NEON GENESIS EVANGELION FF「すべて世はこともなし~All’s right with the world~」、HP設立20年目にしてようやく完結!でございます。これもひとえに化石のような当HPにまめまめとお越しいただいた皆々様の御陰!千柳亭春宵、心より御礼申し上げます。有り難うございました。
とりあえず完結
思えば1997年6月1日、その年の春に公開になった「シト新生」をTVシリーズ20話までしか観てなかった柳が一寸した出来心で観に行って、うっかりすっ転んだところからこのHPは始まりました。怖ろしいことにあれから20年!綾小路の口上が洒落になってない年月が経ってもまだ醒めてないというあたりが既に救い難いところで、病膏肓に入るとはまさにこのことでございます。
本編系FF「そして御使は神の前に立つ」をようよう2000年で終わらせたのは良かったのですが、その後柳の身の上にいろんなことが振りかかり…(<素直に結婚したって言え)あれよあれよという間に日々は過ぎ、2014年、使徒襲来の年すらあっけなく通り過ぎてゆきました。
ちび共もでかくなってなんとかパソコンの前にまとまった時間座らせてもらえるようになって、更には「タイタニア」が完結してしまったことにもショックを受けて(<いやだから何の関係があると…)なんとか再起動が成りました。
ネット上の20年…いやぁ隔世の感ですね。今時、手打ちでHP作ってる素人なんてそうそう居りますまいて。そのスジに関しては一応専門家の旦那でさえ、ホームページビルダー使うのに抵抗ないというのに、「どうしてそうなるのかわからんのがキモチワルイ」という理由であくまでもタグ打ちHTML作成に拘る阿呆でございます。ええ、阿呆でございますとも。今はもっと簡単なツールや、ブログという代物があるというのに。一応ブログにも手を染めておりますが、まああくまでも更新情報を発信するツールぐらいにしか考えておりません。小説書くならやっぱり手打ち! と信じて疑わぬローテク人間でございます。
間で一太郎に浮気し、一太郎から直接EPUB、という甘言に乗ってしまった柳ですが、EPUBによる配布がまだまだハードル高いことを痛感し、やっぱりHyperEditによる.htm手打ちに回帰しました。このため、2月にラストシーンまで書いていた筈のお話をHPにアップするために、一太郎からの転記という手間が入ってしまい…結局、最終話まで突っ走るのにこれだけの間が開いてしまった次第でございます。
しかも、転記するだけのつもりがあれよあれよという間に(<もぉええ)話が膨らんでしまい、1パート丸ごと書き足したというさらに間抜けな話がついております。わはは。
ともかくも、最後までお付き合いいただいた皆々様に、心より御礼申し上げます!
主役なんです
当HP、Novel-3における主役はカヲルくんです!
…なぁんて赤文字で叫ばにゃならんというのが実は一寸だけ哀しい…。
某11thの扱いがやたらとでかいので誤解されそうで怖いのですが、この「すべて世はこともなし」というお話における主役は間違いなくカヲルくんなのです。まあ、最初の段階で「学園らぶこめ」などという無謀なお題をぶち上げた故に妙なテンションになってしまったのですが、要はカヲルくんとレイちゃんのらぶすとぉりいというやつが書いてみたかった!のです。
まあ、行きがかり上キツネとタヌキの夫婦喧嘩とか、アスカとシンジの夫婦漫才とか、使徒連中のどつき漫才が絡んでかくも長大なお話になってしまったというだけです。
最初っから最後まで、カヲルくんはレイちゃんしか見てませんし、レイちゃんはレイちゃんで「世界なんて原初の海に還ってしまっても構わない。(中略)…カヲルが傍に居てくれればそれでいいの!」とゆースタンスです。あとは全力で邪魔者を排除するだけ。なにをかいわんや。
柳としては、このご両人がいちゃつくシーンをもっと書きたかったです。秘密結社RKS万歳!
