パソコンを触るようになってウン十年、キーボードの上で謎であり続けたものがあります。それがNum Lockキー。Number Lock Keyの略で、大概数字キーの直上にあり、押すとテンキーから数字入力ができなくなるというシロモノです。

Lockキーにはもうひとつあります。Caps Lockキーというやつですね。大概左端、Tabの下とかにある、正式名称Capital letters lock key。こっちは押すと入力する英文字がすべて大文字になる。パスワード入力の時に間違ってonになってると非道い目に遭うという、こやつはこやつで困ったところのあるキーなのですが、それでも一応、存在に納得がいくのです。大文字だけで入力したいときだってある。大文字にするのに一々shiftキー押すのも面倒だっていう人もいるでしょうよ。
しかしNumLockキーだけは…何故こんなものがどのキーボードにもきっちり組み込まれているのか非常に謎でした。数字をサクサク入力するためにテンキーが配されているというのに、何が哀しうてそれをわざわざ無効にするキーが、しかも実に指の当たりやすいところにあるのでしょう。
それでもまぁ、触らなければ別にいいわけで…とりあえず疑問は棚上げしてきました。
ところが先日、ふとしたことから旦那とこの話に。
柳「NumLockキーって邪魔だよね。なんでこんなんあるんだろ」
旦那「そりゃ、ゲーマーは要るよ。コントローラじゃなくてキーボードでゲームする時とか」
柳「…はい?」
旦那「NumLockキーってテンキーを方向キーにできる。知らんかった?」
柳「知らんがな」
言われてみると、NumLockキーがかかってるときに数字キーを押すと、変なところで改行してしまったりするのは知ってました。なるほど、2を押した瞬間ですよ。旦那は骨の髄までゲーマーですが、柳はパソコンゲームはおろかコンシューマゲーム機だって殆ど触ったことがない 1ので、全く以て想定外の用途でした。
柳「方向キーついてないキーボードなんかあり得んのだから、そっち使えばいーのに」
旦那「テンキーの方が押しやすい(えっへん)」
はぁ、然様で。
なぜそこでえらそうなのか皆目見当付かなかったのですが、現実的に方向キーはデフォルトで十分間に合ってる柳としてはまあ、有り体に言ってNumLockキーは邪魔です。思い立ってNumLockキーを無効化する方法を探してみました。 2
やはりこういうときに頼りになるのはコパイロット先生です。
問:キーボードのnum lockキーが知らないうちにonになっていて、数字入力の際の邪魔です。恒久的に無効化する方法はありませんか?
コパイロット先生回答…
Num Lockキーを恒久的に無効化するには、いくつかの方法があります。以下の2つが特におすすめです:
① PowerToysを使ってNum Lockキーを無効化
Microsoft公式の無料ツール「PowerToys」を使えば、Num Lockキーを完全に無効にできます。
手順:
- PowerToysをインストール(こちらの公式ガイドが参考になります)。
- PowerToysを起動し、「Keyboard Manager」を開く。
- 「キーの再マップ」を選択。
- 「キーの再マップの追加」で「Num Lock」を選び、マップ先を「無効(Disable)」に設定。
- 保存して完了!
これでNum Lockキーを押しても何も起こらなくなります。
② レジストリを編集してNum Lockを無効化
より高度な方法ですが、Windowsのレジストリを編集することでNum Lockキーを無効にできます。
注意: レジストリの編集は慎重に行う必要があります。誤操作はシステムに影響を与える可能性があります。
手順の概要:
regedit
を起動し、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout
に移動。- 「Scancode Map」というバイナリ値を作成し、Num Lockキーを無効にするコードを入力。
PowerToysの方法が安全かつ簡単なので、まずはそちらを試すのがよいかと思います。もし設定の途中でつまずいたら、いつでもお手伝いしますね。ちなみに、Caps Lockキーも同様に無効化できますよ。興味ありますか?
流石はコパイロット先生、さっくりと答えが返ってきました。レジストリをいじるというのは、旦那ならともかく柳は余程の覚悟 3が必要です。よって、素直に忠告に従いPowerToysとやらをインストールすることにしました。
PowerToysというアプリはWindows公式で無料。ただし標準ではインストールされていません。普通にマイクロソフトのページに行けばダウンロード出来ます。


便利ツールの詰め合わせという印象ですね。確かにガッツリPC使うという人以外は用がなさそうな機能もあるのですが、使いこなせれば結構いいかも、というツールがたくさん入っています。かくて、NumLockキーは無事無効化されたという次第。
これでいくと、例のCaps Lockキーも簡単に無効化できるのですが、Caps Lockキーには「漢字番号」という謎のラベルも併記してあるので何やら別の機能を持っている可能性もありますから、触らないでおきます。
原稿書きかけで詰まったからって、なにやってんでしょうね…
気を取り直して、原稿書くことにします。…その前に昼飯の支度しなくちゃ(笑)
追記…Caps Lockキーの「漢字番号」について
ちょっと気になったのでやっぱり調べてみました。
コパイロット先生回答…
推測される意味
この表記は、おそらく日本語キーボード特有のもので、IME(日本語入力システム)関連の切り替えあるいは旧来のシステムにおける何らかの機能を指すラベルだった可能性があります。具体的には、MS-IMEなど一部の日本語変換環境では、「漢字キー」「英数キー」や「番号入力モード」の切り替えなどにCaps Lockが関与する設定もあったようです。
この刻印の背景
- 「漢字番号」は、かな漢字変換システム(MKK)など、IBM独自の日本語入力方式で使われていた機能に関連していると考えられます。
- 具体的には、漢字コード(JISコードや区点コード)を直接入力して漢字を呼び出すような操作が可能だった時代の名残です。
- 現在主流のMS-IMEやATOKではこの機能は使われておらず、刻印だけが残っているケースもあります。
「漢字番号」の歴史的背景とは?
1. 漢字コード入力の時代(1980年代〜1990年代)
- 日本語入力がまだ発展途上だった時代、JISコードや区点コードを使って漢字を直接入力する方式が存在しました。
- たとえば「3043」と入力して変換すると「漢」になる、というような仕組みです。
- この方式は、ワープロ専用機や一部の業務用端末で広く使われていました。
2. 「漢字番号」キーの役割
- IBMや富士通などの日本語キーボードでは、Caps Lockキーやその周辺に「漢字番号」と刻印されていることがありました。
- これは、漢字コード入力モードへの切り替えを意味していたと考えられます。
- 特にIBMの「5576-A01」などのキーボードでは、Caps Lockキーに「漢字番号」と併記されている例が確認されています。
なぜ今も刻印が残っているのか?
- 現代のWindowsやmacOSでは、こうしたコード入力方式はほとんど使われていません。
- しかし、キーボードの設計や刻印は長年の互換性を保つために残されていることが多く、「漢字番号」もその名残と考えられます。
- 実際、現在のIME(MS-IMEやATOKなど)では「漢字番号」キーに特別な機能は割り当てられていないことがほとんどです。
…そう言えば、ワープロ専用機4にはそれっぽい機能があった気がします。今はあまり言わなくなりましたが、ちょっと難しめの漢字は第二水準とかいって、普通の変換では出て来ないので番号指定をしてた記憶があります。当時から漢字まみれの文章スタイルだったのがモロバレですが。
なるほど、やっぱりもう使われてないのですね。(だからといって無効化したいかというと…一寸考えるなぁ)