Senryu-tei Syunsyo’s Novel Room(Novel-Ⅲ)
Evangelion SS「und der Cherub steht vor Gott!」
どこまでも続く砂の世界に、エントリープラグが深深と突き刺さっている。
昇りはじめた陽に、零れたLCLも見る間に乾いてゆく。
白い砂に膝をうずめ、少年は肩を震わせていた。
だが努めて泣くまいとこらえていた。・・・・泣き声をあげることは、エヴァに残った母親の意思に背くことだと心に念じて。
だが、そんな決心に逆らって、大粒の涙が少年の頬を滑り落ちる。
地上に残った最後の天使が、そんな少年の肩を優しく包み込んだ。
『ただ、ATフィールドは恣意的に行使できる範囲に差はあるにしても、皆にある力なんだ。・・・・・・でも、一番大切なひとに・・・・・一番大切なことを伝える事もできない程度の力でしか・・・・ないよ。
―――――リツコさん、僕はね・・・・・・・』
緩慢になってゆく言葉が、不意に途切れたことでリツコは顔を上げた。
乾いた砂の音と共に、タカミの身体が砂の中へ倒れていくのを見ても、一瞬その意味を理解しそこねた。その口許には、あまりにも穏やかな笑みが残っていたから。
数瞬か、数秒か。まるでスクリーンでも通しているかのような非現実感に、リツコはただ茫然と見つめることしかできなかった。
乾いた血で汚れたNERV士官の制服。
砂の上に広がった銀の糸。
白を通りすぎて蒼い頬。
閉ざされた緑瞳。
つい先刻まであれほど雄弁だった癖に、もはや言葉を紡がない唇。
リツコはふらふらと歩みより、その傍らに膝をついた。
言葉は出てこない。言わなければならないことはたくさんあるのに、言語野はセンテンスの構成を拒否した。ただ、脈絡のない場面の羅列が頭の中を通りすぎていく。
かすかに震える手でその肩に触れる。貫通銃創は既に塞がっていたが、紺色の制服の色を変えるほどの出血が、ダメージでなかったはずはない。
「・・・・どうして・・・・どうして・・・・・・!?」
ようやく絞り出した声は、傷のはいったディスクのようにそれだけを繰り返した。
カヲルとレイ、そしてシンジがそこへたどり着いた時、表面は焼け焦げ、融解しかかっているというすさまじい風体ながら、本部の残骸は砂の上に比較的真っ直ぐに留まっていた。
その側面には大きな穴が穿たれ、そこから人々が出てくる様子が見て取れた。砂地には既にかなりの人数が出ており、ありあわせの資材でテントが設営されつつあった。
砂まみれになりながらその指揮をとっていたミサトが、周囲から知らされてカヲルたちを認める。顔を喜色で輝かせて走り寄ると、子供たちを両の腕でかき抱いた。
「・・・・・おかえりなさい、三人とも・・・・無事で良かった」
「ミサトさん・・・・・」
この人は、ずっと自分を気にかけてくれていた。・・・そんなことを、ふとシンジは思った。
冷たい人だと、身勝手な人だとも思った事もある。だが、それでもこの人はこの人なりに自分を案じてくれていたのだと思う。・・・・少なくとも、父親よりは。
「アスカの意識が戻ったわ。・・・行ってあげなさい、シンジ君」
「う、うん」
ミサトに軽く背を押され、シンジが走り出す。あとに、カヲルとレイが残った。
「・・・・本当に、ありがとう。といっても、あなた達にしてみたら、こんな事言われる筋合いもないのかも知れないわね。でも、今は言わせて。ありがとうって・・・・・」
言いたいことの先を封じられて、しばらくカヲルが黙る。だが、ややあって顔を上げて言った。発した声は、やや重い。
「・・・・太陽と月とこの惑星があるかぎり、ヒトは生きていける。でも、そこから先は・・・・・」
「どうにかするのよ♪」
至極軽い口調にウィンクまでつけて、ミサトは身を翻した。
「今、わたしたちは生きているわ。そして、これからも生きていく。かくあれかしと思う私達自身へ努力する。さしあたってはこの状況で生き残らなきゃならないもの。いまある課題から片付けていくわよ」
カヲルは得た答えに満足したように、莞爾として踵を返した。そして茫漠たる砂の海へ踏み出す。
「・・・・渚君?」
ミサトの問いにカヲルは半身ほど振りかえった。先刻までの表情にはなかった、翳りと言ってもいいか細い微笑がミサトに呼吸を詰めさせる。
「・・・迎えに、いかなくては。もう、ここまで戻るだけの力も残ってはいないんです」
誰が、とは言わなかった。わかりすぎるほどわかっていたから。
