お久しぶりのラングドン教授

 ダン=ブラウンの「インフェルノ」を読みました。随分前に上中下合巻本を電書で買っていたのですが、ようやく気合いが入ったので開いた次第。最近の柳は、小説って気合い入れないと読めないんですよ。特にこの方のは(笑)

 ダン=ブラウンって誰、という方のために補足しますと、アメリカのミステリ作家さんです。有名なところで「ダ・ヴィンチ・コード」とか「天使と悪魔」。どっちも映画化されてまして、両方観ました。「ダ・ヴィンチ・コード」は劇場へ行きましたが、「天使と悪魔」はTVだったような。 1

 有名だけど意外と深くは知られていない史実・事実を事件解決のキーにした、非常にテンポの良いストーリーを書かれる方ですが、端々にオニのように蘊蓄が盛られてます。しかもその蘊蓄が往々にして解決の糸口になるのでうっかり読み飛ばせない。ストーリーに幾重もの仕掛けがあって度々「ん?ちょっと待って?」とページを戻らなければならないという…実に油断がならない作品ばかりなので、気合いが入らないと取り付けないのです。
 でもワタクシ、そーいう小説が大好きなのですよ。つまりは読み応えがあるってことですよね。常々、そういうのが書きたいとも思ってます。

 さて、「インフェルノ」の話なんですが。
 ラングドン教授が主人公のシリーズ。流石というか、公式サイトがあるんですね。

ロバート・ラングドンは、マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大学の宗教象徴学教授です。専門は、古典的図像学、キリスト教以前の文化のシンボル、女神の芸術、古代の暗号解読などです。

http://www.randomhouse.com/doubleday/davinci/robertlangdon/

 要は学者さん、基本的に頭脳労働者の筈なのですが、毎度大変な目に遭います。子供の頃に井戸に落ちて大変な目に遭ったことから閉所恐怖症気味とか、ミッキーマウスの限定ウオッチを大切にしてるとか、決してヒーローっぽくないのに…普通死ぬよね、という高所から落っこちたりカーチェイスやらかしたりと大活躍。でも頭いいんです。何たってハーバードだし。

 毎回巻き込まれ気味に事件に突入していくのと、必ず女性が関わってくるというのがお約束ですが、今回は記憶喪失になってしまうというオープニング。全生活史健忘というわけではなくてここ数日だけ記憶が抜け落ち、頭は銃創っぽい傷を受けてるし、鉄砲持った怖い人達は追ってくる。救急処置室に居合わせた美人の女医さんと共にいきなりその場を逃走する羽目に…!

 ヒキがすごいですわ(笑)

 誰が敵か味方かわからないというスリリングな状況で、ダンテの「神曲」に絡めた謎解きに立ち向かう教授!これだけ言うとえらくヒーローっぽいのですが、実のところ決してアクション向きな人材とは言い難いのがまたいい。毎回落ちたり転んだり這いずりながら謎解きしているイメージがあるのですよ。

 久々に小説が面白かったです。まだ「オリジン」が手つかずなので読みたいなーと思いつつ、「パズル・パレス」読んだはずなのに記憶から抜け落ちてる!ことに気づいてもう一度読み返したくなったりしております。

 ああ、小説書きたい…(<だからブロックテーマで呻吟してないで、小説書けって)

  1. 「ロスト・シンボル」がTVドラマ化されていたことを、この文章書いてて知りました。