風の如くに Ⅲ

 床、壁、天井、浴槽に至るまで精緻な切嵌細工モザイク陶板タイルを敷き詰めたその浴室は、ツァーリの様式とは異なるものだった。
 砂漠の中のオアシス、シルメナの国都メール・シルミナは潤沢な水源に恵まれ、王城や神殿はそこから得られる豊富な水流と、その恩恵に浴した緑をふんだんに用いた美しい庭園を有する。シルメナから迎えた妃アスレイア・セシリアのために先々代のニコラ王が建造したセルア館には、その再現を試みたと思しき設備が整えられていた。ナステューカがメール・シルミナよりも気温が低いことをおもんぱかってか、加温浴室カルダリウム1の機構まで整えられている。
 だが、現在の所有者はそれをあっさりと無視し、冬の最中であるにもかかわらず汲んだばかりの清冽な水を浴槽に張ってその身を半ばまで浸していた。
 両眼を閉じ、浴槽の中に膝をついてぴしりと背を伸ばした姿勢は、清潔のためというより斎戒沐浴2の所作のようにさえ見える。
 その左肩には、治癒はしているがむごい傷痕があった。古い傷だ。いっそ生存が奇跡と思える程の広範な瘢痕を遺していた。
 呼吸を整え、両手で掬った水をその身に掛ける。
 だがその静謐は、律動的な足音に続く遠慮の無い開扉の音で遮られた。
「サティ、あのねーっ!」
「こら、少しは遠慮しろ。入ってるって判ってて叩音ノックもなしに開ける奴があるか!」
 舌打ちしたサーティスが振り返りながら言ったが、開けた方はいたって平静だ。
「何を今更」
「お前、いちおう年頃の娘だろうが。その反応は諸々問題あるぞ」
 浴槽の縁に背を凭せかけて、呆れたように闖入者を一瞥する。
「だってホントに今更だもん」
 マキがけろりとして言い放つ。サーティスは深く嘆息した。
「…誤解されるような言動は慎め。この間もルーセ3のところで女官長にさんざっぱら説教くらっただろう」
「そういえばそんなこともあったっけ。忘れてた。
 …ってゆーか…ここ、ちゃんとお湯が沸かせるのに…なんでわざわざそんな冷たい水に浸かるかな!? 信じらんない!」
「そうは言うが、沸かすのに手間が半端ないしな。べつにこれでもそれほど寒くはないぞ。
 …で、何だ」
「そーだった。ね、居間に旅支度が置いてあったけど…どっか行くの?」
「ああ、それなんだが…まあ、出てから話す。とりあえず閉めろ」
「…はーい」
 開けた時の勢いを思えば至極あっさりと、マキは扉を閉めた。
 暫くして服を整えたサーティスが居間に戻ると、支度された食事の他に卓の上で蜂蜜酒ミードの湯割りが穏やかな湯気を立てていた。
 あの短時間にすっかり旅装に身を固めたマキは、既に黙々と朝食を平らげている最中である。苦笑したサーティスは、湯割りの椀に形ばかり口を付けてから、卓についた。
「…傷、熱もってない?」
 問われたことの意味を取り損ねて…サーティスは顔をあげた。
「ここ」
 マキが自身の左肩を叩く。
「ちょっと赤かったし。前に古い傷でも何かの拍子で熱持つことがあるって言ってたじゃない」
 マキの少し不安げな様子に、ようやく何を問われたかに気付く。
「…あぁ、そんなのじゃない。寝惚けて引っ掻いただけだ…」
「それならいいけど。冷たい水で無理矢理冷やしてるのかと思っちゃった」
 マキが常になく素直に引き下がったのは、その所為か。
「そんな乱暴な…」
 サーティスが少し大仰に眉を顰めてみせると、マキが憂慮を払拭したように笑う。
「サティならやるかもと思って」
 大雑把なようで存外細かいことに気の回る娘である。だが、引っ掻いたというのは嘘ではない。
 …ただ、寝惚けてというところは出任せだ。覚めていた。覚めて、考えていた。だからこそ、掻き毟りたくなった。そうすることでどうなる訳でもないのに。