右手を宙へ泳がせ、空間に黒い裂け目を作ったカヲルは、何の躊躇もなしにそこへ身を投ずる。・・・・ミサトもまた。
「私も行くわ!」
名状し難い空間にミサトは思わず眩暈を生じたが、それも僅かな間のことだった。カヲルの繊いが存外に強靭な手が、すぐにまた白い砂の世界へ引き戻したからだ。
眩暈の残滓を頭を軽く振ることで追い払い、顔を上げる。
だがその瞬間、ミサトはカヲルの肩越しに信じたくない光景をつきつけられて絶句した。
何かの間違いだと言って欲しくて、カヲルを見つめる。しかしカヲルは紅唇を噛み締め、感情を押しこめた紅瞳でその光景を見つめるばかり。
「・・・・・・リツコ」
融け残ったビル。不吉な赤黒い線を残すその残骸に背を預けるようにして、リツコが座っている。
その膝に動かないタカミを抱いて。
ミサトの声に、リツコがゆっくりと頭をもたげた。焦点の曖昧な両眼が、ミサトの肺腑に冷気を落としこむ。
「・・・ミサト・・・・駄目なの・・・どんどん冷たくなっていく・・・・・」
か細い声であった。いつもの、論理の裏付けと自信に満ちた口調は影もない。ただ事態を受け止め損ねて茫然としていた。
「・・・・・嘘、でしょ・・・・・」
ミサトが声を震わせた。
「2回も3回も死に損ねたくせに、今更・・・・それはないでしょう!!」
「・・・・力を使いすぎた」
一切の感情を排したカヲルの声に、ミサトが言葉を呑む。リツコに至っては、反応すらできなかった。
「ジオフロントに現れるまでに、既にかなり無茶をしてた。それなのに、実体をわけたり、本体を自爆させるようなことまでして・・・・・消耗して当然だ」
容赦のない口調とは裏腹に、その貌は痛ましいほどに色をなくしていた。少し頼りない歩調で歩み寄り、タカミの傍に膝をつく。そして、茫然としたままのリツコに静かに声をかけた。
「・・・帰りましょう。ここに寝かせていても仕方ない」
「・・・おぅ、綾波やないか」
負傷者が収容されたバラックが立ち並ぶ。その間を周囲を見回しながら歩いていたレイを呼びとめたのは、トウジだった。
バラックと言っても太陽光と風を遮断するだけのもので、壁が一方しかないものも少なくない。トウジがいた場所に至っては3方が防水布、のこるは開けっぱなしというていたらくであり、幕の間からレイの姿を認めたらしかった。
特に外傷はないようだったが、額に濡れたタオルをかけて大の字になっている。
「横着な格好ですまんけど・・・・なんや地上に降りたら、気ぃ抜けてしもうてなぁ。頭がふらふらしてよう起きてられんのや」
「お疲れさま」
普段は無機的な語調が、少しだけ柔らかい。トウジはその変化を好もしいものだと思いながら、額のタオルを取って上半身を起こした。
「みんな、無事やったか?」
「え・・・ええ」
レイはこの答えが必ずしも正解でないことを知っていた。だが、今の彼に知らせなければならないことではない。
「そか。よかったよかった。さしあたり、皆生き延びたわけや」
躊躇が生んだわずかなタイムラグをトウジがどう理解したか。だが、トウジはそう言って屈託なく笑っただけだった。生き延びた事を、至極まっとうに喜んでいる。いっそ、羨望に値するほどに。
レイは少しだけ硬い表情で言った。
「・・・鈴原君は、怖くないの?」
「怖い?なんや藪から棒に」
狐につままれたような顔で問い返すトウジ。
「・・・っちゅーか、なんのこっちゃわからんで。でも・・・まああれやな、短い時間にこれだけいろいろな目におうたら、大抵のものは怖ぁなくなるんやないか?」
そう言って呵呵大笑する。だが、レイは複雑な表情で返答を遅らせた。
「・・・ごめんなさい、何でもないの」
踵を返すレイ。その表情が少しだけ気になったが、さしあたっては自分が伝えられる事に思い至り、慌ててつけたした。
「シンジと惣流やったら、この二つ先の小屋やで。探しとったんやろ」
「・・・・あ、ありがとう」
レイを見送ったトウジは、わずかに俯いた。頭をかきまわし、もう一度額にタオルを乗せて倒れこむ。
「・・・・せやな。めんくろうとるんは何も俺だけじゃないか・・・・・・」
大きく息をついて、粗末な小屋をの天井を見上げる。
サードインパクトとやらは免れたにしても、自分の今までの生活が見事に灰になってしまったことには変わりない。家を失い、家族を失い、自分自身さえも今までとは違う。
…心中快々として必ずも納得したわけではなかったが、あれだけいろいろ突きつけられてしまった以上、今更否定しても始まらぬ。
「・・・・まあ、ええか。とりあえず、俺は生きとるし。・・・・時間もあることやし、じっくり考えるわ」
