マルチサイト、とは、複数のサイトを1つのドメインにぶら下げる形式…ということで、概ね間違っていないと思います。サブディレクトリ型とサブドメイン型があり、管理上の便宜もありますがこれらのページがひとつながりのものですよ、という表明でもあるかと思われます。
当サイトはさくらインターネットのサービスを利用している訳ですが、さくらは契約するとさくらが保有するサブドメイン(62種類)から、ふたつほど無料でドメイン設定ができます。サブドメイン、もしくはドメインとは何ぞや、というところを突き詰め始めると、実直に柳の手に負えないぐらい専門的なお話になってしまうので、ここはどシンプルに「実際にWordPressが置いてある場所とは別に設定する、ここに来てね、という看板のようなもの」と考えてもらって良いと思います1。
千柳亭書房でいうと、“http://senryutei.sakuraweb.com/”のsakuraweb.comの部分はさくらインターネットが保有するサブドメインで、その上にsenryuteiをくっつけた独自のアドレスを設定し、お客様にはそこにアクセスしてもらうという次第2。
現在“http://senryutei.sakuraweb.com/”と打っていただければ当サイトのトップに行き着く訳ですが、実際に千柳亭書房を構成するWordPressが乗っかってるのは、初期ドメインといわれる味も素っ気もない記号のようなアドレス上です。まあ、企業サイトならブランドイメージとか実利もありましょうが、柳がやるぶんには「…なんかアドレスがすっきりしてカッコいい」くらいですね。独自ドメインとなるとまあ有料が殆どのようですが、柳は当然、そんなものに大枚はたくつもりはありません。無料でつくってくれるんなら使ってみようか、という程度のことです。(<自分で言っといて何ですが、動機がカルいですな…)
ご存知の通り、当サイト(千柳亭書房)は2018年にWordPress版にした時、既にこのドメインで稼働していました。これを設定する時だって相応に苦労3したのですが、そのあとさくらのライトプランからスタンダードプランに乗り換えるときもかなり難儀しました。しかしまぁ…その辺りの顛末は、本稿のバックナンバー「まいりました!(障害報告)」、「お引っ越し大作戦!」あたりをご参照ください。
前置きが長くなりましたが…
今回はこのドメイン“http://senryutei.sakuraweb.com/”の下に関連サイトである千柳亭画房や閑雲亭、エンサイクロペディアを置けないだろうかと四苦八苦してみたお話です。
上記3サイトは当然というか、本館とは別のWordPressで動いています。
つくった目的、必要とする機能が違うので使用するテーマも異なるからなのですが、当然ながら本館とは別のディレクトリに独立して作成し、アドレスも最初は上に書いたような初期ドメインといわれる味も素っ気もないURL+フォルダ名で構成されていました。
しかし、ふと思い立って(<これがいけない)「折角サブドメイン借りてるんだし、他のサイトもこのドメインにぶら下げられないかな?」という考えに至ったのでした。
じゃあ、その方法としてどんなのがあるかと考えて、最初に調べてみたのがWordPressのマルチサイト機能。1つのWordPressで複数のサイトを管理できるという代物でしたが、対応してないプラグインがあるという話を聞いて柳は早々に撤退を決めました。そもそもALL in one Migration(サイトバックアップ・移植をするためのプラグイン)無償版はマルチサイト非対応という時点で柳としてはアウトですね。一括管理というのはそれなりに魅惑的な響きではあるのですが、サイトの目的によってカスタマイズの方向性は変わるので、択ぶテーマもプラグインも変わってくる。そうなるとWordPressも別にしておくほうが何かと都合が良い面もあるのです4。
その次にやってみたのが、シンプルに…別館のサイトを本館ディレクトリに置いてしまうという方法。
本館のWordPressがあるディレクトリに、さらにフォルダをつくってWordPressをインストールすれば、いろいろ面倒臭いサイトアドレス変更などしなくても普通に本館のドメインの下にぶら下げられるのでは?といういささか乱暴なオハナシなのです。
何故に乱暴というか?
実は、以前そういうことをするとエラーになる、という記事を何処かで読んだような記憶5があったのです。だから、最初に画房や閑雲亭を立ち上げるときも当然のようにサーバ内に本館とは別のフォルダをつくって作成しました。“http://senryutei.sakuraweb.com/”というドメインは、柳が借りている領域全体というわけではなく、あくまでも本館のWordPressが存在するフォルダに割り当ててあります。だから、別館のサイトをドメインに入れることはまあ、端から無理だと思っていたのでした。
ところが、試験用のサイトを立ち上げる際にうっかり初期ドメイン直下にフォルダをつくるのではなく、本館の下にフォルダを作成してしまった6のです。あ、ミスったと思ったものの、それでもWordPressはちゃんと立ち上がったし、作動するし、編集も出来る。
…何だ、できるんじゃないか。
そう思ったらあとはやるだけ。ALL in one Migrationを使った移植についてはもうルーチンにこなせるようになりました7ので、然程手間はかかりませんでした。で、アドレスを叩いてみたら…ちゃんと本館アドレスの下になっているのです。いや、全く以て怪我の功名なのですが、とりあえず巧くいきました。
ただ、画房だけは変更直後に「メモリの上限を超えました」というエラーが頻発。他の2つは問題ないのに画房にあるもの…言わずと知れた凶悪なファイルサイズの画像と考えた柳は、「どうせ画像少ないし…」と一時外していた画像管理プラグイン「Imsanity」8を急遽また入れ直して画像をごっそりリサイズしたのでした。
それが奏功したのかどうか…とりあえずエラーは出なくなりましたので一件落着。一括管理という意味のマルチサイトからは程遠いものではありますが、とりあえず本館のドメインに関連サイトをぶら下げることが出来た、というところで千柳亭書房なんちゃってマルチサイト化完了、という次第です。
- 少なくとも柳の理解なんてそんなもんです。それでもサイトのふたつやみっつぐらいは作れるという見本。
- だから本来、独自ドメインならサーバを乗り換えてもお客様にからするとアドレスに変更がないというのもメリットになるのですね。うちの場合は、さくらからもらったサブドメインあってのドメインなのでさくらの中で使うぶんにはいいけども会社を変えてしまうと持ち出せません。当たり前ですが。
- 今だから言えますがサイトアドレス変更時にありがちな「サイト真っ白!」事件だって経験したのですよ(笑)
- むしろ、そうすることで更にいろんなことを試せるな…などと不埒なことを考えてるのでした。
- 2018年当時、まだWordPressをSQLiteで無理矢理動かす算段をしていたときのことです。
- さくらのスタンダードプランからはWordPressのインストールがほぼ自動なので、場所の指定をするときにうっかりやらかしてしまったのでした。
- プラグイン「ALL in one Migration」でサイトの移植をする場合、エクスポートは何も問題ないのですが、インポートにはファイルサイズ制限があります。そのファイルサイズ制限を取っ払うには、プラグインエディタで中身を弄る必要があります。これについてはLocalできた!?をご参照ください。
- 大きな画像がアップロードされることを防ぎ、サイト内の画像も縦横比を保ったままリサイズしてくれるという有難いツール。
コメント