世紀末な大晦日

 本来、フレーム化更新1は大晦日に行うはずであったのだが・・・・体力がもたなかった。嘔吐のタイミングが大体つかめてきたのでしばらく固形物を吐かずに済んでいたのだが、この日意地で起きていたのが祟ってものの見事に年越し蕎麦を吐いてしまったのである。

 これに始まり、正月?それ何?おいしいの?状態の凄惨な年明けであった。なにせ、マトモに起きていられない。動けば吐く、腹が減らないわけではないが食べれば吐くので食べたくない。まったく、年末年始の休暇でなかったらと思うとゾッとする最低なコンディションであった。無論、初詣なんぞという優雅なことをやってる場合ではない。

 月半ばを過ぎて、ようやく少し落ち着いてきたが、ちょっと気分がいいからと動き回ると突然嘔吐する。悪阻のヒドさには個人差があるというが、血反吐まで吐いたという母や祖母よりはましとしても決して軽い部類ではなかろう。悪阻だとわかっているから辛抱がきくようなもんである。昨今乳幼児虐待のニュースが多いが、柳としてはそれを聞く度によっぽど悪阻が軽かったんだろうかと憶測してしまう。2

 来月に入るとそろそろ着帯3という仕儀であるが、あんまり仰々しいことをしなくたって無事に生まれるという柳の例もあることだし、特に何も考えていない。(<姉のときはそれなりの儀式もあったらしいが、柳のときは看護婦さんからハラマキ様の代物を渡されて終わりだったらしい。二人目は何かと粗略にされるといういい見本であるが、予定日から二週間も居座った挙句ころっと出てきたところをみると、儀式の仰々しさと安産に関連はなさそうだ)

 余談。母の話によると、姉のときは丁寧にサラシで巻いたが面倒でしょうがなかったため、柳のときはハラマキになったのだとか。ただし所詮はハラマキで、後期には結構緩かったらしい。母曰く、「締めようが緩かったせいだろう、大きいのが出てきた」・・・出生時100グラムの差4をそこまで言われたくないもんである。

嘔吐についての一考察

 かくてドケチ柳が食ったものを吐く、という異常事態が出来しゅったいした。最初の吐気が空腹時に限定される現象だったため、軽くおやつをつまんでみたりもしたのだが、ある時無理やり突っ込んだミニおにぎりをものの見事に吐いてしまってから方針を改めた。

 つまり、同じ吐くなら固体より液体のほうが楽だ!ということである。いっぺん吐いてしまうとしばらく楽だし、かえって余計な固形物を突っ込むと、吐くときの不快感が倍増するという結論に落ち着いたのだった。

 悪阻で死にはしない1というが、胃液そのものを吐けば食道を傷める。例えば逆流性食道炎。胃液なんぞつまるところ塩酸なのであって(pH1.0~2.5!)、そんな代物が頻繁に食道を駆け上がった日には、たまったもんではない。もっとヒドい例としてはマロリーワイス症候群。嘔吐を繰り返すことによって胃の噴門~食道粘膜に裂傷が生じ、血を吐く破目になる。・・・・・つまり、どうせ吐くならなるべく胃液が薄まった状態で、しかもあまり胃の内圧を上げずにすんなりと吐ければいい!

 ・・・などと辻褄合ってるかどうかも不明な理論をぶち上げて、吐きそうなときにはとりあえずお茶か白湯!と決め込んでいる柳である。うまくいけば嘔吐がおさまるし、実際吐いても喉の痛みが少ない。万人向けとは言いがたい方法であるが、さしむき柳の横着な胃と食道には有効なようである。一応念を押しておくが、良い子の皆さんは決して真似しないように。2

始まりの日

「あ、もう心臓動いてますね」
 エコーのモニターの中、3cmに満たない影の真ん中・・・・ド近眼の眼にもはっきりとそれは見えた。見えた瞬間、思わず落涙しそうになったのは掛け値なしの真実である。

 稽留流産3、掻爬から数ヶ月。不精者の柳が基礎体温なぞというしちめんどくさいものまでつけ、データを見ては無排卵月経5かと肝を冷やし、気がついたら4kg近く体重が減っていたというのは余談にしても、微妙な体調の変化と激烈な嘔吐に見舞われて肚を括り、ついに受診したのが今月はじめの話。6結果はここに出た。

 正確な予定日はまだ出ていないが、順調に行けば夏ごろにはコウノトリのご来訪という仕儀である。しかし、万歳ばんざいと喜んでばかりいるわけにもいかない。なにせ、この時期ときたら悪阻真っ盛りなのである。
 寝ても起きても胃の不快感。出勤しても半日に5回は吐く始末。絵に描いた餅だった年次有給休暇をフルに使い、半日勤務で帰してもらっている状態だが、これから先がどうなるやら。
 しかし、転んでもただでは起きない。こんなネタ、一生のうちにそう何度もない。7そう思い立って、本稿を起こした次第である。おっそろしく能天気な上に独創性に欠けるタイトルは、なおも減り続ける柳の体重に示される体力低下のためとご寛恕いただきたい。