風の如くに

 シェノレスとの講和締結後1年。ツァーリはようやく落ち着き始めた。
 国の再建に心血を注ぐリオライだが、王都は味方ばかりではなかった。「豪奢な檻の中で獅子が緩々と弱っていく」かのような有様を、側近たちやエルンストは憂う。そしてまた、叛乱の火種を煽るような噂がリオライを辟易させていた。
 立ち直りかけたツァーリを二つに割りかねない擾乱の火種は潰さねばならぬ。エルンストは探索に乗り出す一方で、リオライの負担を減らすためには根本的な解決が必要だと感じていた。

 「篝火は消えない」本編最終章。

 「篝火は消えない」ツァーリ編 最終章です。やっとこさここまで辿り着きました。

 リオライは、果たせなかったアリエルとの約束ーツァーリの平穏ーを取り戻すためにまだまだ奮闘中。ミティアちゃんの件は落ち着いたのですが、その他諸々問題山積で些か…というよりかなりお疲れ気味で周囲に心配されてます。

 タイトルは旧版から変更なしですが、リライトしたことでプロットに大幅な変更があり、しかもキャラ増えた分だけ話が膨らんだもんだからファイルは鬼のように大きくなってしまいました。原稿用紙換算で150枚はいってます。本筋だけでコレですから、これにエルンストとセレスの話まで盛ったら本当に収拾つかなくなってしまうので、二人の話については「巣立ちの唄」で締めくくることにします。

 まずは、ご高覧に供します。ご意見、ご感想等頂ければ幸い。

2022/01/30

千柳亭春宵