は、通常ベビーバス1という盥の親類のようなものを使う。臍脱2前のお腹をちゃぽちゃぽやるわけだから、大人と同じお風呂はよろしくないということらしい。(ちなみに、みっちゃんは入院中にあっさりと臍脱が済んでいた。光線治療で程よく乾燥が進んだらしい…)それだけでなく、お風呂から上がった後は臍の消毒を行う。考えてみれば新生児のお臍なんて、ついこの間まで血液の通り道だったのだ。気をつけるに越したことはない。
ベビーバスでのお風呂は入れるほうにしてみると結構姿勢がきついのだが、幸いにもみっちゃんは存外お風呂好きであった。暴れたり泣き出したりする赤ちゃんは多いらしいが、みっちゃんは実におとなしい。いい湯だな~♪とばかりにほけーっとしていてくれるから、へたくそ柳のお風呂番でもどうにか一通り洗ってやることができた。母上いわく、「耳に水をいれさえしなきゃ大丈夫」…実に軽く言ってくれるが、素人にとってはそれが難しいのである。
現在はベビーバスを卒業、湯舟に浸かるようになっている。支えるのも洗うのも実に楽になった。ひとつ困ると言えば、みっちゃんを洗う間ずっと浸かっていることになるのでしばしば自分のほうが茹ってしまうということか。