- お風呂騒動
- たっくんの視線
- 男の子の遊び
- 冬はみかん
- St.Valentain’s Day
- すくすく&ぷくぷく
- 保育園騒動 其の壱
- 授乳服なるもの・其の弐
- 果てしなきチャレンジ~保育園騒動 其の弐
- ファッション事情・リフォームの陣
- 保育園騒動 其の参~きわめつけ
お風呂騒動
年明けごろから、たっくんはベビーバスを卒業した。
みっちゃんの時より大幅に遅くなったのは(<みっちゃんは1月半程度で卒業している)、入れる側が服を脱がなくてもいいという理由による。みっちゃんの時は母と常時2人体制(入れる役と、服を着せてやる役)で入れていたのだが、冬場で寒さも厳しくなってきた昨今、日が落ちる(気温が下がる)前に入れてしまおうということで、母の帰宅を待たず柳一人で服を着たまま2人を順番に入れていた。
しかし、室内とはいえノースリーブシャツと五分丈スパッツで右往左往するのははっきり言って寒い。たっくんも身長が伸び、ベビーバスではもはや手狭にすらなってしまった。もはやこれまで、と観念した柳は祖母(みっちゃん&たっくんからすれば曾祖母)に泣きつく。
かくて、柳が先に入り、祖母がたっくんとみっちゃんの着替えと搬送(<みっちゃんの場合は、脱がしさえすれば自分でどかどかと入ってくるのだが)をするという体制が確立した。タイミングがずれて、柳がたっくんの背中を洗っている最中にみっちゃんが乱入、水位の上がった湯船でたっくんがお湯を飲むというアクシデントもあるにはあったが、概ね順調である。頭痛を催すほどの寒さから一転、連日茹っている柳であるが、核家族家庭で複数のお子さんを入浴させているママさん方の苦労を思えば贅沢な話である。嗚呼、元気なばあちゃんの有難き哉。
050116
たっくんの視線
離乳開始時期は4~5ヶ月と言われ、3ヶ月半のたっくんにはまだ少し早い。だが、食事のときにたっくんを傍に寝かせておくと、起こしてくれと言わんばかりにじたばたし、起こせば起こしたで家族の箸先を食い入るように見つめている。しかも口許に涎を一杯溜めてもぐもぐされた日には、こちらとしても食べにくくてしょうがない。
確か前にもこんな展開があったよなぁ、と月並みな感慨に浸りつつ、離乳準備というよりたっくんを宥めるためになにがしかを与えてみることにした。なにせ、たっくんを宥めつつみっちゃんの食事の世話もしなければならないので、食卓は忙しいことこの上ない。一寸でもたっくんの気が逸れてくれれば御の字である。
第一選択としては、やはりみかんである。袋の端をわずかに破って直接吸わせてみたり、スプーンで潰してしみ出た果汁を掬って含ませたりしている。量はわずかなものだが、とりあえずたっくんを宥めるには有効であった。無添加野菜ジュースも試してみたが、反応はまずまずといったところか。涎と一緒にこぼれたりもしているが、顔をしかめもせず、味を確かめるかのようにもぐもぐやっているからには、さしあたってイヤではなかったのだろう。
みっちゃんはといえば、少しずつ野菜も食べてくれるようになった。相変わらず納豆と牛乳がなければ食事が始まらないのだが、食べる物の種類が増えてきたので一安心である。まあ、欲を言えば「たっくん、泡ぶくぶくー!(<涎のこと)」などと余計なツッコミを入れる暇があったら自分のお茶碗のほうへ集中してほしいのだが(<集中している間は自分でご飯を食べられるが、逸れはじめると手伝わざるを得ない)。・・・どうにも注意が転動しやすいみっちゃんであった。
男の子の遊び
男の子と女の子で遊びは違う、という話がある。柳はそれを環境(<親の与える玩具その他)の影響でそうなっていくものなのかと思っていたが、みっちゃんの遊びを観察する限りはそういうものでもないらしい。とにかく、走る!転ぶ!鳴らす! とどのつまり、身体を動かすことが楽しい様子が見て取れる。また、自分の動作が物体に作用する、という至極単純なことを喜び、お菓子の缶と色鉛筆で「太鼓の達人」をやらかす。反面、概ね細かい作業はあまり得手ではないらしい。