医薬品さえ不足している環境で、まともな建築資材があるわけもなく・・・トウジのいた場所がそうであったように、傷病者を収容しているバラックもその7、8割方は屋根があるだけという状態であった。
2方だけが壁、あと2方を防水布で覆っただけの薄闇の中に、リツコもまた座していた。熱に弱い機材を庇う為に建てられた仮小屋に、他の人の姿はない。積み上げられた軽量コンテナに軽く背を凭せ掛けて、視線を薄闇に彷徨わせる。
薄闇の中で、横たえられた銀の髪はそれ自体光を放つかのようであった。だが、不思議な緑瞳が開かれることもなければ、蒼ざめた唇が言葉を紡ぐこともなかった。
すれ違ったままいつか見失った―あるいは忘れようとした―あの日々とは違う。・・・・ターミナルドグマに現れたあの瞬間からして、何もかもが突然だった。
突然に姿を現し、何の前振りもなく途方もない計画に巻きこみ、そして今また、突然に・・・・・。
『あなたは、あんな処で死んじゃいけない。手を貸して貰えるかい?・・・あなたじゃなきゃ、駄目なんだ』
「・・・・私に何ができたというの?」
答えが返ってこないとはわかっていても、問わずにはいられない。
だがそのとき、幕が揺れて一条の光が薄闇を薙いだ。
くせのある銀の髪が光を受け、リツコの暗所に慣れた目を射る。カヲルであった。
「渚・・・カヲル君? だったわね…」
カヲルは無言で頷く。そして幕の内に身を滑りこませると、防水布の上に広がるよく似た銀の髪の傍に膝をついた。…似ている…?タカミのそれにはくせがないことを別にすれば、この二人は確かに似ていた。
だが、リツコが口にしたのはまったく別のことであった。
「・・・・以前、会ったことがあるわね・・・・」
「・・・ええ、ゼーレの研究施設で。あの時はまだ、言葉で話ができる状態ではありませんでしたけれど」
カヲルが名もない科学者の一人であったであろう彼女を記憶していたことに、リツコは驚きを禁じえなかった。だが、すぐにまた目を伏せる。
「私はあなたが、地上に降ろされた裁きの天使なのだと思っていたわ…」
俯いたリツコを真っ直ぐに見つめたまま、カヲルが黙る。
「・・・でも、違うのね。あなたは裁いてなどくれないのだわ」
「・・・ええ。裁かれるべきは僕だったから」
思わぬ言葉に、今度はリツコが黙る。
「僕がすべてから逃げ出したことが、同胞の命を裏切り、シンジ君に傷を与えました。…罪は僕にあった。…だから、贖いたかった」
落涙しても不思議でないほど、悲しげな紅瞳であった。
「罪には罰が。でも、罰するだけでは何者も救われない。…罪には贖いが必要なのだと、僕は知りました。僕だけが父なる方に抗う事ができるというなら、そうすることが贖いだと。・・結果、永劫という名の呪いを身に受ける事になろうとも」
「罪なら私も犯したわ」
膝の上で重ねた手を握り締める。
「・・・私は何を以って贖えばいいの…?」
その問いに、カヲルは即答しなかった。
ただ、悲しげな紅瞳を伏せ、体温を失ったタカミの頬に手を伸べる。
「…私が殺したの。彼が、第3新東京市での生活以上のものを求めたりはしてないって知ってて・・・・・・保安部を動かしたの。それなのにどうして私を助けに来たりするのよ。命を縮めるような真似までして、どうしてターミナルドグマから私を連れ出したりしたの・・・・!?」
声は昂ぶり、途中から嗚咽に紛れた。膝の上で握り締めた手は、こめられた力を受けとめ損ねて小刻みに震えていた。
「・・・・・・答えを、待ちますか?」
カヲルの、穏やかな問いに・・・・リツコは嗚咽を飲み込んだ。
指先を、頬から項へ滑らせる。ある一点にその指先を留め、もう一度問うた。
「ヒトには長すぎる時間かもしれない。それでも希望があるなら、答えを待ってみますか?」
カヲルの言葉の意味を、リツコは解した。
「・・・・・・・まさか」
首筋の一点でとまった指の間に、瞬き一つの間に小指の爪ほどの金属片が出現する。皮膚には引っ掻いたほどの傷も残っていなかったが、まとわりつく紅はそれが今の今までその体内に埋め込まれていたことを示していた。おそらくはダミープラグを制御するためのチップ。
「・・・・・失った実体を得る為に、彼がひどく思いきった手段をとった。量産機がロールアウトした直後、廃棄された大量のダミー。・・・・そのうち、まだ呼吸のあったものに自分の情報をうちこみ、ATフィールドで干渉をかけてその姿を変えたんです。・・・・・さすがに、髪まで手がまわらなかったようだけど」