 湯で割った蜂蜜酒を胃の腑に落とし込み、サーティスは口を開いた。
「なにやら王都が騒がしいんでな。暫く離れたい。調べることもあるから何カ所か廻ることになるだろう」
 顔を上げると、常なら弾けるような生命力を秘めた緑瞳が些か心細げな光を湛えてこちらを見ている。
 ここに残らせる、という選択肢はあった。所詮は、自分の我儘だ。そして、彼女はここに残ることを是とする理由も持っている。しかし、その緑瞳の訴えかける強さに、サーティスはこうずるしかなかった。
「…来るか?」
「まさかと思うけど…置いてくつもりだった!?」
 少女が俄に柳眉を逆立てるものだから、サーティスは苦笑した。
 立ち上がると手を伸べて、艶の良い黒髪を撫でる。
「滅相もない…」
 緑瞳の鳥。この手の中にいる間に、叶えられることは叶えてやろう。
「最近は子守が楽しそうだったから…訊いてみただけだ」

***

 怒らせたな。
 隊舎に戻ったエルンストは、机に容赦なく積まれた決裁書類の所為でなく、溜息をつく。あれほど話が拗れるとは思わなかった。
 まだ十代の頃に西方で出会った友人。その出自を知ったのは、ほんの数年前のことである。
 もう、故国へ戻るつもりなどないのかと思っていた。それだけの目に遭っている。それでも敢えてナステューカに戻り、居を定めているのは相応の理由があるのではないか。
『この国にそれほど執着があるわけではない。今はたまたま家があるから住んでいるだけだ。居心地が悪くなったらまた西方でも…そうだな、東へ行ってみてもいい』
 以前、訊いてみた。だが、あの男一流の韜晦と一緒に毒づいた言葉が一体何処まで本気なのか、エルンストは読みかねていた。
 太古の『遺産レガシィ』の継承者レグナンツァ。無限とも思える知識と技術を受け継ぎ、大陸全てを俯瞰する者。
 静かな生活を好むくせに、必要とあらば万人を魅了する微笑で誑し込む。用がなくなれば上手に突き放す。それでいてあまり恨まれることはない。ああいうのを人たらしの才というのだろう。
 エルンストが見る限り…王太子アリエルがその命と引き換えに勝ち取り、リオライが心を千切りながら構築した平穏を護っていける人物は…今このツァーリで、先王弟にして颯竜公たる彼、レアン・サーティス以外にいない。
 およそ政治的野心とは疎縁な男だ。だが、本人が『虫酸が走る』と忌避していても、先王弟という出自は、旧勢力を納得させるにも十分だろう。
『お前は現宰相贔屓だからな。気の毒で見てられないってか?』
 そう吐き捨てたサーティスの指摘を的外れとは言うまい。
 もう十年近く前になる。この王都ナステューカで初めて、才気と稚気と生まれ出たばかりの恒星のような活力エネルギーに満ちた少年に出会ったとき、これがあの銀姫将軍シアラ・センティアーの掌中の珠かと思えば納得もしたし、興味も持った。その成長はある意味十分に見物みものであったから、多少職域は越えても頼まれれば出来ることはしてやろうという気になった。それを贔屓といわれればそうなのだろう。だからこそ獅子が檻の中で緩々と憔悴してゆくような今のリオライを見ているのは、エルンストにとって確かに辛いのだ。
 一方で、旧友レアン・サーティスが口では毒づきながら森の緑ナステューカに向けるまなざしは、リオライが護りたいと思う静穏とそう隔たってはいないのではないか。
 飄然を装って、そのくせいつもサーティスは緑陰を渡る風の中に何か・・を探している。その昔、此処で何を喪ったのかまでは知らないが、確かにその記憶はこの森の静謐と共に在るように見えるのだ。棄てきれない何か。…だがそれを、サーティス自身は認めようとしていない。喪えばまた悔恨に苛まれると、自身でもわかっているだろうに。
 だから色々な意味で取り返しがつかなくなる前に、それに気付いてくれればいい。そう思って話をした。その結果がこれだ。
