Episide-1

　寝室はまだ空だった。マリクはともかく、シェインはおそらくまだ考えごとか調べ物というところだろう。

ケイはごくストレートに途方に暮れていたし、シェインは再び苦虫を噛み潰したような表情でその人物の挙動を観察していた。

　アウレリア＝アルフォードは、応接間のソファに身を落ち着けている横着な客人を眺め遣った。

　そこにはケイの頭部に銃口を擬したFIO長官…アウレリア＝アルフォードの姿があった。「悪い、シェイン…。この姐さん、鬼みたいに強いや」

────ＦＩＯ本部ビル。　シェイン・Ａ＝リスト連邦軍情報部少佐は、仮眠から覚めた。

シェインが自室で目覚めたその時、事件は既に始まっていた。