海風の頌歌

 典薬寮頭補佐・ソランジュには、通常の業務の他に上司から命ぜられた任務があった。マルフ派兵直前に倒れてから、衰弱の一途を辿る審神官シャンタールアンリーの治療である。
 エルセーニュ残留を余儀無くされてから後、以前からの発熱に加えて度々意識を失うようになったのだ。

 シェノレス完結編である「残照の日々」を、最後までアンリーに寄り添った典薬寮神官ソランジュと、距離を置きつつ見守った…ルイの姉であり典薬寮頭クロエの視点から書いたお話。

書き始めた時は、至極真剣に純愛ラヴストーリーを書こうと思ってた筈なんですが…。
できあがりがどうなったかは…読者様に委ねます。 
海風の頌歌  Ⅰ
典薬寮頭補佐・ソランジュには、通常の業務の他に上司から命ぜられた任務があった。海風の頌歌 第1話
海風の頌歌 Ⅱ
 神童と言われ、かつては大神官の後嗣と目されたアンリー。  弟ルイの幼馴染みでもあったから、クロエは彼を幼少の頃から識っていた。海風の頌歌 第2話
海風の頌歌 Ⅲ
『…愛して…いるのか。審神官を』  敬愛する寮頭の問いに、ソランジュは最初呼吸を停めるほどに驚き、そして今も戸惑い続けている――――。
海風の頌歌 Ⅳ
「…申し訳ありません。私などに関わったばかりに、大変な目にあわせてしまいました」  細い径を先に降りながら、ぽつりとアンリーが言った。海風の頌歌 第4話
海風の頌歌 Ⅴ
程なく、停戦調印のため国王レオンがエルセーニュを離れた。海風の頌歌 第5話
海風の頌歌 Ⅵ
「……嵐になるな。船団が戻るには、もう数日かかるだろう」  ソランジュは、暮色を深める曇天を仰いだアンリーの低い呟きを耳にして…薬湯の椀を下げる手を止めた。海風の頌歌 第6話
海風の頌歌 Ⅶ
 その日の波は穏やかで、その季節としては暖かな陽光が水面に降り注いでいた。海風の頌歌 第7話
海風の頌歌 Ⅷ
 クロエが書庫の前まで来たとき、そこはいつもと同じ薄闇と静寂を湛えていた。海風の頌歌 最終話
絶唱のあとに
海風の頌歌 あとがき