徹頭徹尾傍観者の、ある御仁について
徹頭徹尾傍観者だった碇シンジ君。しかし実は彼がいなければ、カヲルくんはさっさと第3新東京市なんか更地にし、レイちゃんと何処ぞへ旅立っていたに違いないのです。
カヲルくんにしてみれば、最初はレイちゃんが興味を持ったから、後にはカヲルくんの理解者であったユイさんの息子で、同時に仇敵の息子でもあるから…というので少しずつ関わりを増やしていくのですが、最終的にはシンジ君に「平和な生活」というやつのひとつのかたちを見ていたのではないかと思います。
そーいうわけで、公式や巷の大多数の「渚カヲル」君に比べて…ウチのカヲル君はシンジ君に対して非常に冷淡、とはいいませんが淡白な仕様となっております。悪しからずご了承くださいまし。
え、何?柳の小説にハナからそっち方面は期待してない? 失礼いたしましたぁ♪
王子様になりそこねた、ある御仁について
思わせぶりな立ち位置にいて、そこそこ美味しそうな場面だってあったはずの加持さん。何故かくも可哀相な扱いになったかというと…やっぱり某11thの所為です。ええ、間違いなく。
大体、HP立ち上げ時の「すべて世は~」初期プロットでは、外道親爺との大喧嘩に勝ち残りはしたものの、力尽きて眠りかかっているカヲルくんを助手席に乗せて走り去るのは加持さんの役だったのです。ところが、見事というか美味しいところはみんな他にもっていかれました。他、というのが概ね某11thとか、水芸が得意な不良医者とかですが。よくミサトさんに愛想尽かされなかったもんです。しみじみ。
一応釈明しておくと、柳は決して加持さんが嫌いではありません。いや、いい男だとは思います。しかし、間借人とも話したのですが…加持さんってどう転んでも浮気相手なんですね。カッコイイし一緒に遊んでもそこそこ愉しめそうなんですが、あんまり幸せになれる気がしない。カヲルくんには幸せになって欲しい柳としては、申し訳ないけどあんまり近づかんでくれ、という方向に話が流れてしまったのではないかと思っています。
彼のどうにも幸薄いオーラを払拭できるのはミサトさんくらいのもんでしょう。どうか、幸せになってください。
使徒たちが最も恐れた作戦部長
で、そのミサトさんですが。
食っていくためと称し、実は軍人になれば父親の死の真相に触れる機会があるのではないかと考えて士官学校へ進学しました。しかし、年数が経つに従って南極の事件は忘れ去られ、軍も手を退く様子をみせ、ミサトさんとしてもここからどーしたもんかな、と思っていたようです。そんなところへ、任官直後に配属された部隊が海外派遣先の非武装地帯で警備任務に当たっている最中、子供達が戦闘に巻き込まれる様を目の当たりにしてしまい、一時的に精神を病んで除隊。中学校の教職資格を取って現在に至る、という裏設定になっています。(この設定の現実味って…そんなもん突っ込まないでくださいぷりーず)
訓練は積んだけれども軍の仕組みに手足を縛られ、結局目の前の子供達を助けられなかったという経験が、軍隊(組織)に対する不信感として根強く残っています。心情的にはいつでも独走する準備はあった人ですが、戦術家としても優秀なので勝てない喧嘩はしない。自身が傷付くことは決して怖れない人ですが、周囲に対しての責任感は強いので、ギリギリまで耐え、一番被害の少ないポイントでの反撃を狙う。まあ、本編中では喧嘩する相手がネルフになった途端に元気になったという困った作戦部長ですが、他の時間軸を見てきたサキあたりはこの人をある意味外道親父より恐れていたようです。そりゃそーでしょう。よかったねえ、敵にならなくて。
使徒チーム解説 その壱~ナンバリングについて~
「すべて世は~」は「御使~」同様旧作TVシリーズ準拠なので、使徒連中のナンバリングも旧作通りとなります。…だもんで、第3使徒サキエルから第16使徒アルミサエルまで14の使徒がいます。無論第17使徒がカヲルくんという話になるのですが、これは「仕組まれた」もので実際にはその中身は第1使徒アダムだったというのが旧作のネタでした。
