Scene 3  Stormy Heaven

L.C.L.


 シンジとアスカは荷物を置いた後、レイとユカリに連れられて海へ出た。シンジはカヲルが一緒に行かないのを少し気にしたふうではあったが、少女たちに押し切られる。カヲルはカヲルでそれを涼やかな微笑で見送るから、シンジとしてもそれ以上何も言えなかったようだ。
「ほんと、見てて飽きないわねあんたたち」
 カヲルが玄関からリビングまで戻ったとき、ソファに座を占めアイスティの饗応を受けていたミサトから苦笑混じりにいわれて、憮然とする。
「そうですか?」
 カヲルの正体を知る前も、知った後も、ほとんど態度の変わらないこの教師にカヲルは一目置いていた。だから、子供に対するような彼女の言葉にもあからさまな反発はしない。
「一段落ついて最近少しは表情に余裕出てると思っていたけど…まあ無理ないか。でもね、渚くん。あなたひとりでピリピリしたっていーコトないわよ? あなたはもう、ひとりじゃないんだから…もう一寸のんびりしてなさいよ。ホラ、眉間に縦皺」
 眉間に指先を当てて笑うミサト。ついにカヲルが苦笑した。
「…春にも別の誰かから同じようなことを言われてるんですけどね」
 そう言ってカヲルがソファのひとつに座を占めると、スツールに座を占めていたイサナが立ち上がって来客二人を眺め渡し、言った。
「では改めて。鯨吉ときよしイサナだ。イサナでいい。サキが不在の間は俺が責任を持つ。…葛城ミサト一尉と、加持リョウジで間違いないな?」
「一尉は勘弁して、一応もう軍籍抜けてるから。今回はバイトなの。バイト」
 ミサトが苦笑しながら、片手をぱたぱたと振る。
「…では、葛城教諭と?」
「いや、だから教師でも無いけど、今は。いーわよ、ふつーに葛城で」
「わかった。…では状況を。サキから貰った連絡では、デコイ組が猟に成功。ミスズに読ませたら、日本重化学工業共同体の名が出た」
「…あんまりご縁がありませんね。何の会社です」
 タカミが怪訝そうに問うと、ミサトが面白くもなさそうに言った。
「兵器中心の企業体ね。だから主に軍部寄り。保守の牙城」
「概ね、ゼーレがらみの利権とは縁遠かった連中だ。それが、ヴィレ結成に際して一枚噛んだことで意味も無く幅を効かせている…というのが、ユイ博士の説明だった」
 カヲルが質問した。
「その連中は、どの程度のコトまで知ってるの」
「ネルフが危険な生物兵器を開発している、程度の認識しかないだろうと。ヒトの起源が何処にあるのか、等という話は完璧に興味の外だろう」
「危険な生物兵器ねえ…いやま、ある意味否定はできないけど。いい加減ほっといて欲しいなぁ」
 タカミがうんざりしたようにソファに身を沈める。
「一歩間違えたら地球が滅ぶとか思わないのかしらね。冬にあれだけのことが起こった直後だってのに」
「なべて兵器開発するような連中の頭の中にそんなものはないだろう。さらに言えば、第二東京に本拠を置いている連中なら、冬の事件は全くの対岸の火事だろうな。全く以て迷惑千万だ。
 本来が重工業系の企業だが、うまい話と思ったか多角経営に乗り出したらしいな。だから、ノウハウもないのに旧ネルフの資料をかき集めて基礎実験を始めているようだ。ジオフロントは埋まったが、欧米の支部にも僅かではあるがサンプルが残っていたらしい。
 それで俄に何が出来る訳でもないだろうが、やはりカヲル、データを取られているお前とお嬢さんは狙われているようだ」
 カヲルが流石に目許を険しくする。
「…それで…ここも危ないかも知れないっていうのに、シンジ君達を巻き込んだユイ博士は何て?」
 イサナが一瞬、言い淀む。そこを、ミサトが引き取った。