とにかく一時もじっとしている事がなく、戸外で跳ね回るのが大好きである。柳は幼少時、半日ぐらい平気で屋内の遊びに興じて飽がなかったらしいが、みっちゃんは雨さえ降っていなければ外へ出ないと気がすまない。(ばあちゃんズ曰く、「あんたら二人(柳と姉)を足してもみっちゃんほどは暴れなかった」そうな。みっちゃん恐るべし)健康な身体を作るためにはそれはそれでよいことなのだが、付き合うほうも大変である。それがいわゆる性差なのか個性の差なのかは、たっくんの成長を待つことで新たな傍証を得るだろう。
050119
冬はみかん
たっくんにみかんを食べさせているという話は前回書いたが、初めの頃に比べて随分と食べ方が上手になってきた。・・・食べ方、というより吸い方というべきなのかもしれないが。
袋の口を切り、種があれば除いて口に持っていくと、丁度お乳を吸う要領で機嫌よく吸ってくれる。この間、実におとなしい。ところがあらかた吸い尽くしたところで引っ張り出そうとすると、えらくリキのはいったブーイングがあがるのである。かといって袋まであげるわけには行かないので(<さすがにまだ消化できまい)、急いで次の袋の口を切る。とりあえずたっくんのお腹が落ち着くまでこの繰り返しである。この間、みっちゃんの食事の面倒もみるので柳はなかなか食べさせてもらえない。これでたっくんが本格的に食べ始めたら(ごはんetc.)どうなることかと先行きに不安を覚えなくもないのだが、そのころにはもう一寸みっちゃんがしっかりしてくれるだろうと希望的観測に傾く柳であった。
050202
St.Valentain’s Day
たっくんにみかんをちまちまと吸わせるのも手間でしょうがないと嘆息した柳、ちょいと不精をしてやろうと哺乳瓶に野菜ジュースを入れてみた(<普通は薄めるかどうかしたほうが良いのだと思う・・・)。今まで哺乳瓶など吸わせたことがないのでどうかと思ったが、たちまち飲み方が上手になった。余ったら柳が飲めばいいや、と120mlばかり入れていたのがあれよあれよという間にカラッポ!みっちゃんが哺乳瓶に慣れるのに一手間だったことを思えば、素晴らしい順応性である(<飲ませるほうがある程度要領を覚えていたという話もあるが・・・)。むしろこっちが空恐ろしくなってすこし控えたぐらいだ。便秘にならなかったのは重畳というべきだが、カタツムリよろしくオレンジ色のうんちが大量に出たことは言うまでもない。哺乳瓶だとつい飲みやすくて食が進むのだろうか。なんにせよ、これは一寸まずかろうとスプーンに切り替え、最近ではヨーグルトを試している。舌がまだ液体を吸う動きなので、つい口の中から押し出してしまうこともあるようだが、概ねうまくいっているようだ。
面白いのはみっちゃんがたっくんに与えるものに興味をもち、野菜ジュースやヨーグルトを欲しがるようになったことである。もともと嫌いではなかったが、目の前にでてくるとまた欲しくなるのだろう。「自分のご飯をちゃんと食べたら」という約束の下に、時々たっくんのお残しを貰うみっちゃんであった。
そのみっちゃんだが、生意気にも2月14日には4人もの女性からプレゼントを貰っている。なかなかスミに置けない奴だ。
0500216
すくすく&ぷくぷく
2月の乳児相談へ行ってみたら、たっくんの体重は8kgを超えていた。道理で重い。抱え上げる時に一々「よっこらしょ」「どっこいしょ」と掛け声が要るくらいだ(<母子保健推進委員の方に思いっきり笑われた・・・)。
指しゃぶりがしたいお年頃なのだが、季節柄もこもこに着せているのでそれがままならず焦れる。可哀想になって袖をまくってやると勢い余って鼻を引っ掻き、鼻のてっぺんにばっちりと傷をつけてしまったりする。あんよの運動も著しく、服を脱がすと喜んであんよを掲げているのだが、寝返りまでは至らない。これが足だけでなく、骨盤まで持ち上がってくると重心がシフトして寝返りが完遂できるのだが、上肢と同じくもこもこ着が運動を妨げていることは否めない。まあ、どのみち春になれば薄着になるのだから急ぐには当たらないだろう(<部屋を暖めて薄着にさせるという発想は、柳の貧乏中枢が許さない)。