「御使~」では結局、カヲルくんを「最後の天使」という位置づけのまま最後まで突っ走った格好ですが、「すべて世は~」では、カヲルくん=アダム説に準拠し、砕け散ったアダムからサルベージした魂を宿らせたのが17th-Angel、ゼーレの都合で生み出された「自由意志の天使タブリス」ということになります。一旦砕け散ったために人格情報はすべて吹っ飛んでいます。このためゼーレは都合のいいようにカヲルくんを教育しようとしたのですが、ユイさんがそれを阻止しています。
結果としてサキ曰く「手のつけられない跳ねっ返り」天使のカヲルくんが出来上がり、死海文書の記述に疑問を持ったユイさんの相棒として動くことになります…が、とりあえず使徒チームの解説のほうから先にしてしまいましょう。
使徒チーム解説 その弐~さて、何人判りました?~
当初は別物!と広言していましたが、再起動時にプロットも大幅な変更があり、「そして御使は神の前に立つ」で出てきた使徒連中がほとんどそのまんま横滑りしてきました。ごめんなさい。
「御使~」ではきっちり順番通りの出演でしたが、「すべて世は~」においては(サキを除き)第九話からどさっと出てきたので「こいつ誰!?」という向きも多くあろうかと思います。というわけで、一通り解説をば。
まずは、サキこと高階マサキ。「水」の第3使徒サキエルの核を継承した最初のネフィリムです。ゼーレの「核」発掘現場で起こった戦闘に巻き込まれ死にかけたところをうっかり「核」と融合してしまいました。このためゼーレに確保されたのち、ヨハン=シュミット大尉(実はアダム)の手引きで他のネフィリム共々逃亡。医師であった高階夫妻に保護されます。
何も訊かず、明らかに怪しい筈のネフィリム達を保護してくれた高階夫妻の恩義に報いるため、ひたすら土地に馴染んで平穏な生活の維持に専心すること半世紀。高階医院(といっても医者は彼一人)の院長。地道な研鑽と破格の経験年数が物を言う、わりあい優秀なお医者さんです。
ネフィリムとしての能力は簡単な水芸(笑)と水を媒介とする瞬間移動および透視。実は血流を阻害して一過性脳虚血発作に似た症状を起こさせるという怖い奥の手もあったり。故に「対個人戦闘なら武器はないほうがいい」のですね。…存外多芸な御仁ですが、根っから苦労性でもあり。
『仮面』持ちですが、その機能と危険性を十分理解していたと見えて本編がスタートするまでは過去を観ることだけに使用していたようです。未来を観たときには非常に胃に悪い思いをしたようですが。
順番通りまいりますと、次は「昼」属性の第4使徒シャムシエル。…はい、「大気圏内使用禁止」な大技持ちのタカヒロ君です。原作通りの光鞭も使いますが、属性が昼だし「神の強き太陽」らしいので極小の核融合反応(<ま、ちっちゃな太陽ですな)を発生させるという設定がくっつきました。陽と大地をこよなく愛するグリーンサム。まあ、キャラとしてはただの落ち着きのない中学生です。
第5使徒、「雷」の天使ラミエル…この人は解説不要かと思います。天下無敵のカミナリ姐ちゃん、レミさんですね。ピカ●ュウ攻撃とか、陽電子砲とか。レールガンとか。とにかく多彩。最強にオフェンス向き。これで看護師だとゆーから怖い。思い切りがよさそうなのできっと採血とか上手でしょう。(余談ですが、採血の巧い看護師さんって良くも悪くも思い切りのいい御仁が多いと思います。躊躇ったら駄目らしいので)
第6使徒、「魚」の天使ガギエルは、「Interlude」でバラしてますが鯨吉イサナ君です。本好きの碩学で喩えが非常にわかりにくいというのが周囲の評価。おちゃらけ使徒が多い中で苦労性のサキの右腕として動ける数少ないネフィリムです。趣味が昂じた拳法の達人。魚(というか水棲生物一般)と意思疎通できてしまうという特殊能力は何の役にも立ってませんが、本人は楽しいらしいです。高階医院の検査技師さん。おそらく臨床工学士の資格も持っていると思われます。