 ――――言葉は難しい。
 前宰相の弟に当たるシードル卿あたりは四国体制、つまり大侵攻以降の世界から頭が抜けきらない連中の筆頭である。ノーアに心を残しているリオライが講和成立後、あっさりと政権を委譲できなかった事情はそこにある。
 周辺四国からの富を吸いあげることが出来なくなっても、権益に群がる者達はいる。それらに舵取りを委ねれば、この国が、この美しい森が炎に包まれ灰燼に帰すことは明らかだった。
『この森を焼くようなことは、決してしたくない』
 リオライをツァーリへ留めているこの森への想いは、確かに王太子アリエルへの哀惜と分かちがたく結びついているのだろう。だが、書記官長アレクセイ=ハリコフあたりはリオライの心労ストレスがそろそろ危険域にまで達しているのではないかと憂えているし、その認識はエルンストとて同様だ。
 それが焦りになったのかも知れない。自身が弁舌に長けているとは到底言い難いことを解っているつもりだったのに、敢えて柄にもない嘴を挟んだのが間違いの元か。
 言ってしまったことは戻らない。丁寧な叩戸ノック、律儀に許可を待って入ってきた人物に、エルンストは前口上まえこうじょうもなしに嘆息と共に愚痴めいた台詞を零してしまう。
「セレス…俺はあいつを怒らせたらしい…」
 エルンストの前に凜と立つ華奢な輪郭シルエット。それは、エルンストや他の隊士のように一応傭兵の姿なりをしていたが女性であった。見事な烏羽からすば色の髪は、肩より少し上で切り揃えられ、前髪は傷のある右側だけこころもち伸ばされていた。その陰翳の下には怜悧な美貌があり、第三隊の中にあっては戦斧バトルアックス槌矛メイスの間にレイピアが混ざっているような印象がある。
 セレス、とだけ呼ばれている。ディルと同じ副長であるが、その役回りは情報収集・作戦立案とどちらかといえば参謀に近い。しかし、そのレイピアの切れ味も隊内随一であることは、隊の全員が周知していた。この一年ほど、王妃となることが決まっているミティア=ヴォリスの警護のため隊から離れており、先頃復帰したばかりだが、その腕は些かも錆付いてはいない。エルンストは先日リオライの部下からの依頼を受けた一件に関し、彼女に探索を命じていた。
 傍目には全く脈絡無く思える言葉が、何を意味するのか…セレスには理解できた。だがそれにどう反応してよいものか一瞬迷う。…その迷いを、エルンストは正確に読み取った。
「…聞き流してくれ。どうだ、黒幕らしいのは、見つからんか」
 エルンストはその顔の造作に似合わぬ、難しい表情をしていた。ただそれは、先刻までのものとは理由が違う。だから、彼女はただ、威儀を正して口を開く。
「候補でよければ掃いて捨てるほどいますけれど。さすがにまだ確定はできません。ですが、相当上層の人間が絡んでいるのはまず間違いないでしょう」
「…ま、そうだろうな…」
「前回とは事が違います。明らかに標的は閣下ですし、前宰相時代に益を受けていた者たちを、噂を撒くことで煽っているのが明らかである以上、閣下の身辺警護も強化したいところですが…」
「そこに関してはあいつの周りにも十分な人手はある。実戦慣れした強者つわもの揃いだから心配はあるまい。…ま、どっちかっていうと本人が警護されるのを鬱陶しがるところに問題はあるかな」
 エルンストが苦笑いする。
「掃いて捨てる程に候補者はいても、実際に事を起こせる…起こして勝算のある首謀者は限られる。ただ、実働がどのあたりか、だな」
「探索を続行します」
「頼む。だが、あんまり無茶はしてくれるなよ」
「そっちの方が難しい注文ですね。・・・まぁ、気をつけます」
 一瞬だけ、この武骨な隊長の眉目をよぎったものを彼女は少し悪戯っぽく笑殺し、一礼して踵を返した。