カヲルが金属片を握り締めると、橙赤色の雷が疾り、その手の中で鈍い音がした。
「使徒と人間の遺伝子の混成・・・・つまり、基本的には『フィフスチルドレン』と同じです。違いと言えばこのチップくらいですが・・・既に機能してなかったでしょう。
この細胞で構成された身体にはひとつ特徴がある。・・・・・ある程度以上のATフィールドの行使に関して、リリンの部分がリミッターとして作用するんです」
「『使徒の細胞に比べ、我々の細胞は非常に保守的であり・・・変化に適応できず個体死に陥る』」
「・・・高階博士の論文ですね」
カヲルは微かに笑んだ。
「その場合、当然・・・形態を維持することはできなくなる。その例外が、個体がLCL中にある場合と・・・使徒と呼ばれるものの魂が宿り、リリンのレベルをはるかに超えたATフィールドで個体を維持した場合。だから、バイタルサインが検知できないにも関わらず、彼がこの姿を維持しているということは・・・」
そこまで言って、カヲルは手の中の金属片を差し出し・・・・タカミの胸の上で掌から零す。
握りつぶされたような形で固まっている金属片は、タカミの身体に触れる前に光の盾に阻まれ・・・砕け散った。
光・・・・・橙赤色の光。
「・・・・!」
思わず、リツコは顔を上げてカヲルをみつめた。カヲルはまた、穏やかに笑んだだけだった。その穏やかさの中の、一抹の寂しさを汲み取るほどの余裕はリツコになかったが。
リツコが微かに震える手で、蒼い頬に触れる。言葉を失っているリツコに、カヲルがもう一度、ゆっくりと訊ねた。
「どのくらいの時間がかかるのか、僕にもわかりません。それでも・・・・・待ってみますか、答えを?」
震える手に、水滴が落ちた。
嗚咽に堰かれて声が出ない。だが、カヲルはその唇の動きを読み取った。それが声になるのを待つことなく、立ちあがる。
幕の端を持ち上げ、身体半分を外気に晒して振りかえり、半ば呟くように言った。
「・・・・さよなら・・・・」
カヲルが活気に満ちた喧騒を離れ、白い砂の海へ踏み出した時、そこでレイが待っていた。
「・・・ひとりなの?」
意外そうなレイの問いに、すこし寂しげに笑う。
「・・・いいの?」
「うん・・・・」
なおも気遣わしげなレイの肩を抱いて歩き出す。なだらかな斜面は踏み出すたびにさらさらと流れ、歩みよりも早くカヲルたちを運ぶ。斜面を降りきると、そこからは聳え立つ本部の、頂上部しか見えなかった。
わずかな平地の先は、またなだらかな斜面に変わって遥か彼方の丘陵へつながっていた。
砂の上に下肢を投げ出して座り、空と砂が接する線を見晴かす。
「・・・・ヒトには長すぎるかもしれない時間でも、待つと言うなら・・・・・僕にできることは何もないよ」
その言葉で、レイはカヲルの寂しげな微笑の理由を察した。
カヲルは背がふっと暖かくなるのを感じた。レイの繊い腕が背中からカヲルを包み込んだのだ。
「君こそ、いいのかい?」
今度は、レイが寂しげな微笑をする番だった。しかし何も言わず、ただ頷いただけだった。
トウジと別れた後、セカンドチルドレンが収容されている場所を探し当てたものの・・・結局、そこへ入る事はしなかった。
足が、とまってしまった・・・・・。
「・・・・何処へ行くの?」
「何処へでも」
寂しさの翳りをはらい、カヲルが笑う。
「・・・・生きていこうと思えば、何処だってエデンになる。もう、一人じゃないしね」
「あなたには、怖いものなんかないのね・・・私は怖い。これからの長すぎる時間が・・・・」
「買い被りすぎだよ。・・・・怖いものはたくさんある。たくさんあったから、長い時間・・・・途方もなく長い時間、迷いつづけた。でも、その為の拒否と逃避が、たくさんの大切なものを奪っていったよ・・・・・だからもう迷わない」
レイの腕を解き、向き直る。愁いの翳りを落とすレイの頬に手を伸べて、カヲルは微笑んだ。
「・・・・僕らに与えられる時間が、たとえ父なる方の報復だとしても・・・僕はもう逃げない」
「・・・Tabris・・・」
「“カヲル”」
静かに頭を振り、ゆっくりと音を区切るようにしてその名を訂正する。
「父なる方の与えた名は、もういらないんだ。・・・僕は・・・・」
「・・・“カヲル”」
幾分ぎごちなく、レイがその名を口にした。穏やかに笑んで、カヲルが立ち上がる。
「もう迷わない。いつか太陽が崩れるのを見、この惑星が滅びる日を見なければならないとしても・・・・・君がいるなら、歩いて行けるから」
そう言って、手を差し伸べた。