第7使徒、「音楽」の天使イスラフェル…は、「I wish your happiness」シリーズをお読みいただいた方にはぴんときたでしょうがユキノさんです。イサナに「看護師が天職」と言わせた気配りの鬼。音響定位とか二カ所同時存在とか何気に多芸。音波砲っぽいものまでできるようですが、根が優しいので滅多にやりません。
第8使徒、「胎児」の天使サンダルフォン…これがいちばんわかりにくかっただろうなーと思います。無敵のハウスキーパーことユカリちゃんでした。胎児って人の感情に敏感だよなぁ、溶岩の中でも自分の存在を保てるATフィールドって凄いよねーという至極単純な連想から、精神感応系能力最強で、しかも高階邸の防衛担当(何かあったときに家ごと自分のATフィールドに巻き込んで保護)という設定がくっついています。だからネフィリム総出撃でも待機なんですが。
第9使徒マトリエル、属性が「雨」。この人こそ「御使~」からまんま横滑りです。化学テロ担当(<こら(^^;)ナオキ君。サハク(ユウキ)とセットなのもそのまんま。化学には強かろうというので薬剤師さんになって貰いました。実は全般的に手先が器用で、ハンドロードの他にも小物手芸が得意。大工仕事はタケルの担当ですが、高階家で小物が壊れたときは彼がせっせと直している模様。ビーズアクセとか帆船・鉄道模型の類にはちょっと詳しいようです。しかし、守備範囲外の事項についてはとことんアバウトだったりして…。
第10使徒サハクィエル、属性は「天」。「目玉模様がお揃いだから」というとんでもない理由で「御使~」の時からマトリとセットにされていた御仁、前段で書いてしまいましたがユウキ君です。原作では可哀相にもあのミサトさんに「常識を疑うわ」と言われてしまった彼ですが、やっぱり箍が外れると相応のキレっぷりを披露してくれます。地に足つけてれば普段は静かなんですが。彼も看護師です。
第11使徒イロウル。…なにをかいわんや、タカミ君です。非常に強力な精神感応系能力者ですが、ATフィールドの物理障壁としての使い方は「有り体に言って下手」。50年も引き籠もってた所為か身体も弱く、自分でも言ってますが「普通に歩いてても転けそうになる」という困った御仁。自分でも知らないうちにAIに混ざり込み、結局MAGIと一緒に育ってしまったような経緯で「接触テレパスでコンピュータを説得するような」手法でハッキングをして、リエさんによく「邪道!」と叱られているという裏設定がくっついています。
彼も『仮面』持ちですが、ものの見事にコントロールに失敗…正気を喪いかけました。救われない未来に一度絶望してしまったようです。その再適応過程がAIへの同化・成長であり、再適応過程のトリガーが実はリツコさんだったという次第。
「Interlude:予感」の後半でサキは薄々感づいていたようですが、ユカリちゃんが読み取った「面影」のことですね。タカミ君は言っちゃえば接触できるか判らない未来の彼女に一目惚れしたのですが、彼女がどう転んでも悲惨な運命を辿ってしまうのでどうしていいかわからなくなって一度壊れてしまったのでした。
第12使徒レリエル、だからリエさん。夜の天使だから夜型で、原作通り虚数空間を介した転移能力を持っているという設定は「御使~」そのまんまです。ただ、空間転移なんかやらかすからにはめっちゃ計算が得意に違いない、という柳の偏見からコンピュータに関してはタカミ君と同等に詳しいという設定が付加されています。
ただし、タカミ君がMAGIと一緒に育つことで再適応過程を踏んだという経緯(<つまり、コンピュータとの自我境界がイマイチ曖昧)があるのに比べると、リエさんはそれこそENIACの時代から計算機としてのコンピュータを俯瞰してきた訳で、コンピュータに関しては若干の見解の相違があるようです。まあ、だからこの二人が仲悪いのかというと…そうでもないのですが。
