家電が壊れるとき

 家電が壊れる時は連鎖的だ、という気がします。
 これは家電屋に言わせると怪談めいた話ではなく、例えば結婚したり転居したりで家電を一斉に買い換えると、その家電の寿命がくる時期はほぼオーバーラップしてくるという話らしいのです。

 その日、「停電してるよ」と母に叩き起こされたのが朝4時過ぎ。いや待て、なんでこんな時間…というのは言うも野暮。高齢者おとしよりの朝は早いのです。
 結局ブレーカーが落ちてたという状況でして、旦那がブレーカー戻して一件落着。あと20分足らず 1を寝直す気にもなれずに作業部屋に行ってみると、当たり前ですが洗濯物を乾かすためにドライモード運転していたエアコンも落ちたまま。生乾きな洗濯物を触ってこりゃいかんとエアコンのスイッチを入れて数秒。…再度、ブレーカーがオチました。

 …こいつか。

 状況了解。申し訳ないと思いつつ寝直した旦那を再度叩き起こして報告、もういっぺん復旧させて貰いました。眠い目を擦り擦り旦那が調べてくれたところ、「あのエアコン、17年経ってた」…そういえば、祖母が亡くなる直前に設置した記憶が。
 家電製品…電気製品というものは当たり前ですが経年劣化します。モノによっては回線がショートして、入れた途端に莫大な電気を食ってしまいブレーカーが落ちる、ということもままあるそうな。うちのエアコンが何故壊れたかはまだ不明なのですが、旦那の話ではエアコンの室外機に蛇が入り込み、基板上で焦げて室外機をおシャカにしたという例もあったとか。
 蛇には気の毒な話ですが…真面目な話、被害甚大です。

 さて困った。うちは基本部屋干しなので、エアコン直すにしても買い換えるにしてもその間をどう凌いだモノか…。
 もと家電屋の旦那の託宣は、

「…除湿機買うしかないね」

 はあ、然様さいで。幸か不幸か偶々休みを入れていたその日、旦那と連れだってデオデオに突撃する羽目になりました。有難いことにいい除湿機がありまして、なんとかその日のうちに洗濯物を乾かせる環境を整えることが出来ました。
 SHARPのプラズマクラスター付きハイブリッドタイプ除湿機!何がハイブリッドかといって、昨今の除湿機はコンプレッサー式 2とデシカント式 3という二つの方式があって、その両方を状況(この場合は気温と湿度?)にあわせて使い分けるということのようです。年中使うならハイブリットがいいでしょう、という家電屋さんのアドバイスを素直に受け取ることにしました。

 で、この除湿機の性能がエグかった。

 早速使ってみたら、ホンの3~4時間で1.5リットル近い水がタンクに溜まってまして…こんなに水分あったんだ、と思わず天を仰いでしまいました。今までエアコン任せでしたから、水分はダクトから勝手に出て行ってたので気が付かなかっただけなのですね。文明の利器、万歳。

 その後、一晩動かしたら3リットルはあるというタンクが見事に満水になってまして、柳の生活の中で朝になったら除湿機のタンクの水を落とすというルーティンが確立しました。まあ、成人男性3人分(+柳の分)の洗濯物をかっきり乾かそうとしたらそれだけの水分を飛ばさにゃならんというのは、さして理不尽な話ではないのですよ。

 理不尽だったのはその後の展開。

 洗濯物問題が解決した翌日、冷凍庫を開けた柳は冷凍食品が何やら柔らかいのに気が付きました。最初は、前日夜中に停電して朝方までその状態だったから、多少柔らかくなっちゃったのは仕方ないよね、と思っていたのですが…どうにもその後、2~3日しても冷凍室の冷え方がよろしくない。製氷室の氷もなんだかおかしい。それを再び旦那に報告したところ、驚きの返答が。

「調べたら、あの冷蔵庫17年モノだった」

 これもか。
 更には冷蔵庫の平均寿命はGoogleセンセイによると冷蔵庫の平均寿命は10年~14年程度だそうな。見事に突破してました。旦那も「修理するにも多分部品ないな 4

 …然様さいですか。はい。

 結局、半月ばかりの間に除湿機を購入した上、エアコンと冷蔵庫を買い換える羽目に。全く、この物価高騰のご時世に貧乏人泣かせな事象が連発してくれたものです。おまけに5月後半はこの対処(冷蔵庫の入れ替えやエアコン工事なんて、ほぼ一日仕事)で結構休日を潰してしまいました。
 それでも、旦那がいてくれたから 5これだけスピーディにことが運んだのですよ。
 とりあえずは旦那に感謝。

  1. ウイークデイの柳は朝4時半スタートです。4時半かっきりに 起きられるワケではありませんが(笑)
  2. 冷媒を圧縮して熱を奪い、水分を凝縮して取り除く。まあエアコンですよね結局。
  3. 乾燥材で水分を吸着し、ヒーターで加熱して水分を排出する方式。低音でも稼働可能というのがウリですが、排熱で室温が上昇するというのがデメリットとか。冬にあったかくなるなら別にそれでも問題ない…と思ったら、その分消費電力は高いというオチが付くのです。
  4. 家電製品には製造終了後9年間は部品を保存しとくというルールがあるらしいですが、逆を言えば製造終了後9年以上を経過していたらオフィシャルには修理不能ということ。裏技として同型の機械から健全な部品を引っこ抜いて組み付けるというのもあるらしいですが、何にでも応用できるわけではないらしい。基板やられたらオワリ、というのがうちの旦那の見解。その旦那はおシャカになったDVDレコーダーから嬉々としてハードディスクとDVDドライブを引っこ抜いてました。ノリは既に自作パソコンの世界。
  5. 元家電屋のコネをフル活用してくれました。