2024年12月のことです。
大阪でどーしても行きたい研修があった柳…完全自費で行ってまいりました。メディアがコロナ禍を喧伝しなくなって久しいのですが、コロナは決して撲滅されたわけではないしインフルエンザに至っては今日も市中で猛威を振るっています。それでも行きたかった!
実直に、仕事上でいろいろしんどかったり、一寸息抜きしたいなーという気持ちもあったのですよ。そんなわけで……研修そのものは日曜日だったのですが、行きと帰りにがっつり余裕とって二泊三日の大阪旅行を企画した次第です。
有り体に言えば、強行すれば日帰りだって不可能ではない処 1を敢えて二泊もしたのですね。昨今、ホテル代だって顎が抜けそうな高騰っぷりですが、同じやるなら楽しんじゃえ、というのが柳の信条なので、それに従うことにしたのでした。
結果、うっかりインフルエンザなんぞ拾ってしまって 物笑いのタネになった訳ですが…久し振りに旅行を満喫してきましたのでその雑感を綴ることにいたしました。
ポストコロナの宿泊事情
出不精な柳としては、前回2020年にやはり大阪で研修があったとき以来の旅行でした。
大きな変化と言えば、まずはホテル代の高騰でしょうね。
とにかく宿泊代が高価い。小市民としては卓袱台返したくなるレベルです。日程によって違うのでしょうが、まず、日曜泊と土曜泊…同じホテルで約2倍です。つまりは、日曜日の晩は土曜日の半値で泊まれる。
よし、日曜泊まってのんびり帰ろう。(<ずばり短絡的……)
なにやら策に嵌まった気がします。しかし、行きたいところもあったしなにより息抜きがしたかった。若干、疲れ気味でもあったのですよ。でも、そういうときにはしゃいで強行軍なぞやらかすから、旅行疲れがプラスされて予防接種受けていたにもかかわらずインフルなんぞ拾う羽目になったんですけどね 2。まあ、神様がくれた休暇ということにしておきましょう。
デジタル時代の旅行事情
新幹線も宿もネット予約というのは前回(2020年)も同じだったのですが、コロナ前に比べてSuicaが大幅に便利になっていました。
予約は今まで通りスマートEX 3なのですが、Suica 4を紐付けておけば、決済はカードでできて、改札はSuicaをかざすだけというお手軽さ。 5
Suicaはコロナ前、東京出張が毎年のようにあった時期に一度作っていたのです。ダンジョンのような都市部の交通網を利用するには交通系ICカードってやっぱ要るよね、という認識だったのですが、残念ながら2020年より前には都市部はともかく柳の在住地域では使えなかったので、東京出張が一段落した頃に一旦解約していました。
ところが2024年現在、山陽本線はほぼカバーされ、無人駅となってしまった最寄り駅からSuicaで乗れることがわかったので今回新たにモバイルSuicaを作ることにしたのでした。
モバイルSuica、便利ですね。
ポッケからスマホ出して、リーダーにかざせばそのまま決済。ただでさえ荷物で手が塞がる旅行先で、改札がスムーズなことは勿論いい。その上、ちょっと自販機で飲み物買いたい、とかコンビニでお弁当買おう、という際に、荷物を置いて小銭ジャラジャラという手間を省いてくれる便利ツールですね。コンビニATMで簡単にチャージできるのも嬉しいところ。今回、Suicaが大活躍でした 6。
それと、電子チケット。
後述しますが、サンタマリアクルーズ+海遊館とチームラボのボタニカルガーデンは電子チケットが便利らしいという情報があったのでこれもやってみました。何事もトライです。
結果…チームラボはともかく、サンタマリアクルーズ+海遊館は、チケット購入の列を見ただけで「電子チケット、正解!」と思いました。混雑を回避し、スタッフの負担も軽減できるという利点もむべなるかな。事前のリサーチは必要ですが、確かに便利なシステムです。
極めつけはホテルの鍵。
既にカードキーですらない、パスワード(数字)のキーで入室する仕組みを初めて見ました。チェックインしたときにパスワードを印刷された紙を渡され、ドアに設置されたテンキーを叩いて解錠。鍵を持ったかどうか毎度不安になる小心者としては、パスワードを記録したスマホさえ持っとけばとりあえずなんとかなる、というのはそこそこ快適な仕組みでありました。
おそらく、ホテル側としても宿泊者毎にカードを作成するよりは、感熱紙一葉でコトが済むほうがコスト的にもよいのでしょう。
欠点としては、パスワードを覚えてしまうまではどうしたって両手が塞がるということでしょうか。片手でスマホを参照しながらもう片手で入力するということになると、荷物を置かなければならないのでそれはそれで不便です。まあ、スマホの番号ほどの桁数はないので覚えるのにもさほど苦労する訳ではありませんけどね。
すべて電子化されていくのは流れとはいえ、一抹の気味悪さを拭えないのは柳が古い人間だからかもしれません。その反面、電子化された情報を自在に読み取り書き換える能力なんてのがあったら…と、ワクワクしてしまうのですから始末に負えませんね。
ぐるぐるセンセイ大活躍
Googleマップも格段に精度が向上したようです。