季節は冬、運動には不向きな季節である。かくてたっくんは、今日もピンクのクマの着ぐるみを纏ってもこもこと遊んでいるのであった。
050221
保育園騒動 其の壱
みっちゃんはこの4月から保育園に行く予定である。柳がその昔お世話になった保育園にみっちゃんもまた通うわけだが、つい身構えてしまうのが準備用品の数々である。
さしあたってはお昼寝用の組布団、お弁当セット(弁当箱、カトラリ、コップ、巾着袋)、通園カバンにループつきお手拭タオル。これはまあ良い。難儀なのが衣類持ち物その他への名前書きである。何ゆえに難儀かというと、柳は自分の字が大嫌いなのだ。威張って言うことではないが、柳の悪筆は筋金入りである。小学校一年の時に一生懸命書いた読書感想文を字が汚いという理由で再提出をくって以来、手書き礼讃主義とはきっぱりと訣別した。文章を書くことは好きだが、文字を見られることについてはいまだに強い抵抗を感じるのである。
しかし、現在は有難いことにパソコンという文明の利器がある。オリジナルシールを大量に作ってぺたぺた貼ってしまえばよい。昨今安価に「お名前グッズ」を注文できるシステムもあるようだが、なにせ名前をつけなければならない物品は多岐にわたるので、勉強がてら自分で作ってみた。
現在はシール用紙も様々で、弁当箱やカトラリにも貼れる耐水タイプ、透明なカバーシールで保護できるタイプ、アイロンで転写・接着できるものからプリンター印刷に耐える布タイプシールまでよりどりみどりである。
みっちゃんも、自分の名前シールをいたくお気に入りのようである。早速お弁当セット用に買ったカトラリに貼り付けてやると、いつもより食事に集中してくれた。この勢いで、4月までにはちゃんと一通り食べられるようになってくれれば良いのだが・・・・こればかりはあせってどうなるものでもない。
050228
授乳服なるもの・其の弐
いわゆる授乳服なるものが、専門店カタログで見る限りは目の玉が飛び出るほど高価かったという話は以前書いた。かえって行きつけのショッピングセンターあたりに安価なものがほろっと見つかったりして天を仰いだ柳であるが、お正月企画の福袋にほだされて専門店1の授乳服も買ってみた。
フリースハイネックは暖かくて着心地がよく、着まわしのきくシンプルデザイン、何といってもリーズナブルプライスが魅力!(<結局そこか!)・・・与太話はさておき、もう少し早く見つけていれば色違いで2、3着持っていても良かったかもしれないと思ったくらいの逸品である。
冬の間は「はぐると寒い」という実に身も蓋もない事情から欲しかった服だが、これからの季節はどちらかというと外出時の授乳を考えた時に必要になる。みっちゃんの時の経験上、お出かけ先でぐずりだした赤ちゃんに、お乳に勝る特効薬はないのだ。授乳の時間やオムツでなく、不安・不快などで泣き出した場合、これは面白いほど良く効く。寝くじ(註:眠たいのに眠れない赤ちゃんが泣くことをこう呼ぶ。ただし方言である可能性が高い)をくっているなら覿面である。赤ちゃんにとっては、お乳は食事であると同様、もしくはそれ以上に精神安定剤であるらしい。そんな時、座る場所さえあれば授乳ができる服は確かに便利だ。
そんなわけで、春夏物の授乳服の購入も検討している今日この頃である(<正確に言うと冬の初め頃からずっと考えてはいたのだが、季節になったのでようやく真面目に検討する気になった)。
050327
果てしなきチャレンジ~保育園騒動 其の弐
みっちゃんを保育園へ通わせるにあたり、いまだ二つの不安材料が残っている。食事とトイレだ。まあこればっかりは焦っても良くないのは分かりきっている。トイレについてはまた後日に譲るとして、とりあえずは食事の話。
