猗窩座が狡かった件

 これだけネット配信が普及しても、やっぱり劇場で観たい映画はあるもの。
 いつもはMOVIXのお世話になることが多いのです。ところが、先日所用あって末っ子と遠出した後、時間が余ったから近場で映画でも観て帰ろうか…という話になって(<嘘つけ狙ってただろ、というツッコミは甘んじてお受けします)普段は行かない映画館に足を運びました。

 MOVIXには会員登録もしているので、お誕生日クーポンで鑑賞券が貰えたりもするのですが、残念なことに毎年誕生日前後は不思議な程に観たい映画が見当たらない。そんなこんなで今年も結局お誕生日クーポンは期限切れで流してしまいました。だからわざわざMOVIXまで戻んなくてもいいや、というのもありまして、今回イオンシネマに行ってきたのでした。

 最近は映画館に限らずエンタメチケットは軒並み電子化の波が押し寄せています。確かに並ばなくてもいいという利点はありますから、今回イオンシネマでも席を電子チケットで抑えました。MOVIXの場合ネット予約してもチケットは劇場の発券機で出す(それでも普通に並ぶよりは格段に早い…)仕組みですが、イオンシネマはQRコードを表示させたスマホを入口で提示するだけ。なるほど、これなら発券機すら不要というわけです。

 劇場に入った直後、実は最初電子チケットであることに気づかず発券機を探してしまいました。挙句、間違ってチケット売り場の列に並びかけ…途中で発券が不要だという事実に気づいたのでした。同じ劇場に、春にコナンを観に来た時はまだ発券機システムだった気がするのですが、何とも変化のスピードが早いですね。

 で、観てきました。「鬼滅の刃 無限城編 猗窩座再来」!

 あかざと打ってイキナリ猗窩座が出てくるATOKがコワかった 1、という話は割愛するとして、柳としてはその猗窩座の声–言わずと知れた石田さんVoice–を、できるもんなら劇場で聴きたいと思っていたのでした。
 そのために柳は大急ぎで柱稽古編まで予習を済ませてました。はっはっは。
 「予習済んでないけど大体判るから」と付き合ってくれた末っ子のんのんに感謝!

 3時間近い長尺でしたが、なんといってもエピソードが盛々。ひとつひとつが丁寧に描かれており、長いとは感じませんでした。柳が感想を喋り出したらキリがないのですが、滂沱たる涙でお茶を誤嚥しそうになってたのんのんの感想が実に的を得ていましたので…ここで引用を。

 「猗窩座、狡い~。フツーにいい人じゃん…」

 むべなるかな。
 無限列車編で、煉獄さんの潔さと対比される外道っぷりを披露してくれた猗窩座、実はド直球にいい人でした。

 まあ、「鬼滅~」に出てくる鬼さん連中が、重~い過去背負ってたりするのはお約束と言うべきなのですが…これは狡い。非道いコトをやらかしているのに、石田さんVoiceであんなエピソードを語られた日には…憎もうにも憎めない。
 もうこうなったら、この状況を作った鬼舞辻無惨に全責任を負って貰うしかなさそうですが、この流れで鬼舞辻にもやむにやまれぬ事情があったり…したら、もはや泣くに泣けませんね。(柳は原作未履修なので、結末は知らないのですよ)