大阪で梅田のスカイビルを探索したとき(Osaka紀行2020)、途中で得体の知れない雑居ビルに迷い込んで往生したという話をしました。要は、トラフィックの多いところではGPSが正常に作動しない場合があったらしいのですが、今回はその辺、実に的確に道案内をしていただきました。
うっかり信じるととんでもない道をぐるぐる歩かされる(車だと走らされる)ところから、ぐるぐるセンセイなどとあげつらってゴメンナサイ。柳のお粗末な方向感覚で、かような大都会に初見・単独で放り出されても、ちゃんと目的地につけたのはひたすらGoogleセンセイのお陰です。本当に助かりました。
地図はあっても東西南北が同定できなかったら意味がないのですが、空を見上げたところでビルが林立して星も見えない、曇ってて陽の差す方角さえ曖昧という街を見ていると、コンクリートジャングルという言葉が浮かびます。
あー…ワタクシ、一生田舎住まいでいいです。車を出さなきゃコンビニさえ行けないような山の中でも、とりあえず生きてはいけますので。
サンタマリア号で大阪湾クルーズ
水面の燦めきにはとても惹きつけられます。川でも湖でもいいのですが、やっぱり海の広がりには特別な魅力がありますね。
大阪湾というと…言っちゃ何ですが高層ビル群とかUSJとか運輸拠点のクレーンが見えるだけ。それでも柳は、クルージングという響きに思わず前のめりになってしまいました。好きなんですよ、船。
サンタマリア号の船着き場は水族館と隣接しています。夜の水族館が見たかったので、それまでの時間で大阪湾を周遊(というほどの距離ではナイ・・)しようと画策したのでした。実は夜景も見たかったのですが、ナイトクルーズは貸し切りプランしかないようです。残念。
サンタマリアというとコロンブスがアメリカ大陸へ行ったときのアレですが、この場合のサンタマリア号は勿論…帆船っぽい装飾をした普通にエンジン推進の船です。でも、船の構造や大航海時代の説明を展示した部屋があったり、クリスマス目前でしたので、クリスマス色も加わって絵面的には結構楽しめました。
※Lightboxが起動します。戻るときには余白をクリックしてください。
実は船上から見た海の反射をオニのように連写した写真もあるのですが、ここでは割愛・・。
Aquarium in Love
大阪と言えば海遊館。(<すみませんテンションおかしい…)
2020年の時も候補にあげてはいたのですが、距離があったので大阪城&歴史博物館ツアーと天秤にかけて結局諦めた経緯があり、今度こそはと気合い入れて行きました。Suicaのお陰で乗り継ぎも怖くない!少々の歩きは覚悟の上。帰りは雨に降られて大変でしたが、たっぷり楽しんできました。
ゆっくり見たいので夜を狙っていたのですが、夕方になってもなかなか人が引かない。展示より人をみるような混雑というヤツが何よりも嫌いな柳、中で休憩して客が減るのを待ちました(<座って休憩したくてもラウンジの椅子は埋まってたりもしたのですが)。
観られる所から観て、混んでいる所は飛ばして、結局3周(<よく不審者扱いされなかったなぁ)。
途中で音声ガイドが借りられることに気づいてカウンターへ行ってみると、音声ガイドのチケットは切符売り場にしかないとのこと。結局電子チケットのお陰で行かずに済んだはずの切符売り場へ回ることになりました。……これは、最初にアナウンスが欲しかったですね。まあ、その頃にはチケット待ちの列はないに等しい状態にはなっていたので、待ち時間は発生しなかったのですが。
音声ガイドは時々こっそり大物声優さんがやってたりするので密かにそっちの期待もするのですが、海遊館の音声ガイドは画面がついていて、なかなか観られない場面を動画で紹介してくれるなど面白い工夫がありました。
見せ方の工夫、というものが年々進化しているのか、魚たちがみんな近いのが不思議でした。しかし、スマホ程度では魚たちの速度についていけませんで……ブレた画も多いのはご容赦。
実はこの帰りに雨に濡れて歩いたのがマチガイのもとだった気がするのですが…
チームラボ ボタニカルガーデン
お次は長居植物園のチームラボ ボタニカルガーデン。
以前所用あって電車に乗った際、吊り広告で見たチームラボ・ボタニカルガーデン。ふーん大阪、長居って何処だろ、今回の目的地から行ける範囲なのかな…と思ってすぐに調べがつくのがネット時代の有難いところ。研修が終わったあとで電車に乗れば十分間に合うコトが判り、これも電子チケットを手配しました。
しかし…東京でも思いましたが、つくづく都会の交通網ってダンジョンです。
網の目のように電車が走っているのに、路線が交わったり交わってなかったり。どっからどういけばいいのか、路線図を見ただけでは一向にピンとこない。ジョルダンのサイトはブックマークから外せません。そして乗るべき路線がわかっても、駅の中でどのホームに行けばいいのかがまたわからない。まごまごしてるうちに列車は容赦なく行ってしまいます。
昨今人員削減か駅員さんの姿を見ることも少なくなって、人に訊こうにも人がいないという現象も多発。しかし、数分で次の列車が来るのもまた都会なのです。