「おばさま…じゃない碇博士としてはね、あなたたちをただ逃げ隠れするばかりの立場に置くことは反対なのよ」
 ささくれだった雰囲気をまとわりつかせるカヲルを宥めるような口調であった。
「…いやまあ、思い切った手段といえばそーなんだけど…言っちゃえば示威行動デモンストレーションなのよね。…あんたたちに手を出すってことは、碇ユイ博士を真っ向から敵に回す覚悟が必要だと」
「その為にシンジ君を?何てことを…!」
 イサナの当惑を、カヲルはようやく理解した。
「私だって聞かされたときには吃驚したわよ。幾ら何でも思い切りが良すぎだわ。そりゃ効果は120%でしょうけど、リスクが半端ないもの。
 …でも、『そのためにミサトちゃんにお願いするの。シンちゃん達をよろしくね』って、私もこんなものまで返してもらっちゃって」
 ハンドバックからH&K USPを取り出すと、テーブルに置く。ネルフを制圧するための実働部隊へ参加したときに使っていたものだ。
「『他に必要なものは何でも揃える。場所が場所だから少々派手にやっても大丈夫。寄せ手のほうにどれだけ被害出してもOK』
 …とか、いつも通りに笑いながら眼が笑ってなかったわー…碇博士は本気よ。どっちかっていうと、向こうが仕掛けてくるならこれ幸い、逆に一発入れてやれってくらいの気合いね。場合によっては、ヴィレ内の敵対勢力を削ぐチャンスくらいに思ってる可能性もあるなーって…
 ごめん、これは私の感想」
 カヲルが深く吐息した。
「…そういう女性ひとでしたよね。確かに」
 イサナはまだ釈然としないというふうで、カヲルを見遣る。
「碇博士が大した女傑なのは知ってたが、巻き込まれる息子はたまるまいに。…どうする、事情を話して帰らせるか?」
「あ、あのね」
 H&K USPをしまいながら…やや言いにくそうに、ミサトが言葉を継ぐ。
「シンジ君、今回ここに来るときに、おばさまから『カヲルくんやレイちゃんを護ってあげてね』とか焚き付けられてるみたいで…たぶん、帰れっつっても聞かないわよ」
「…は?」
 開いた口が塞がらないカヲルの様子が余程可笑しかったのか、ミサトが吹き出す。
「葛城先生!」
「ごめんごめん、つい…いやもう、コトここに至ったら肚括るしかないんじゃない? シンジ君、あれで結構強情よ。説得するのは無理だと思うわ。
 大丈夫よ、今回の相手はマッド親爺じゃなくて目先の利益に目が眩んだ企業だもの。…まあ、傍迷惑なことにかけてはいい勝負かもしんないけど、動きの予測が付かない連中じゃないわ。シンジ君達の護衛ガードは私に任せて頂戴。
 なんせ今回は上役が実に融通効かせてくれるから、私としては何も怖いもんないのよね」
 豪快に笑うミサトに、苦笑するしかないカヲルだった。
「…お願いします、葛城先生」
 イサナはそのやりとりを静観していたが、とりあえずカヲルが了承したと判断したか、口を開いた。
「もうひとつ、気になる件が。日本重化学工業共同体の件と直接に関わるかどうかはまだ不明だが、ゼーレに関してだ」
「機能を停止している、って話よね?」
「ゼーレ、という機構そのものが消滅したわけではない。経済機構としてのゼーレがある日突然消滅したら、本来世界恐慌では済まない…というのは、やらかした本人も一応わかってたらしくてな」
 イサナが言葉を切る。その意味を正確に理解したタカミが顔を上げた。
「経済機構としてのゼーレの姿はそのまま、人類補完委員会とか人工進化研究所への資金や指示の流れをストップさせる。僕はそう仕組んだ。