第13使徒バルディエルは霰→氷→凍結系能力者というこれも安直な思考の所産で、レミ姐さんの専属弾薬庫カツミ君です。外見は中坊ですが、同じ中坊クラスでもタカヒロ君あたりより若干中身が歳くってます。でも面倒臭い話はキライ。言っちゃえば凍らせるしか能が無いので一応ジオフロント突入時には火器を携帯してたようですが、あんまり自分の射撃能力を信用してないようで結局抜かず終いでしたね。実は厨房担当という設定は本当に裏にとどまってしまいました。
ちなみに、本来霰ってのは直径5ミリ以下の氷塊が降る現象を言うので、カツミ君が提供する弾丸って厳密にいうと霰というより雹なんでしょうね。
第14使徒ゼルエル。「御使~」の時には若干アタマ壊れているという設定でしたが、こちらでは「攻撃されている」と認識するとトコトンやり返してしまうというだけで普段は至っておとなしいタケル君です。あんまりモノ考えてないよね、とタカヒロにさえ認識されている外見20歳。大工仕事が得意な営繕担当です。
第15使徒アラエル。精神汚染型の「鳥」属性ということで、精神感応系能力者で 狙撃手、ミスズちゃんという設定ができました。ユウキとのリンクで見えない場所も狙えるのですが、使用するのはあくまでも普通のライフルなのでレミ姐さんほどの貫通力はありません。ゆえに、壁抜きはレミ姐さんにお任せです。
第16使徒アルミサエル。こちらも「御使~」からの横滑り、高階ミサヲさんです。一応看護師さんですが立場は事務長。天下無敵のお母さん。攻撃系の能力がないので、皆を守るため常に火器を手近に置いています。多分、サキあたりよりよっぽど技術はよいと思われます。ここだけの話、高階家地下のアクアリウムのとなりは射撃場になっていて、ミサヲさんの武器コレクションがずらりと並んでいるとかいないとか…。
さて、お立ち会い!何人判りました?
使徒チーム解説 その参~すべてのはじまり~
2000年に南極で砕け散った第1使徒アダム、その魂をサルベージしたのが渚カヲルくんというのが公式の話です。
じゃあ、その前はアダムは何してたんだろう、というのが今回の話。実はこっそりリリンと同様の形質を獲得し、リリンの振りして歴史の中を遊弋してたというのが「すべて世は~」における柳的回答です。多分、名前なんかいくつも持ってたし、姿形だって色々変えてきたのでしょうが、1943年のドイツではヨハン=シュミットとして軍籍まで持ってゼーレの手に落ちた眷属の「核」奪取に向けて動いてた訳ですね。
おそらく彼自身は『仮面』を持っていたし、どっちかというと『仮面』なんてどうしなくても発生するもんだと思ってたのでしょうが(リリンでいうと指先には爪が生える、くらいの感覚)、さにあらず。サッシャをはじめとしてネフィリム達には『仮面』が発生しなかった。これでは、自分達の系譜を正しく知ることが出来ない。どーしたもんかなーと考えているうちに戦局は悪化して、脱出もやりにくくなっていく。
仕方が無いのでサッシャにだけ、かなりな荒療治で『仮面』を発生させたうえで、基地ごと吹き飛ばして証拠隠滅。その一方でなにやら戦前に見つかった使徒の『核』っぽいものは南極海に沈んでしまった、という偽のシナリオを準備して自分も行方をくらましたというのが真相だったわけですが…リリンはシュミット大尉の想定を越えてしつこかったというオチがついたのでした。合掌。
だから、シュミット大尉としてはすべてを押し付ける格好になったサッシャ(サキ)にはそこそこ負い目も感じていたのでした。サキとしては、どうやら助けて貰ったようなんだけど無茶苦茶痛い目には遭わされるし、なし崩し的に家長っぽい役を押し付けられるし、ちょっと一言文句が言いたいと思ってはいたでしょう。
