篝火メインストーリー 陽光消ゆ Ⅲ 夕刻のような曇天の下、一触即発の空気が満ちていた。 つい先程、王都の森の中で落雷でもしたかというような轟音が鳴り響いた。その正体を確かめるべく、随所で衛兵隊のみならず貴族の私兵団の伝令が駆け回っている。そんな中で王都に入ったリオライは、サー... 2020.08.10 篝火メインストーリー陽光消ゆ
篝火メインストーリー 陽光消ゆ Ⅱ 「リオライ様ぁ――――――っ!!」 薄明の王都北面。王都守備隊の検問を通過したリオライの一行は、不吉な茜色の朝焼けの空の下、王城の方向に騎影を見た。「ユアスか!」 リオライが手綱を引く。果たしてその騎手は彼が王都へ先発させた部下の一人、ユア... 2020.08.09 篝火メインストーリー陽光消ゆ
篝火メインストーリー 陽光消ゆ Ⅰ 少女は、物心ついた頃からその邸にいた。 周囲には乳母や教師など世話をしてくれる大人の姿はあったが、父親なり母親なりの話を聞くことはなかった。ただ、『お館様』といわれる絶対的な主人が存在し、自分が此処で養われていることはその『お館様』の意向で... 2020.08.01 篝火メインストーリー陽光消ゆ
篝火メインストーリー 陽光消ゆ 「願わくば…私が詔書を紙屑にしないよう振る舞えるといいのだけれど」王太子アリエルはその言葉を成就させる。陽光消ゆ。アリエルの覚悟を背負い、リオライは宰相と対峙した。 2020.08.01 篝火メインストーリー陽光消ゆ
獅子帰還 獅子帰還 Ⅳ ツァーリとノーアを隔てる大山脈ギルセンティア。それを縦断する街道上にあるカウールの関。ここでひとまず彼は足を止めた。情報収集をするためである。前もってリオライが放った部下からの情報が、使い鳥たちによって続々と集まってくるのだ。 胸中に燠おき... 2020.07.31 獅子帰還篝火は消えない篝火メインストーリー
獅子帰還 獅子帰還 Ⅲ リオライは結局その後もサマンが蠢動する季節はノーアに身を置いた。その間対サマンの戦で実戦経験を積み、ノーアの将としての名を確固たるものにしていく。そして、そうでない時期はナステューカにいた。 アリエルはリオライがナステューカにいる間はリオラ... 2020.07.25 獅子帰還篝火メインストーリー
獅子帰還 獅子帰還 Ⅱ ツァーリの王都・ナステューカの中央部は鬱蒼たる森におおわれている。ゆえに「緑砦」と呼びならわされてきた。 叛乱勃発より十数年前。国王に嫁するため、一人の姫が南の国シェノレスから連れてこられた。男児を産み、「緑砦」の中に館を与えられたが、数年... 2020.07.23 獅子帰還篝火は消えない篝火メインストーリー
獅子帰還 獅子帰還 Ⅰ 辺りは、いまだ冬の女神シアルナの白い袖に覆われている。早春の陽光はまだ弱い。だが、雪渓はその僅かな光を受けて燦然と輝き、眩しくさえあった。 その只中に、二人の人影がある。二人ともノーアの衣装に身を包んでいたが、ノーアでは稀とされる黒髪であっ... 2020.07.22 獅子帰還篝火メインストーリー
篝火メインストーリー 獅子帰還 ノーアで育った宰相家の後継・リオライと、シェノレス出身の妃を母に持つ異例の王太子アリエル。二人は出会うことでそれぞれの進むべき道を見つける 2020.07.22 篝火メインストーリー
篝火は消えない 篝火は消えない Ⅴ 崖下に繋がれていた小舟が、明け始めた空と海の間に滑り出る。 それまで押し黙っていたレオンが、絞り出すように呟いた。「俺にはわからないよ。・・・何故、何が待ち受けているか目に見えてる王城なんかへ戻って行くのか。 そうまでして護らなきゃならない... 2020.07.19 篝火は消えない篝火メインストーリー