 ゼーレの最高メンバーは一人の例外も無く、生存に器械補助が必要な老人たちだった。そのコミュニケーション手段もエイド機器なしに成立しない。その機能を統合していたのはマギタイプと呼ばれるMAGIのマイナーモデルだった。具体的には数種類のウィルスを潜り込ませた。無論防壁はあったけど、その程度の細工は難しいことじゃなかった。…あの時の僕にはね」
 言外に、DISチップでMAGIに繋がれていた時の自分なら、ということを言おうとしているのは明白だった。
「だが、この数日…キール議長が活動を再開しているという噂が流れている」
 イサナの言葉は、瞬時に部屋の空気を氷点下近くまで下げたかのようだった。
「…ちょっと、夏だからって怪談は勘弁よ?」
 やや顔を引き攣らせたミサトが、ようやくそれだけ言った。
「死んでた訳じゃないから、怪談にはならんと思うが」
「イサナ、そこ真顔で切り返すところ?」
 タカミが苦い顔で言ってから、一度呼吸を整えて問う。
「…活動再開ってことは、いままでの経済機構としてのゼーレを維持する以上の動きが出始めたって解釈していいのかな?」
「それが、実際に起きて動き回っているらしい。そして、冬の一件を調べていると」
「…やっぱ怪談じゃない。死にかけの爺さんだったはずでしょ? いきなり若返って元気に動き回るなんて」
「怪談のほうがまだましという話にならなければいいが。
 今のところ具体的に何か危険を匂わせるような動きがあるわけではないが、冬の事件を調べているというなら、俺達についても何かを掴んでいる可能性がある。それについてはリエがまだ調査中だが、とりあえず気をつけろと」
「何をどう気をつけたものでしょうね」
 微妙に蒼い顔の下半分を手で覆うようにして、タカミが呟く。自分で真偽を確かめたくても出来ない苛立ちを押さえるのに苦慮しているふうだった。
「全くだ。武器商人どものほうがまだしも明快で対処しやすい。ともかくも、此処までが、サキから連絡があった現状だ」
「後半の話は私がどう気をつけたって対処出来そうな話じゃないから、お任せするわ。私、怪談は苦手なのよ」
「了解した。…あぁ、周囲の地図がここに。あなたに渡しておけと言われている」
「さっすが、わかってるぅ」
 嬉々としてイサナから地図を受け取り、ミサトが目を走らせる。
「ふうん、本当に周りに人家ないのね。おまけに道はこれだけか。ここに来るまでの山肌を見る限り、道じゃないところを大人数で通り抜けるのは難儀そうだったし…一応道を警戒しとけばいいのか。あとは海? ああ、いちおうマリーナがあるのね。何となればここから撤退もアリなわけ?」
「想定はしている。封鎖されやすい陸路よりは、海から撤退する方が自由度は確保できるからな。まあ、そうならないことを祈ってる。一応、このコテージは気に入ってるからな。できるなら吹き飛ばしたくはない」
「…あ、成程ね」
 此処を脱出しなければならないような事態になったら、すべてを消し去ってからというのが前提なのだ。相変わらずの徹底ぶりだ。
「了解よ。じゃ、ちょっとその辺を見て回ってくるわ。いい?」
「このコテージの周囲は俺達で一応網を張ってる。侵入者があれば連絡しよう。何もコトが起こらなければただの休暇、ということに関してはあなた方も同じだから、自由に動いて貰って構わない」
「ありがとう。あ、これいただいてからいくわね」
 立ちかけて、ミサトがテーブルの上の凍らせたカットフルーツにフォークを突き刺す。緊張した面持ちのまま飲み物にすらあまり口を付けていない同伴者に比べると、隣家に遊びに来た程度のテンションである。
「相変わらずですねー葛城さん…」
 感心した、というより些か呆れたふうのタカミに、ミサトは堂々と言い放った。
