one summer day

「ぶっちゃけ、イサナをネタに恋バナ咲かせられるチャンスなんてそうないもんねー♪」

 くふふ、と忍び笑いしたのは…さて誰でしょう。
 時系列としては「てのひらの赤い月」の後ということになりましょうか。ある平穏な夏の日の出来事。カヲル君視点ですが、メインはイサナ…かな?

 つくづく、「サクッと短編」というのが苦手です。こんな思いつきのオハナシぐらい短くまとめろよと自分でも思うのですが、いろいろ盛りたくなった結果、最終的に原稿用紙にして50枚overという次第。嗚呼、 已矣乎やんぬるかな

one summer day Ⅰ
夕刻のカフェ「Angel's Nest」は高校生の一団が占拠していた。 盛夏の苛烈な太陽に灼かれたアスファルトが放つ熱気は、日没を迎えるまでにはまだ間のある街に居座っている。学生たちはクールシェアの名目の下にカフェの一郭で勉強会を
one summer day Ⅱ
「…ごめんなさい、もしかして当直?あ、よかった。少し、気になることがあって…」 深夜、なんとなく寝付けなくてキッチンへ水を飲みに出てきていたカヲルは、扉が開けっぱなしの書斎から漏れ聞こえてくるタカミの声に…内心で吐息した。 カヲルやレイにあ
one summer day Ⅲ
月は満月。 午後にユカリをはじめとする「Angel's Nest」の面々が到着し、コテージは一気に賑やかになっている。その賑わいから抜け出して、イサナは月夜の桟橋に出ていた。船クルーザーが一隻係留されているが、当然今は誰もいない。
ある夏の日、アクアリウムにて
「one summer day」これにて終幕。  夏の初めに水族館に行く機会がありまして、水底の雰囲気にどっぷりと漬かって来ました。 好きです、水族館。涼しいし、直射日光に晒されずに済むし(笑)何より、水の中の雰囲気ってやつが、柳は大好きな