 だが、ふと足を止める。
「どうした?」
「いえ、たいした事ではないのですけれど・・・何故、この探索が私に任されたのか・・・と思っただけです」
 エルンストの眉が僅かに動いた。彼自身、心の水面みなもに浮かんでこなかったことを言い当てられた気がして。
「気になさらないでください。ただ、隊長のカンは、良きにせよ悪きにせよ、今まで一度もはずれたことがありませんから・・・」
「セレス…」
 エルンストの答えを待たず、セレスが扉の向こうへ消える。エルンストは複雑な面持ちで暫く扉を見つめていた。

***

 隊長エルンストの反応で、セレスは確信を強めていた。
 今回の探索はセレスひとりに任されている。リオライの部下達からの、言わば内々の依頼であるから…というのが隊長がセレスにした説明だったが、今日のあの反応で判った。
 第三隊の中にも、関与する者がいる可能性。
 セレスも言った。今回のことは昨年のミティア誘拐未遂事件とは違う。一歩間違えればツァーリ中枢部での内乱、悪くすれば今度こそ軍事的政権奪取事件クーデターに発展しかねない。
 今のツァーリで事を起こし、政権の座を占めることの出来る人間は限られている。しかし、その実働となるのが誰なのかが判らない。旧勢力の中に黒幕がいるなら順当なところで衛兵隊の第一隊・第二隊あたりだ。ただし、彼らは練度としては儀仗兵の域を出ない。本気で事を起こすなら、実戦経験のある軍隊とテロ要員は必須だろう。
 軍隊については現在国境配備のいずれかという線が濃厚だが、テロ要員に関しては…残念ながら第三隊ほど人材豊富な処もない。
 エルンストが隊長の任に就いてからの第三隊は殆ど問題を起こしてはいない。規律は保たれ、軍隊としての練度も上がってきている。だが、所詮は傭兵部隊なのだ。いい条件を出されれば、裏切る者もいるであろうことはほぼ常識だった。
 身内を疑うのはあまり心楽しいことではないが、エルンストがそれを危惧してセレス一人に探索を指示したのは明白だった。…やはり、隊内の動向にも注意が必要だ。
 セレスは旧主の館へ足を向けた。そうは言っても旧主に会うためではない。セレスは王都の中に複数の情報源を持ってはいたが、その中でもとりわけ活発で慧眼な情報提供者に会うためだ。
 ひとつには、これもあまり考えたくはないが…旧主が巻き込まれてはいないかという危惧があるからだった。旧主は容易く手の内を明かしてはくれまいが、彼女なら答えてくれるだろう。
 だが、行ってみると二人とも不在であった。せめて家令として留守を預かるエクレス翁に挨拶して帰ろうと翁の部屋へ廻ってみると、以前見た顔があった。
「お久しうございます。エリュシオーネのケレス・カーラ様。…いえ、セレス様とお呼びせねばならないのでした」
「リダス、レクシス…何故あなた方が?」
 館の維持のために何人か雇い入れているという話は聞いていたが、以前シルメナ宮廷で会った二人がいかにも従僕然とした格好でエクレス翁の側に控えているのを見て流石にセレスは驚く。
「この度、アクイロ・エクレス=パトラ翁を補佐せよとの王命・・にて」
 この場合、彼らの言う王命とはツァーリ王リュースではなく、シルメナ王ルアセック・アリエルⅤ世の命令という意味になる。リダスの言葉に、セレスは絶句した。
「おじいさま、これは…」
 エクレス翁は穏やかに笑って言った。
「儂も歳でな、身体が動かなくなって人手が足りぬというので、ルアセック陛下が館を維持するための人手を寄越して下さったというだけのことだ。無論、殿下もご承知のこと。ほかならぬ殿下がこの年寄りを気遣って下さり、陛下にご相談になった。既に去年あたりから何人か来ていたのはお前も知っていただろうが…この二人が来たのは秋頃、だったかな?