「しなけりゃならないことがはっきりしてるなら、うだうだ悩まなくていいものね。食べられるときに食べといて、眠れるときには寝とく。これ基本よ?」
「うわぁ明快…」
「ところで榊君、その首はどーしたのよ。キスマーク隠すんならもう一寸巧くやんないと」
 タカミの襟元に当てられたガーゼを見咎めたミサトが、二つ目のパインを刺しつつ言った。タカミがアイスティのグラスを危うく取り落しそうになって、慌てて持ち直す。
「あらぬ誤解を招くようなコトをさらっと言わないでくださいよ。寝惚けて引っ掻いちゃっただけですって。見ます?どっちかっていうと吉川線1ですよ。…痛てて」
 ガーゼはまだ傷口に張り付いていたようで、剥いだ瞬間にタカミが顔を顰める。ガーゼの下の傷を見たミサトが眉をひそめた。
「結構酷いじゃない。寝惚けてそこまでやる?」
「何だか、最近変な夢ばかり見てしまって。…これでもだいぶきれいにはなったんですけどね。潮風にあたるとピリピリするんで覆ってるだけです」
 からかうような軽さが消え、不意に低く抑えた声でミサトが問うた。
「…ひょっとして、思い出すの?」
 ガーゼを当て直すタカミの手が停まる。
 故意に省いた目的語が、昨夏の情景を指しているのだと理解するのに、それほど時間を要した訳ではない。それでも、タカミは暫く返答ができなかった。
「…葛城さんって…結構無駄に鋭いですよね」
「勘はいい方だと思ってるわよ。それと、無駄って何、無駄って」
「すみません、とっても鋭いです」
 それ以上触れるつもりはなかったようだ。ミサトが不意にそれまでのトーンを放棄して、意地悪げに睨んでみせる。
「そーいえば聞いたわよ。今、リツコんとこで助手してるって? すこしは進展してるわけ?」
「し、進展って…!」
 思わぬ方向に話が滑ってしまい、タカミが無惨なほど吃る。大体の状況を察したミサトは仕方ないなぁ、といったふうに吐息した。
「その様子じゃあんまりしてなさそーね?」
「進展するも何も…あのひとにとっては、僕はただの助手ですから…どうにもなりようがないでしょ」
「これでも一応期待してるんだけどねぇ…」
 完全に面白がっているミサトから視線を逸らして、タカミがぼやく。
「誰に何を期待してます?他人事ひとごとだと思って無茶言うんだから…」
 からかうのにも飽きたか、ミサトがブルーベリーを口に放り込んで立ち上がった。
「じゃ、そろそろいってみようかな…そうだ、鯨吉ときよし君?」
 そのイサナは空いてしまったグラスをキッチンへ運んで帰ってきたところだった。
 同じ部屋にいて、同じ座に居て、余の者が全く予測出来なかったタイミング。ミサトの拳がイサナの頭部に向けて放たれる。
 だが、イサナは正確にミサトの拳を躱した。
 イサナは躱しざまミサトの腕を捉えたが、投げに持ち込む前に崩される。ミサトが身体を反転させて放った蹴りも鍛えられた前腕で完璧に防御ブロックされてしまった。…と、ミサトはあっさり後退バックステップして両手を挙げてみせる。
「まいった。降参!」
 イサナが憮然として防御の姿勢を解く。
「…荒っぽい試験だな」
「ごめんねー。高階君が、『イサナがいるから大丈夫とは思うが、あなた方を行かせるのは碇博士の指示だから』って、実に仕方なさそーに言うから…どれ程のもんだか試してみたくなって。
 いやほんと、高階君が言うだけのことあるわぁ」
 からからと笑うミサトに、浮かしかけた腰をソファに戻した者2名。
「葛城、お前な…」
「あー吃驚した。何が起こったかと思いましたよ」
 カヲルはと言えば、リビングを出かけていたから立ったままではあったが、呆れたように言った。
「葛城先生、無謀ですよ。もしイサナが本気出してたらどうするつもりだったんです?痛いじゃ済まないコトぐらい想像つくでしょう」
