至って平穏な某日の出来事

眩しい白

 すみません。書いてても読んでても痒い話になってしまいました。「I wish your happiness」のシリーズに迫る勢いの甘ったるさです。実はWordPressに起こす段階で加筆したら痒さが30%ぐらい増量。痒さのあまりメインマシンがハングアップしそうです…。

 そもそも「Angel’s Nestへようこそ」のシリーズは「のんびりまったり、使徒達の日常」がコンセプトなのです。今回は本当に、怪物も腹黒いオトナも悲しい過去も出て来ないホームドラマ的らぶこめ(…のつもり)。バレンタインあわせの心算がないでもなかったのですが、見事に間に合いませんでした。
 当然ヤマもなければオチもないしイミもなし(笑)伏線さえもありません。ひたすら書きたいモノを盛りまくっただけという言語道断な構成。でも一番シリーズコンセプトに忠実なお話になったのではないかと自画自賛してみたり。

 コトの始まりは冒頭にも引用したAngelaさんの「幸せの温度」。柳はもともとAngelaさんとか高橋洋子さんとか、ドスの効いた女性ヴォーカルって大好きなのですが…この曲は非常にあったかい感じです。あったかくてひたすら優しい。

幸せの温度を知りたいなら/
それは体温にとても近くて/
大事な人の頬に触れたとき/
指に伝う愛しさに似てる

 そんなこんなで、不意に「幸せの温度」なお話が書きたくなったのでした。
 ラスト、レイちゃんにとってはそのまんま頬に触れたときの温かさで、カヲル君にとってみたら触れてくれたレイちゃんのマグカップで一寸温まった指先の温度ってことになるのでしょうか。この際、気の毒だけどタカミ君はオマケ(酷い…) というお話。これ書くためだけに原稿用紙換算30枚over…我ながら何考えてるんだか。

あ、何も考えてませんね。はい。

 昨今すっかりマスコット状態のイロウル。今回は蝶々になってしまいました。(虫とか鳥の飛行形態を模したドローンは実在するらしい…)
 本人(?)は至って真面目なのですが、傍から見てると課題タスクの発生源たるタカミ君で遊んだり遊ばれたりしてる感じですね。タカミ君もイロウルがかつての片割れであることを忘れてる訳じゃありませんが、まあ、扱いとしてはいいとこ近所の野良猫です。おやつはあげるし構ってもやるけど油断はしないよと。
 さて、次は何に化けさせられることでしょう。くふふ。

 今回は、いつもは気配りの権化なユキノさんがちょっとした茶目っ気でサキを困らせてみたお話でもあります。
 「I wish your happiness」シリーズにおけるサキはバリバリの職業演奏家なのでいつだって自信満々(しかもオケなら確実に第一ヴァイオリンでトップ弾いていそう。ソロなら楽譜そっちのけで好きなように弾きまくって伴奏者を困らせるタイプ)ですが、「すべて世はこともなし」のサキは本業は医者であくまでもヴァイオリンは趣味、という御仁ですから極力ひっそりと、ないしは皆と合わせながら楽しく弾くってのがポリシー。
 どうやら高階博士在りし日の想い出とも繋がってるようで、あんまり他人に聴かせるということはしないようです。カヲル君からすると十分巧いのになんだか勿体付けられたみたいでちょっとだけ面白くなかったりするのですが、いつも余裕綽々のサキの意外な一面を見せてもらっちゃったことであっさりチャラ。
 カヲル君にとっては、サキっていつまでも他者に弱味を見せることのないオトナなので、苦手らしい何かを見つけてしまうと妙に嬉しくなるらしいのですね。一緒に住んでる自称保護者タカミに対する反応リアクションとはえらい違いですが…まあ、あっちは見つけるも何も隙だらけだから(笑)

 今回参考にした青柳いづみこさんの「ボクたちクラシックつながり~ピアニストが読む音楽マンガ~」(文春新書)は大変面白いですのでお勧め。残念ながら電書化はされていなかったようで、探すのに往生しました。あ、ただし「のだめカンタービレ」を全くご存じない向きには予習が必要かも知れません。

 コンサート会場でのスタイルについては、レイちゃんのは「キッズ」「発表会」といったワードでヒットしたページをパラパラと見て決めました。いいたかありませんが、柳にファッションセンスなんぞ皆無ですから…ボキャブラリも貧弱なのでいつも困っています。カヲル君のは某写真集からのイタダキですね。…ええ、買ってしまいましたとも…

 昨秋から「篝火は消えない」シリーズのリライトに取り組んでいるのですが、柳の背骨をへし折りそうな話の重さに耐えかねて…つい「天からキャベツが降ってきた!」の復刻やら、サイトのお掃除やら、カウントダウンタイマーやら、あげく今回はホームドラマ的らぶこめに逃避する始末。
 ちまちまと書き進めてはいるのですが…。嗚呼、昨年の春もこれで再スタートやり損ねた気がするのですよ(涙)

 何はともあれ、本年も千柳亭書房をよろしくお願いいたします!

2020/02/16