 大丈夫だ、セレス。…何も起こってはいない。」
「…今は、まだ。そういうことですね?」
 セレスがやや硬い表情で…ゆっくりと確かめるように言葉を継いだ。
「一朝事ある時には、エクレス翁麾下にて殿下を護りまいらせよ、と…」
 今まで遣わされていた使用人とは違う。リダスとレクシスはシルメナ宮廷に〝影〟として仕えていた者達だ。従僕の姿なりはしていても、送ってきたほうの意図は明らかだった。
 表情を改めて、エクレスが頷く。だが、すぐに相好を崩して言った。
「案ずるな…今のお前には、今のお前の責務がある。己の責務を全うせよ。わかるな?」
「…ありがとうございます」
 旧主の警護は我らに任せよ。そう言われているのは明白だったから、セレスはそれ以上何も言わずにこうべを垂れた。
「それにしても…あの方がルアセック陛下に頼み事とは…」
「儂も驚いたよ。だが人手の件は…まあ言わば、ついで・・・だな。本当は、あの子のことを相談なさったようだ。そろそろきちんとした身元が必要であろう、と。…あの子はラリッサの公主としての名を得ることになっている」
「…マキちゃんが…?」
 ラリッサはシルメナ王家の諮問機関である族長会議に名を連ねる名家である。確かにそこの公主となれば大陸中、いかなる王侯にでも縁づかせることはできるだろうが…そんなことをマキが望んでいるようには思えない。旧主の意図が読めなくて、セレスは思わず首を傾げた。その当惑を察してはいたようだが、エクレスは敢えてそれに説明を付け加えようとはしなかった。
「俄に物々しいことになりはせぬよ。ただ、殿下が常からあまりにも御身の回りに頓着なさらぬので…相応の者をお遣わしになったというのが真相さな」
 リダスが苦笑気味に言い添える。
「セレス様、私共とて殿下の技倆もご気性も存じ上げておりますが、何分にも勅命にて。…何事もなければ、ご覧の通りの従僕ものとしてもちいて頂いたので結構ですから」
 シルメナ国王ルアセック・アリエルⅤ世は、公的にはツァーリを逐われたままの従弟を不憫と思うのか、当人サーティスが辟易するほどに支援を惜しまない。その気の遣いようときたら、銀狐と渾名され、周辺諸国からこぞって警戒される辛辣なシルメナ王という人物像の間に著しい乖離がある。リダスの苦笑はその所為であった。
 しかし、セレスの眉目からは緊張が拭い切れない。
「…ルアセック陛下は、ナステューカの騒擾について…何かご存じなのですね」
「外からの方が、全体が見えやすいこともあるだろうな」
 エクレスの返答は言質を与えずにセレスの問いを肯定していた。だが、エクレスにはエクレスの立場がある。これ以上は聞き出せまい。セレスは辞去の礼を執った。
 だがセレスが踵を返した時、エクレスはふと思い出したように言った。…用意されたタイミングのようにも思えたが。
「そうだ、殿下からお預かりしているものがあるのだ。…扱いはセレスに任せると」
「私に…?」
 エクレスの指示で、レクシスが文箱を部屋奥のひつから取り出してセレスへ渡した。
「…拝見します」
 セレスが箱をあけて中におさめられていた数通の書簡に目を通す。一通ごとに、セレスは自分の顔から血の気が引くのを感じた。

  1. カルダリウム…床暖房システムの一種であるハイポコーストで熱した非常に高温多湿の部屋。古代ローマのテルマエはこの機構を有していたとか
  2. 斎戒沐浴…神仏に祈ったり神聖な仕事に従事するのに先立ち、飲食や行動を慎み、水を浴びて心身を清めること。
  3. ルーセ…シルメナ王ルアセック・アリエルⅤ世のこと。