「いやまあ、高階君が言ったとおりの御仁なら、こっちが本気かどうかくらい判るだろうなー…と思って」
 実に気楽に言い放つものだから、傍らの加持が頭を抱える。
「思い切りのいいところは相変わらずですね。…そういうところをサキも信頼してるんでしょうけど…あまり無茶しないでくださいね」
「心配してくれてありがと」
「じゃ、僕はレイ達の様子を見てきますよ」
 カヲルが出て行くのを見送り、ミサトが溶けかかった最後のプラムを頬張った。
「まあ、随分マシになったかなぁ、彼」
「…そうなのか?」
 ミサトの感慨に、イサナが率直な疑問をぶつけた。
「俺達はジオフロントから戻って以降のカヲルしか知らないからな。年齢不相応に老成してるなとは思ってたが」
「…あれを老成してるとか言っちゃうのもどうかとは思うんだけどね。
 以前の彼には、レイちゃん以外の何も無かった。逆を言えば、レイちゃんさえ無事なら世界なんて崩壊しちゃっても構わない、くらいの闇を抱いてた感があったけど…
 ま、大事なものが増えるってのは、悪いことじゃないわよね」

 カヲルが桟橋に上がって見回すと、シンジは浜遊びを満喫する少女達を遠目に眺めつつ、パラソルの下でぐだれていた。どうやら既に一度海に引っぱり込まれて散々な目にあったものの、ようやく解放されたというところらしい。
「愉しんでる?」
 カヲルが浜に降り、シンジの傍らに腰を下ろすと、シンジが苦笑いで応じた。
「はは、まぁ、それなりに。…話、終わったの?」
「まあね…。ごめん、シンジ君。…なんだか、巻き込んじゃったみたいで」
「ううん、僕に出来ることがあるんなら、何でも言ってよ!」
 両眼を輝かせながら勢い込むシンジに、カヲルはミサトの話が掛け値なしの真実であることを再確認させられることになった。
 碇ユイ博士の決意も心配りも有り難くはあるが、さりとてシンジが怪我をするような事態になってはと思うと、却って枷を嵌められた気もする。
 …あるいは、それも計算の内か。そう思うと、高階マサキがユイ博士に一目置きながらも警戒を解かない理由が何となくだが理解るような気がする。
 それでも、碇ユイ博士がレイや自分カヲルを実子同然に思ってくれていることを疑うつもりはなかったが。
『生きていこうと思えば、何処だって天国になるものよ。大丈夫、皆一緒に生きて行けるわ』
 ユイ博士の口癖だ。天国か。何とも、嵐の如き天国Stomy Heavenではある。次から次へと、波乱の種子たねには事欠かない。
 それでも一年前の夏とは明らかに違っていた。レイを護るのに一杯で、何も見えていなかったあの時とは。
 様々なものが見えて、様々なことが気に掛かる。それがいいことなのかそうでないのか、実はまだよく判らない。だが、おそらくそれが『ひとりではない』ということなのだろう…と漠然と思うようになっていた。
 波打ち際で、レイがカヲルの姿を認めてちぎれんばかりに手を振る。
 つい懐疑的になるカヲルとは対照的に、レイは羨ましいほどに屈託がない。今回の一件については一応の説明をしてあるものの、『皆一緒だから、大丈夫よね?』とあっさりしたものだ。
 ユイ博士のように肝が据わっているというよりも、言ってみれば根が楽天的なのだろう。しかし、カヲルとしてはレイにはそのままで居て欲しかった。
 レイには笑っていて欲しい。ただ、それだけ。
「…愉しもうか、皆で」
 光に満ちた波打ち際へ手を振り返しながら、カヲルは微笑った。

  1. 吉川線…法医学や鑑識の用語で、絞殺や扼殺された際に出来る、首に走る傷の名称。コナンも使ってましたね。