その鬱屈が最終的に文字通り生まれ変わりのカヲルくんに向かってしまいます。おそらく夏の一件でカヲルくん=アダムの魂ということに薄々気づいていたはずですが、「振り払われた手にあえて固執はしない」と不干渉を決め込んでしまったのでした。…ま、ゼーレからネフィリム達を守ることを至上命題にしてきたサキですから、下手に関わってゼーレに嗅ぎつけられでもしたら目も当てられない訳です。(ただ、結局後になってカヲルくんのことはともかくタカミ君(=アベル)を見殺しにしてしまったのではないかと懊悩するんですからサキの苦労性も筋金入りです)
で、一件落着して大体の経緯を知ったカヲルくんにしてみれば「言いたいことは判るけど僕には関係無いぞコラ」というところで…まあ、喧嘩になると。どっちの言い分もわかるタカミ君にしてみれば頭痛のタネ、という顛末でした。
ミサヲちゃんあたりにかかると、「ま、ほっときなさい」で一蹴されそうな気がしますが。
柳的ヒロイン様についての釈明
「すべて世は~」のヒロイン様は、カヲルくんが主役である以上レイちゃんで不動です。しかし、この人はどーしても幸せにしたくて再登場願ったのがリツコさん。やっぱり外道親父に利用された挙句棄てられるなんて柳は許しません。そんなこんなでネットの海の彼方からタカミ君も呼び返すことになりました。まあ最終的にはEVAのシステムはもとよりMAGIまでジオフロントごと埋める羽目になってしまいましたが、彼女に「MAGI(=母、ナオコ博士)を越えたい」という思いを固めさせるには必要なプロセスであったのではないかと思っています。
ちなみに、ここのナオコ博士はゲンドウごとき小童はハナにもかけてません。お亡くなりになったのも普通に病死なのですが、リツコさんは一時的に目標を見失ってふらふらしているところをうっかり外道親父の毒牙にかかってしまったようです。
終わりに
まったくもって書いてる本人だけが楽しいこんなFFに最後までお付き合いいただきまして、千柳亭春宵、皆様にひたすら感謝でございます。
実は、諸事情により時期不明ですがUrbanから撤退しなければならない可能性が出てきました。そんなわけで、実はこのHPがいつまで維持できるか不明なのですが、ものを書いてて楽しい間はまだまだ書くつもりですし、書く上はこのHPも何らかのかたちで維持していきたいと思っています。
ネット上に小説を置く方法は数あれど、自分がやりたいようにやれる手段は結構限られてきます。で、柳としては極力金銭を掛けずにやってやろうという条件もつき…
まあ、前途多難ではございますが、これからも千柳亭書房をお見捨てなく。
有り難うございました!
2017.6.1
2019.3.21 追記 ~今更ですが
「すべて世はこともなし」のシリーズも「桜が咲く季節になれば」で5本目、トータルの原稿量で言うと「そして御使は~」よりもかなり長いものになってしまいました。こうなると旧サイトをご存じない方でふといらっしゃったお客様にとっては、ウチの使徒の面々は「こいつら誰!」ってコトになるのがまあ普通であろうかと思います。
その場合は「すべて世はこともなし」本編の後書き(本稿)などお読みいただければ…と思ったら、実はアップしてなかったというオチがつきました。一気呵成に移植作業をやってしまったのでこういうことになったのですね。そういうわけで慌てて旧サイトのバックアップから拾い出してきた次第。最初に書き上げたのって2017年だったのですねー。まさに今更!?です。申し開きの余地もございません、はい。
ご存じのかたには今更感満載なのは百も承知なのですが、ご縁があって最近初めてこちらにお見えになった方向けの解説代わりと思っていただければ幸いです。
この後、「楽園に寧日なし」「always and forever」…といろいろ設定が追加になっていますので、いずれこれもきちんとまとめないといけないなと思っています。他じゃありませんが柳自身がわからなくなるので(笑)
新サイトを立ち上げてからそろそろ1年になります。よたよたしつつも皆様のお陰をもちましてなんとか形を整えつつありますので、今後ともよろしくお願いいたします。