お定まりの偏食・遊び食いの呪縛は、みっちゃんとて避けきれるものではなかった。但し、偏食というには語弊があろう。食べられないものというのは具体的にあまりなく、むしろ気分で変わると言ってよい。気が向けば何だって食べられるのだが、「ご飯と納豆と牛乳」を自分で決め込んでしまっていて、他のものにあまり手を出したがらない。そして、集中力が続かないので食事の最中でも遊んでしまう。周りの大人が早く食べさせようと手を出すので結局自分で食べられないままなのである。(<人はそれを過干渉と呼ぶ・・・)
何とか食事に集中してもらう術はないものかと随分知恵を絞った。ののじのカトラリにみっちゃんシールを貼ってやると心もち集中力がアップした話は前回書いたが、今度はこんなものを試してみた。
【エジソンのお箸】人体工学的な設計で、正しいお箸使用法をもっとも自然に早くしつけができます。
・・・などという売り文句を頭から信じたわけではない。が、みっちゃんがふとしたことからお箸に興味を持ったらしいので、変な持ち方を覚えてしまうと厄介だと考え購入に踏み切った(<というほどえらい値段の代物でもない・・・)次第である。みっちゃんはいたく喜び、食事に対する集中力が飛躍的に向上・・・したりはしていないが、つまみ動作が容易なので気に入ったらしい(<とどのつまり、フォークで刺すよりも箸でつまむほうがツブシがきく)。ことに黒豆がつまめるのがえらく嬉しかったようだ。さらにはご飯をミニ俵むすびにしてやることで、ご飯に関しては一応最後まで自分で食べられるようになった。結果としてはまずまずといってよいと思う。
後は、おかずも含めて最後まで自分で食べられるようになるのが目下の課題であろう。できればついでに「食事の時にテーブルに肘をつかない」ことを覚えてくれればなお良いのだが・・・欲を言えばきりはない。何とも前途遼遠である。
そしてさらに問題を複雑化させているのは、今更だがやきもちである。
食べるほうではなく、いわゆるjealousy。たっくんが野菜ジュースやヨーグルトを食べ始めると、ご飯そっちのけで同じものを欲しがったり、やっちゃいけないコトをあえてやってみせる(箸で牛乳をかき回すetc.)。いつもはばあちゃんズべったりのくせに、柳がたっくんをかまうのが時として面白くないらしいのだ。まあ、こればっかりは無理もない。むしろ自然な反応というべきである。
「たっくんに食べさせるみたいに、みっちゃんにも一口か二口食べさせたらいいよ。それで気が済むから」とは、ばあちゃんズのアドバイスである。
0500328
ファッション事情・リフォームの陣
ある時、部屋を整理していると、無駄な服(<着られないOR着たくない)が多いことに気づいた。使えないものが部屋を占拠しているというほど無意味なことはない。かといってただ捨てるのも勿体無い。つくづく貧乏性なのだが、使えないものなら使えるようにしようというエネルギーがあるうちに、仕事にかかることにした。・・・リフォームである。
大人の服を大人用にリフォームするのはかなり技術が要ると思うが、大人の服を子供服にするのは比較的簡単である。使えそうなところだけを切って縫い合わせたって適当に形にはなる。乱暴な話だが、お尻の破けた旦那のジーンズの筒部分を切り取り、隅を股ぐり分だけ切り抜いて2本を縫い合わせることでみっちゃんサイズの幅広ジーンズ!などというアバウトを絵に描いたような荒業もやってみた。これでは腰周りがえらくもこもこするのだが、みっちゃんは脱ぎ着がしやすいという面において気に入っているらしい。このとんでもない製法のジーンズは3枚ぐらい作ってみた。股ぐりの切り方を工夫すればこれでも結構マトモな形にはできる筈なので、暇と気力のある向きは作ってみられるのも一興。
旦那の破けジーンズがみっちゃんの遊び着になった例。ウエストは裏に肌触りのいい布を帯状にあててゴムを通す。
一応型紙も使ってみた。スカート・ジャンパースカート等布地が比較的広く取れるものについては真面目に型紙を置いて裁つことも可能だからだ。(※昨今はPDF形式のファイルを印刷し切り貼りすることで実物大型紙・縫いしろ付きができてしまうという便利なサイトも存在する。JUKIのオフィシャルサイトetc.)当然、出来上がりのデザインはそれなりに良くなるし、縫製もしやすい。
