某日、就職3年目となった次男坊が「やー、コワかった」とこころもち青い顔で帰ってきました。
すわ事故か、と一瞬柳の背中を冷たいものが走りました。
しかし……考えようによっては事故よりコワい返答が。
「シューキョーだった…」
うん、そりゃ怖かったな。よく逃げてきた。満腔の同意を込めて、柳は次男坊を労ったのでした。
何でもクライアントから夕食に誘われて行ってみたら、シューキョー勧誘だったという……ある意味逃げようのない恐怖体験をする羽目になったらしいのです。「言ってることはすごくマトモなんだけど、何かコワかった」という感想もむべなるかな。結構しつこく勧誘されたらしいのですが、旦那 1の薫陶が行き届いていたものか、なんとか無事に帰れた模様。
精神的な支柱ってのは必要ですから、柳は宗教が悪いものだとは思いません。至って真面目に人を救うつもりで布教活動に勤しむ方々がおられますし、その活動のすべてが悪いとはこれっぽっちも思ってはおりません。
ただ、自分が信じるのは自由ですが他人様に押し付けるのはいかがなものか。況して、顧客であるという強味で他者を引き込むのは一種の犯罪を構成する可能性もあるのではないでしょうか。
世にシューキョーのタネは尽きませんが、人にある種のエネルギーを与えるものであることは論を俟たないことと思います。エヴァだってある意味宗教に近かった2と思います。それで何を成すかは人それぞれではありますが、他人様の迷惑になるようなことだけはやらかしたくないものです。
ご用心、ご用心 3 。