王都暮色深く、雪催

冬の森、雪催

  大陸暦899年 シアルナの中月。国王逝去、前宰相の負傷、15歳の新王登極。講和成立と戦後処理のためにリオライは宰相となる。
 講和が成って間もない王都は、いまだ冬女神シアルナの袖のなかにある。そして例年に無く雪が多かった。
 喪ったものの痛みに耐えながら責任を果たそうとする宰相リオライと新国王リュース。だが、ぎごちなさは拭えない。

 そんな中、ミティア襲撃事件は起こる。
 アリエルを止められなかったことで悲嘆に沈んでいるミティアを狙ったのは誰か。心無い噂を撒いたのは誰か。政務に追われながら、リオライは憂う。増大するリオライの負担を憂慮する側近達。

 王都暮色深く、雪催。光は、まだ見えない。

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「風花の賦」として番外編に入れていたお話ですが、リライトしてるうちに(例によって)膨らんでしまいました。おまけにがっつり本編寄りになってしまったので、こちらに組み入れることになりました。

 雪の王都に「彼」が帰ってきます。いよいよ本編登場。このために「巣立ちの唄」シリーズを先に上げといたんですよ。

2021.12.12

千柳亭春宵

 2022/01/08 追記…このお話の裏側が「風花の賦」になります。