今までの一番のヒットは、トレーナーで作るスリーパーであろう。ごろごろと転がりながら眠る子供のお腹が出ないように寝間着の上から着せるアレであるが、大人用のトレーナーから簡単に作ることができる。両袖を裁ち落とし、身頃の幅を詰めて端を始末するだけである。襟ぐりなんぞはそのままにしておいて構わない。赤ちゃん用にするなら前中心を切り開いてファスナップ2を縫いつけ、端はバイアステープで始末する。こうすると前身頃の幅がファスナップ分だけ狭くなるのだが、そこら辺は身頃の幅を詰めるときに調整してもいいし、そのままにしておいても問題はないと思う。ばあちゃんズにも大好評のアイテムとなり、古いトレーナーが3枚ぐらいこれに化けた。赤ちゃんの時から結構長く使えるので実にお得である。
050331
保育園騒動 其の参~きわめつけ
「男の子は病気をしやすいから大変よぉ~」などと先達は脅かしてくれるが、みっちゃんは突発性発疹と水疱瘡、いわゆる通過儀礼に近いモノはやらかしても不明熱(原因がよくわからない熱)のようなものはあまりなかった。やんちゃだがそういうあたりは親孝行だと親莫迦な自慢ができていたのも、所詮は感染源との接触が少なかった所為らしい。
手始めは、まあ季節の変わり目にはありがちな風邪である。今迄はこれくらいなら受診するまでもなく治ることもあったのだが、折悪しく入園式直前。咳も出ることだしとりあえず受診した。薬を頂いたのはいいが、去年水疱瘡をやらかした際、抗ウイルス剤を飲ませるのに往生した記憶に頭を抱えることになる。
とにかく飲ませるしかない、と腹を括って粉薬を小皿にあけて数滴の水で練る。去年はこれを有無を言わさず頬の内側に塗ったのである(<短時間で勝負がつくし、必ずいくばくかは飲み込む。母上直伝の技)が、今度の薬はピンク色でほんのり苺に似た香りがする。
「ほらみっちゃん、イチゴ味。コンコンが楽になるよ~?」
これぐらいで飲んでくれたら世話はない!と思いつつ勧めてみると、素直に口をあけた。大好きな牛乳で押し込んだ格好だが、何とか自分から飲んでくれたのである。成長したな、みっちゃん!と相変わらず親莫迦街道驀進中な感慨を抱いた柳だが、冒頭に書いたようにあくまでも手始めでしかなかった。
無事に(<力いっぱい語弊があるのだが、このことについてはまた項をあらためよう)入園式を済ませたみっちゃんだが、数日後、おそろしいことを呟いた。
「左の耳が聞こえない!」
発熱の後である。中耳炎を疑って(<柳も既往がある)耳鼻科を受診したが、そこまではいっていなかったようだ。耳垢を少し取ってもらって後、訴えはなくなった。・・・診察でかなり怖い思いをしたようなので、調子が悪くても言わないのではないかと心配したが、その後聞こえのテストをしてみたところ問題なし。これについては決着した。
しかしその数日後のある日、そろそろお迎えの時間という頃になって保育園から電話がかかった。嘔吐と下痢である。迎えに行ってみると笑いながら走ってきたものの、結局その日から嘔吐でまともに物が食べられなくなり、またまた受診と相成った。
お腹にくる風邪、という診断で、嘔吐止めや整腸剤を処方してもらうことになる。当然保育園はしばらくお休み。悪いことには柳自身もその風邪を貰ってしまい、ボロボロの状態であった。
結局、みっちゃんの風邪は家中に蔓延し、4月後半から5月上旬にかけて、家中病人だらけというていたらくになった。この農繁期まっさかりに大変なことになったものだ。げにおそろしきは子供の風邪である。人の集まる所は往々にして病原菌の巣窟なのだが(<特定の場所を悪く言うつもりはない。これについては自衛が基本である。念のため)ここまで強烈とは思わなかった。柳自身にも油断があったことは否めない。
「外から帰ったら、うがいと手洗い!」
抗菌グッズで武装するより、これが一番なのである。
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