篝火は消えない 篝火は消えない Ⅰ 海は、血生臭い喧騒けんそうに満ちていた。 数多の軍船が入り乱れ、波の上には敗者の骸むくろと砕けた船や武器が散乱する。 衝角で横腹を貫かれた船が、浸入した海水の重さにはぜ割れる。その悲鳴にも似た音が波を圧し、憑かれたような鬨の声、櫂と船体の苦... 2020.06.27 篝火は消えない篝火は消えない篝火メインストーリー
篝火メインストーリー 篝火は消えない 「海神の神子」レオンを奉じて、シェノレスが決起する。 シェノレスにとっては国土回復戦争、ツァーリにとっては不遜な叛乱。本土までの後退を余儀なくされたツァーリは、一計を案じた。 2020.06.27 篝火メインストーリー
西方妖夢譚 夢のあとさき サーティスとエルンストが龍禅で再会したしばらく後のお話です。まだ愁柳は一服盛られて目を患う前でして、一寸だけ雰囲気が明るかったりします。(しかし元来は結構ライトな御仁なのです。怒らせると怖いですが)一応は「さくっと読める番外編」を目標に書い... 2018.12.30 西方妖夢譚
西方妖夢譚 西方妖夢譚Ⅲ 狼が地を蹴る。サーティスは寸前で抜き、狼の右の前足から左肩へまっすぐに斬り上げた。刹那の間隙。直後、白い毛皮が朱に染まる。「…お前か、シルヴィア…!」 先刻、雪の上に打ち倒されたとき、脳裏に閃いた映像。吹雪の雪稜に、佇立する女。髪も、服も、... 2018.12.30 西方妖夢譚
西方妖夢譚 西方妖夢譚Ⅱ 『サーティス…貴方、寂しいと思って事があって?』『あるよ。当たり前だろう?私だって人間だ』『そうね、ひとだものね…。ねえ、動物は寂しいなんて思うことはあるのかしら?』 無邪気な問いに、サーティスは笑った。『さあね…獣になったことがないから、... 2018.12.21 西方妖夢譚
西方妖夢譚 西方妖夢譚Ⅰ 「サーティス!」 避け損ねたサーティスは積もった雪に背中から叩きつけられた。 さすがに息が停まる。白い牙が左肩の古傷に食い込んで、サーティスは僅かに呻いた。しかしエルンストが投げた短槍が獣の背を掠め、白い狼は肩を放す。すかさずその身体を蹴り... 2018.12.20 西方妖夢譚
西方奇譚 西方余談 実は、この数年後に竜禅の都・天河で二人が再会するくだりの小咄もあったりするのですが、あんまりにもしょーもないので削除しました。まあ、「綺譚」当時、サーティス16歳、エルンスト18歳だったというまるで詐欺のような年齢が暴露されるだけのオチです... 2018.12.13 西方奇譚