歩くのこと

 誕生日のころが、みっちゃんのつかまり歩きの全盛期だった。
 そこから手放しで歩くほうへ行くのかと思っていたが、さにあらず。まずは、つかまらずに立ち上がるのが先のようだった。
 歩行開始のスタイルにはバリエーションが多いらしいが、みっちゃんのそれは支えなしでの立ち上がりがまずハードルとして存在したようだ。卓袱台なり何なりにつかまればさくっと立ち上がれるところを、何とか自分だけで立ち上がろうと悪戦苦闘。滑って転んでしりもちついて、ようやく立位を獲得したのが9月なかば、まだまだ暑いころだった。
 そこから歩行へのチャレンジが始まる。最初は立っているだけで精一杯なのだが、そうっと一歩、二歩、三歩目でばったり。べちっと音がしそうなくらい見事なこけっぷりだが、不思議と泣かない。
 三歩が五歩、五歩が十歩、部屋の端から端が廊下の端から端になるまでに約二ヶ月。1歳3ヶ月現在、廊下をどかどかと往復するようになった。
 重たくなってくると、早く歩くようになってくれればなぁ・・・などと思うものであるが、歩くようになったらなったで一瞬たりとも気が許せないのが困ったものである。少々の障害物は乗り越えるし、階段に至っては喜んで這い登りずり降りる有様。一寸目を離した隙に姿が見えなくなるものだから、ただの子守りにしてもなかなか心臓に悪い。

 もう一つの頭痛のタネといえば、靴である。
 ハイハイも覚束無い頃は全く嫌がらなかった靴下でさえ、昨今は履かせるはしから脱いでしまう。それじゃ脱げないようにとタイツにすると、今度は脱げないといって地団太を踏み、泣き喚き転げ回って嫌がる始末。その姿たるや、慣れない首輪を引っこ抜こうとする猫さながらである。流石に可哀想になって以後靴下を履かせることは諦めたが、さて歩行が比較的安定して戸外も歩かせようかという段になって、はたと困ってしまった。
 靴下でさえこの始末である。靴なんぞ履かせた日には一体・・・・(- -;
 予感は的中した。ばぁちゃんズが喜び勇んで買ってきたディ●ニーのお高価い靴(<柳の通勤靴なんぞよりよっぽどいい値がついていた…)は、履かせたとたんに(というか履かせる段階で既に)激烈な抵抗を以って報われたのである。
 後日先輩ママさんにお尋ねしたところ、柔らかい室内履きのようなもので馴らしておくと良いとのことであった。もしくは「戸外に出る時には靴を履く」という習慣にしてしまえば、自分から足を出して待つようになるとのこと。うちの場合、既にして手遅れという気がしないでもないが・・・いつかはチャレンジしなければならないことである。あぁ頭が痛い・・・・(- -;;