歌うのこと

 前回の更新からごっそり間が開いてしまったのは、前半は多忙で後半は悪阻の所為である。順調に行けば、みっちゃんはこの秋晴れてお兄ちゃんとなる次第。みっちゃんの時よりはややおとなしいとはいえ、血反吐はくほど嘔吐を繰り返す悪阻は相変わらずで、一頃は体力と体重は坂道を駆け下る勢いであった。その間では休暇をめぐって上司と陰険な衝突をやらかしてたりもするのだが(<柳のほうがふてぶてしくなった所為か前ほど応えなくなったとはいえ、やっぱり時々キレかける)
 何を食べても美味しいのに、途端に気持ちが悪くなって食べたことを後悔するので自然と食べなくなる。昼食は未だにカロリーメイト(<1本100kcal×2)と野菜ジュース(<愛飲していた200ml入りが量的に飲めなくなった為、125mlの幼児用…ありていにいえば本来みっちゃん用に買い置きしていたもの)というていたらくだが、そろそろ安定期に入っている現在では少し落ち着いて、体重減少にも歯止めがかかった。
 この状態ではみっちゃんの世話もままならず、旦那やばあちゃんズ×2の強力なバックアップなしには到底乗り切れなかった。手を合わせることしきりだが、この間に旦那は随分とみっちゃんを寝かしつけるのが上手になったようだ。以前は、「乳がないから難しい」とか何とかぼやいていたが、どうにか旦那なりのねんねスキルを習得したらしい。
 そしてみっちゃん自身も、柳の状態がいつもと違うことをそれなりに理解してくれているのか、ほんの少しだけ物分りが良くなってくれたような気がする。…あくまでも気がするだけかもしれないが。

 それはさておき、みっちゃんのボキャブラリーは順調に増殖をつづけているようである。数字が読めるし、一通り家族を呼べるようになったし(<ばあちゃんが4人もいるので呼び分けが難しかったようだが)、物の名前、色の名前等も(時々怪しいが)概ね判るようだ。自分の欲求を正確に言葉で伝える、というあたりまでは行かないが、食べ物の要求だけは(<ヤクルト、牛乳、そしてお乳…)きっちり突きつけてくる辺りはさすがと言うべきである。…ついでにトイレの要求を、しかも事前に教えてくれるようになると言う事はないのだが…まあこれからの課題というところか。

 並行して、最近めざましいのが歌である。「雪やこんこん」(<正式なタイトル不詳…)や「春の小川」、子守唄、NHKの「おかあさんといっしょ」で流れる数々のお遊戯ソングを歌い、しかもエネルギッシュに踊る。…まあ、そこまでなら微笑ましいで済まされるのだが、よく聞いてみると、旦那が車の中で聴いている嘉門達夫のCDに収録されている曲も歌っているのである。ラインナップとしては「あったらこわいセレナーデ」「ヤンキー兄ちゃんのうた」「鼻から牛乳」「ゆけ!ゆけ!川口順子!!」…etc. 実際面白いのだが、せめてもうちょっと選曲を考えてくれ、と旦那に嘆願する昨今である(<しかし、ぐじモードみっちゃんを宥めるには絶大な威力があるらしい…うーむ複雑)。…まあ、柳の車とて池田聡か杉山清貴、さもなければラルクかポルノグラフィティ(<シングル「メリッサ」一枚でころんだ。理由はわかる人にはわかる…)ばかりなのだからあまりうるさいことを言えた義理でもないのだが。