陽光消ゆ

篝火は消えない

陽光消ゆ Ⅴ

百数十年前、ツァーリが周辺4国を押さえたときからの懸念。それは、ほかならぬその国々の連帯であった。 例えばシェノレス。過去に何度も反乱を起こしているが、いずれも散発的なものでツァーリの本土はおろか、総督府も落とせないままに鎮圧されている。シ...
篝火メインストーリー

陽光消ゆ Ⅳ

早まらせてはならない。何とか、獅子帰還の報を王太子ツェサレーヴィチに伝えなければ。 天窓を叩いた鳥が、鴉などではない…鷹…それも、リオライ麾下のシェラが使うエルウであることに気づいたとき、アレクセイ=ハリコフはもはや向き不向きを言っていられ...
篝火メインストーリー

陽光消ゆ Ⅲ

夕刻のような曇天の下、一触即発の空気が満ちていた。 つい先程、王都の森の中で落雷でもしたかというような轟音が鳴り響いた。その正体を確かめるべく、随所で衛兵隊のみならず貴族の私兵団の伝令が駆け回っている。そんな中で王都に入ったリオライは、サー...
篝火メインストーリー

陽光消ゆ Ⅱ

「リオライ様ぁ――――――っ!!」 薄明の王都北面。王都守備隊の検問を通過したリオライの一行は、不吉な茜色の朝焼けの空の下、王城の方向に騎影を見た。「ユアスか!」 リオライが手綱を引く。果たしてその騎手は彼が王都へ先発させた部下の一人、ユア...
篝火メインストーリー

陽光消ゆ Ⅰ

少女は、物心ついた頃からその邸にいた。 周囲には乳母や教師など世話をしてくれる大人の姿はあったが、父親なり母親なりの話を聞くことはなかった。ただ、『お館様』といわれる絶対的な主人が存在し、自分が此処で養われていることはその『お館様』の意向で...
篝火メインストーリー

陽光消ゆ

「願わくば…私が詔書を紙屑にしないよう振る舞えるといいのだけれど」王太子アリエルはその言葉を成就させる。陽光消ゆ。アリエルの覚悟を背負い、リオライは宰相と対峙した。