実は今回、この長居植物園の往復が一番難儀しました。
柳としては植物園もばっちり射程距離内でして、もっと時間があれば昼間に植物園・自然史博物館の方もいってみたかったのですが・・・今回はチームラボがメイン。光と音の幻想の苑で遊んでまいりました。
風が強かったので「浮遊する、呼応する球体」はお休み。じっと立ち止まっていると凍えそうな寒さだったのでひたすらに歩き回りました。専用のアプリがあるといいよ、というアナウンスがあったので入れていたのですが、確かに薄暗がりで入り組んだ順路を行くには案内アプリは必須でしたね。
芸術作品をスマホで撮ってアップするのも無粋かと思いますので、画像は現地でご覧いただくか上記オフィシャルサイトでご覧いただくとして…
どれもスケールが大きくて素晴らしかったのですが、柳的には「大池に浮遊する呼応するランプ – 曖昧な色」「Walk, Walk, Walk – 二次林」が推しです。
海洋堂フィギュアミュージアム
大阪歴史博物館については2020版で書きましたので、ここでは最後に行った海洋堂フィギュアミュージアムについて。
本来、大阪歴史博物館でお土産を買って帰る予定だったのですが、博物館のお土産が…なんといいますか、インバウンド向けの似非民芸品のオンパレードでして…お配り菓子系のものが何もなかったのです。しゃぁない、どこか土産菓子の買えるところはないものかと検索したら、一番近いのがミライザ大阪城という大阪城の真ん前にあるショッピングセンターだったという次第。昭和初期に第四師団司令部として建造された建物が、戦後に大阪市警視庁、大阪府警本部、市立博物館として流用され、最終的に2017年に現在の姿で開業した模様。お土産屋さんのデパート+結婚式場+食事処ですね。
柳はお昼を歴史博物館で済ませていたので、とりあえずお土産。お配りの菓子。とりあえず義理を欠いてはいろいろマズいので、関係各所分ほど買いそろえた後…上記の存在に気づきました。
何か面白そう。
要は海洋堂という、その筋で知らぬ者はいないという老舗フィギュアメーカーの歴史を綴った博物館らしい。実はポップで立ってたレイちゃんに引き寄せられたというハナシもあるのですが、新幹線の時間まで少し余裕があったので行ってみることにしました。地下だったので入口がわからなくて難儀しましたが、来館記念品もついて1000円は決して高価くないと思いましたね。
来館記念品はガチャが一回まわせるコインを渡してくれます。エヴァの缶バッジの台があったので、喜び勇んで回したら初号機が出ました。はっはっは。
入っていきなりサキエルを踏みつけてる初号機に出迎えられて一瞬息が停まりそうになりますが、この程度で驚いていてはイケマセン。エヴァ量産機はいるわ、Mark.6はいるわ、タチコマ(攻殻機動隊)からエドワード=エルリック(鋼の錬金術師)お懐かしのイングラムとグリフォン(機動警察パトレイバー)、人形劇三国志 7の孔明を見た時には感動しました。
いわゆるアニメのフィギュアだけでなく、特撮・洋画や動物・恐竜など自然系、日本文化(阿修羅像とか風神・雷神像、観音像とか)、アート(ギリシャ彫刻、エジプト彫刻、アルフォンス・ミュシャなど)など、見応えずっしりの構成でした。
最後にジオラマコーナーがありまして、かなりエヴァ率高かったです。此処に載せるのは野暮かと思いますので、コレも是非行ってご覧になってください。 8
お定まりのミュージアムショップに行ったら、カヲル君のクリアファイルとNERVのバッグと遭遇してしまって衝動買い。ええ、なんとでも言ってください。自覚はあるんですよ、病膏肓に入るとはこのことです。
そういえば
フィギュアミュージアムの衝撃でうっかり書き落とすところでしたが、大阪歴史博物館の音声案内はスマホで聴く仕様にかわっていました。うーん、自前の端末でウエブサイト閲覧するのに600円とるのかー 9…などと言ってはイケナイのでしょうね。文化活動へのおひねりのつもりで出しましたよ、はい。
ついでに言うと、AR 10で難波宮が見える!という企画は……残念ながらあまり上手く機能しませんでした 11。事前にアプリ入れたりとちゃんと準備して、実は結構楽しみにしてたんですけどね。
お土産はインフルエンザ
さてご存知の通り、柳はこの後インフルエンザを発症しました。今にして思えば多分、海遊館辺りで既に拾っていたものと思われます。テンションで押し切ったつもりが旅行疲れで倒れた、というところでしょうか。
旦那から「…はしゃぎすぎたんだろう」と嘲笑を買ったというのは瑣末として、研修としても稔りの多いものでしたし、プライベートも楽しめました。そして、社会変化についても見聞を広めることができて、まずは大収穫というべきでしょう。
超がつく出不精の柳ですが、出歩くこと自体が嫌いなわけではありません。気合と根性と運とご縁があれば、また何処かへ行って、ひょっとしたら寝言を呟くかも知れません。その折はまた、お付き合い頂ければ幸いです。
2025.2.2
千柳亭春宵 拝