このお話について、言い訳。
サーティスの昔話・ノーア篇。
セレスに振られた傷心引きずってギルセンティアを越えたサーティスが、マキちゃんに逢う話ですね。ぶっちゃけ、小生意気な紫の上。後の飛燕公主にして颯竜公妃リュシアン・ミアレスです。
このあと彼女はサーティスと一緒に大陸中を旅して回ったり、イェンツォで「レガシィ」と接触してその知識に触れたりするわけですが、その根っこは「強くなりたい!」という真っ直ぐな想いです。そこのところでリオライに強く共鳴してたのですが、サマンという出身では彼の許に居続けることはできない。じゃあ、自分は自分の方法で強くなってやる!と雪の中へ飛び出してしまいました。
リオライは彼女がそのまま死んでしまったものと思っています。状況的には無理もないのですが。
ここから本編へつながっていくわけですね。そのくだりは「王都暮色深く、雪催」「風の如くに」あたりのお話になります。(2021年中にはアップしたいなー、と……言うだけならタダ)
「西方夜話」の“紫電竜王”・愁柳殿下も再登場。夏に生まれたという彼と銀姫将軍ナルフィリアスの息子がロキことロクティシウス……ということになるのですが、これは後年の話。
マキちゃんにこっそり「おとうさん」とか呼ばせてる殿下、実は女の子が欲しかったのかも知れません。実の娘同様に、本当はもっと世話を焼いてあげたいところのようですが、当のマキちゃんは世話を焼かれるよりも焼くほうが得意ときたものです。ままならないもんですね。
この愁柳殿下、「西方夜話」ではナルフィを巡って異母弟・桂鷲と大喧嘩、危うく片腕失うところでした。その時の縁でサーティスには大層恩義を感じているのですが、この竜王サマは表現が少々独特なのでサーティスにとってはルアセック・アリエルⅤ世に次いで苦手な人物だったりして……。
で、この次「楽園の夢」は、いよいよそのルアセック・アリエルⅤ世陛下が出御になります。
今回、実は視点が切り替わるごとにページを区切ろうかとも思ったのですが、少々しろしい(当世風に言えば……ウザい、といったところでしょうか)のでやめました。ようやく再利用ブロックの使い方も判ってきたところですので、今まで通りの小説区切り***(アスタリスク3つ)を使用しています。
今回はメインがサーティス、途中でマキちゃん、突発でリオライの視点も入っている仕様ですが、概ねサーティスがぐだぐだやってるのでその度にページを切り替えるとちっとばかりバランスが悪かったというのもあります。
WordPressに新たな機能が追加されるごとにちょっと取り入れてみたくなるのが柳の悪い癖です。一歩間違ったらページをわやにしてしまうというのに……。
ともかくも、ご意見ご感想などいただけますと幸甚です。
2021.7.10
千柳亭春宵 拝